第33話 S級ダンジョンの攻略 4
扉を開けるとブラックドラゴン並みの大きさを誇るレッドドラゴンが上空を飛んでいた。
「グォォォォォっ!」
「賢者さん!鑑定っ!」
『了解しました』
俺の指示により賢者さんが鑑定結果を教えてくれる。
*****
名前:レッドドラゴン
レベル:4000
筋力:13000
器用:13000
耐久:13000
俊敏:13000
魔力:13000
知力:13000
スキル:【硬化】
【竜の息吹】
【竜の鉤爪】
【威圧】
装備:なし
*****
ブラックドラゴンはレベルが5,000で全ステータスが15,000だったのに対し、レッドドラゴンの方がステータスが劣っている。
「同じドラゴンだからステータスは同じだと思ったが、ブラックドラゴンとは違うのか?」
『解、基本的に隠し通路先にいる隠しボスはS級モンスターの中でも強力なモンスターが出現します。また、レッドドラゴンはブラックドラゴンよりも劣っている種族になります』
「単純にレッドドラゴンよりもブラックドラゴンの方が格上だったってことか」
決して油断していい敵ではないが、ブラックドラゴンよりも劣っていると聞いて少しだけ安心する。
俺はレッドドラゴンを見据えつつ、自分のステータスを確認する。
*****
名前:カミト•ヴィオレ
年齢:18
レベル:2260(14up!)
筋力:24705(6038up!)
器用:24686(6037up!)
耐久:24678(6034up!)
俊敏:24688(6035up!)
魔力:24634(6029up!)
知力:24732(6038up!)
スキル:【剣聖】
【賢者の眼】
称号:〈ジャイアントキリング Lv.4〉
〈無傷の冒険者 Lv.5〉
装備:純黒の長剣(全ステータス2,000上昇)
純黒のコート(全ステータス2,000上昇)
純黒の靴(全ステータス2,000上昇)
*****
ブラックドラゴン討伐後の爆上がりと比べ、このダンジョンで何度か戦闘を行ったことでレベルが14上昇し、ステータスも少しだけ上昇した。
また、ブラックドラゴン討伐後の報酬で装備を一式手に入れることができたため、全ステータスが6,000も上昇している。
それに加え〈ジャイアントキリング Lv.4〉の称号効果で全ステータス4,000上昇の補正がかかり、レッドドラゴンと対峙する俺の全ステータスは28,000越えだ。
そのため、化け物みたいなステータスとなっている。
(全ステータス13,000のレッドドラゴンってS級だよな?)
そう聞いてみたいくらい、俺のステータスがぶっ壊れている。
「メルさん。レッドドラゴンを地面に落とすことってできますか?」
「そうね。15秒ほど時間をもらえば可能よ」
「わかりました。レッドドラゴンが落下さえすれば俺が討伐できますので、メルさんはレッドドラゴンを落とすことだけに集中してください。メルさんのことは俺が絶対に守りますので」
「っ!そ、そう。ならカミトを信じるわ」
少し頬を染めたメルさんが詠唱を始める。
「まずは弱点に印をつけてもらうか。賢者さん、レッドドラゴンの弱点を教えて!」
『了解しました。視覚を通して弱点となる部分に印をつけました。その部位は【硬化】のスキルを発動できませんので、その部位を狙ってください』
その発言を聞き終えると、ドラゴンの身体にいくつもの赤い点が見え始める。
「ありがとう、賢者さん。さて、俺はレッドドラゴンの注意を引くか」
「グォォォォォっ!」
咆哮したドラゴンは俺とメルさんに狙いを定める。
そんなドラゴンへ攻撃を仕掛けることで注意を引く。
「『絶剣技』四の型〈旋空〜四連撃〜〉」
俺は空を飛んでいるレッドドラゴンに対して斬撃を飛ばす。
「グォっ!」
俺の剣から放たれた4つの斬撃を見て驚いたドラゴンは慌てて3つ防ぐも、1つがドラゴンの右脚に命中する。
「グォォっ!」
【硬化】が無効になっているヶ所ではなかったため、効果的なダメージとはならなかったが、今の攻撃でメルさんは眼中に無くなったようだ。
そんな俺に【竜の息吹】を放つドラゴン。
「ゴォォォォォっ!」
視界いっぱいに広がる巨大な【竜の息吹】。
俺は迫り来る【竜の息吹】を避けず、『純黒の長剣』の鞘を握る。
「『絶剣技』四の型〈旋空〉」
そして【竜の息吹】に向けて斬撃を放つ。
俺の斬撃は拮抗することなく【竜の息吹】を一刀両断する。
そして、放った斬撃は勢いをそのままにドラゴンの顔面にヒットする。
「グォォォォォっ!」
【竜の息吹】を真っ二つに斬られるとは思っていなかったようで、回避できずに【硬化】を発動できない顔面に当たり、痛そうな声を上げる。
そんなドラゴンへ…
「アイシクルディザスター!」
詠唱が終わったメルさんの声が響き渡る。
すると、ドラゴンの真上にバカでかい
「グォっ!」
真上からの
「さすがです!」
俺はメルさんに感謝しつつ攻撃へ移る。
「『絶剣技』初の型〈牙突〉」
異次元のスピードと攻撃力を誇る突き攻撃を、地面に打ち付けられて怯んでいるドラゴンの顔面に見舞う。
“ザシュっ!”
俺の突き攻撃はドラゴンの顔面から尻尾まで一直線に貫く。
「グォ…ォォ…」
そんな力のない声を最期にドラゴンが絶命して魔石をドロップさせる。
そして『レベルアップしました』『称号を獲得しました』という脳内アナウンスを聞く。
「ふぅ。やっぱり2人いると戦いやすいな」
「お疲れ様」
そんなことを呟く俺に声をかけるメルさん。
「メルさんがドラゴンを落としてくれたので簡単に倒せました」
「カミトが隙を作ってくれたから、簡単に落とすことができたわ……というより、ドラゴンのブレスを真っ二つにしてたわね」
メルさんから若干引かれている気がする。
「あはは……た、たまたまですよ」
そんなことを話しつつ、無傷でS級モンスターを倒した俺たちは、魔石を回収してフロアボスを倒した時に出現する階段を目指す。
すると、26階層へ続く階段の隣にワープゾーンが出現していた。
「もしかして、これに入ると外へ出ることになるんですか?」
「そんなことないわ。私も入ったけど報酬部屋に繋がってたわよ。受け取った後は外へのワープゾーンか階段があったわ」
ということは、報酬部屋に入っても外へ帰還することにはならないようだ。
「なるほど。なら行くしかないですね」
「もちろんよ」
ということで、俺たちは迷うことなく報酬部屋へと繋がるワープゾーンへと踏み込んだ。
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