いわゆるクソゲーってやつでして
「やっほー、今日もAoDやってくぞ~」
今日俺が配信するゲームはこちら。
Atack or Death
...言いたいことは分かる。
意味分からないって言いたいんだろ?
まあ見てなって。
「さて、前回は...チャプター3クリアしたっけな。じゃあ続きからやってくぞー」
▼きた、クソゲーの続き
▼待ってました
▼チャプター3クリアの時点でキチガイ
「おいおい、クソゲーって言うなよ。まだギリギリ遊べるだろ」
そう、いわゆるクソゲーってやつでして。
このゲーム、基本は洞窟を探索していくターン制RPGなのですが、タイトルの通り攻撃か死か。
一撃で敵を倒さないとこちらが攻撃を受けて死ぬというクソゲーである。
▼チャプター4はホントにクソゲー
▼逃げるならここしかない
そう、今から始まるチャプター4はこのゲームがクソゲーである根源である。
まず、基本はダンジョン探索といったがこのゲーム、1歩移動する度に必ず何かしらのイベントが発生する。
例えば敵とのエンカウントだったり、アイテムをゲットしたりと様々だが、発生するイベントは完全ランダムである。
そのため、運が悪ければ永遠と敵と戦闘になりすぐにゲームオーバーである。
そして、対戦する敵についてだが、ここまでチャプターを進めていると普通の攻撃では一撃で倒せないようになっている。
敵毎に弱点があるので、しっかりそれを狙った攻撃をしなければ即ゲームオーバー。
知識も必要となるので単純な運では突破が不可能。
また、チャプターごとに様々なテーマが存在している。
チャプター1は普通
特に何事もなくダンジョン探索ができる。
楽しむだけならここで終わるのが良い。
チャプター2は反転
上下左右の操作が反転、決定とキャンセルなどの操作も反転しているという操作性を著しく下げてくる。しかし、ダンジョン難易度自体は変わらないのでまだ良心的。
チャプター3は未知
自分の持っているアイテムは分からなくなり、敵のシルエットも全て統一され相手が何か分からなくなる。
つまり敵との遭遇をした際は必ず技選択が運ゲーになってしまうというクソゲー。
しかし、セーブをしながら少しずつ進めることで一応クリア自体は出来る。
ほぼ死にゲーである。
そして、チャプター4の最悪なテーマは破壊
「え!?7歩目で!?」
イベントにおいて、セーブデータを破壊して1からやり直しというイベントが存在している。
▼はいオシマイ
▼ヒキ強すぎ
▼また1からやり直そうね
「...今日の配信はオシマイしていいか?」
▼ダメです
▼ダメ
▼逃げるな
そう、破壊されたのだ。
セーブデータを。全て。
これがこのゲームがクソゲーたる所以である。一応発生確率は0.3%で、チャプター4のダンジョンも早ければ5.60歩で終わるのだが...
これである。
▼撮れ高だけはバッチリだったな
▼これが豪運ってやつか
「いやぁ...まさか引いちゃうかぁ...噂には聞いてたけどやる気無くしちゃうなこれは」
うーん、まさかの配信でもこの仕打ちである。しかし、分かってはいたので仕方ない。
「仕方ない、流石に別ゲーしますか。裏でまたチャプター4まで進めたらやります」
▼お蔵入り確定
▼失踪
コメント欄が優しくない。まあ、言うとおりやる気出ないんですけどね。
「んー...たまにはクソゲー以外も遊んでみようかな」
まあ、この通り俺はクソゲー配信者である。
コメントしてくれている人達も物好きな人達ばっかりだ。
特に配信者同士の交友関係があるわけでもなく...密かに活動している無名配信者が俺である。
▼じゃあたまにはFPSとか
「お、いいね!実は配信してないときはちょくちょくやってるんよ。ほら、えっとあれ...prideってやつ」
▼いいじゃん見たい
▼クソゲー配信者の良ゲー配信
「お、じゃあやりますか。」
とりあえずprideというゲームを起動する。
5vs5のFPSゲームで、色んな特徴のキャラを使ってチームでの勝利を目指す最近流行のゲームである。
「prideって言えばこの前配信者大会もあったよなあ。見てないけど盛り上がってたよね」
▼激アツだった
▼なお優勝者が炎上中
▼↑激アツな模様
あ、そうだった。
彼女が優勝してるんだった。
「あ~...そうなんだ。あんまり詳しくないや」
普段は他の配信者の話題など一切上がらないので油断をしていた。
そっか...なんか優勝したとか言ってた気がする。
「と、とりあえずやってみるわ。こちとらクソゲー配信者だ!こんな良ゲー余裕余裕」
その後、勝つまで終われない配信となり3時間ほどかかってしまい無事下手プレイを見せて配信を終えたのであった。
ジャッジメントはくだらない 若葉 @wakana-101
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ジャッジメントはくだらないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます