第5話 アルコールの怖さ

俺に妻が出来た。

生活してみて一週間が経過した。

そして、分かったことがいくつかある。


それは、

言い方は悪いが澪夜は世間知らずと言うこと、

それとあまり酒を飲ませてはダメだということだ

何故かって?

その理由を今から説明しよう。



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俺達が夫婦の誓いを交わした次の日、

今日は平日、普通に会社に行かなくては行けないのだが、行けない。


それは何故か?


それは、こうだからだ。




『 ……何処行くんですか。 』




「 か、会社だよ。 」




『 かい、しゃ? 何ですかそれは……? 』




……驚いた、

まさか会社の概念が無かったとは、

一体どこで生活したら、そうなるんだろうか。


俺だって、行きたくない、

だけど、澪夜の為でもあるから、そこは分かって欲しいと思うんだが……、





「 とりあえず、遅れちゃうから……、 」




『 ……むぅ……。 』




と、澪夜は頬を膨らませる。


……ちょっと、やばい、

心が揺らいでいるのが、分かる。


いやいや、可愛い過ぎないか?

目の前でこんな顔されたら、誰だって会社行きたくなくなるでしょ……、


いや、俺は立派な社会人、

ましてや、会社の社長だぞ!?

そんな人が私情で休んでいいはずがない……。




「 じゃ、じゃあ、20時までには

帰ってくるから!! 」




『 ……行ってらっしゃい……。 』




と言うと、俺は早々と家を出た。

すると、澪夜もようやく諦めが付いたのか、

素直に見送ってくれた。


嬉しい、前までは静かに家を出ていたけど、

見送って貰えると言うのはこんなに嬉しいんだと改めて感じた気がするよ。




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会社に着いてからどれくらい経っただろうか、

現在、14:32、多分数時間以上は経っていると思うが、俺は色々なことを考えていた。




「 ……大丈夫かな……。 」




そう、澪夜のことに決まっている。

結局、俺が居ない家が初めてだから、

どう過ごして、どう思っているのかがとても心配なのだ。




「 ま、事故とかは多分ないと思うけど……。

〝 色々 〟と心配なんだよなぁ……。 」




今朝の事で分かったが、

会社を知らなかったというのもあるが、

少し、あれだ、メンヘラというやつなのかもしれない、現に昨日、澪夜にスマホを渡したのだが、

俺のスマホに澪夜からの通知が100件程来ている、これは確定なのでは?


まぁ、帰らない訳ではないし、

あえて、返信も既読もしないでおこう。

まぁ、ちょっとしたイタズラってやつだ。




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……疲れた。

今、俺は帰路に就いていた、

時刻は19:37、今朝の約束通り、

家に、20時前には帰れそうだ。




「 ……何とか、約束は守れそうだな……。

後は、澪夜になんて言われるかだけど…。 」




俺は帰り道でも色々と考えながら、

歩いていた、数分もすると、家が見えてきた。


やっと帰れる、

今日は珍しく、仕事が多く、休む暇なんて

全然無かった。




「 ……ただいま……。 」




俺が力無くドアを開け、言う。

そうして、リビングに入ると、

ソファで、澪夜が寝ていた。


……疲れたのかな?

まぁ、部屋は掃除されているみたいだし、

洗濯物も綺麗に干してある。

とても、ありがたい。


そして、俺は澪夜を起こさないように、

台所へ向かうと、ある空瓶が置かれていた。




「 ……これは……。 」




俺がその瓶を手に取ると、

直ぐに分かった。




「 ……これワインの瓶じゃん、

空っぽって事は……、

……澪夜が全部飲んだのか!? 」




このワインは俺がこの前の週末、

つまり、澪夜がこの家に来る前に

買ったものだ、そんなに高いものでは

ないが、アルコール度数が結構高いものを買った覚えがある。


って、……それを全部飲んだのか……!?


と、俺がそんなことを考えていると、




『 ……純星、さん……? 』




「 あ、起きた? 」




澪夜が目を覚まし、起き上がった。




「 大丈夫? 」




俺はソファへ向かい、澪夜の隣に座る、

まだ澪夜は眠たそうにしている。


まぁ、あれだけのワインを飲めば、

まだ眠いのは当然だろうな。




『 ……大、丈夫…です…。 』




すると、澪夜は俺に抱きついてきたのだ。


……うーん、

寝ぼけてるのかな、

まぁ、別にいいんだけどさ……、

またいきなり……、




「 えと、ほんとに? 」




『 らいじょぶですぅ……。 』




澪夜はそう言うと、

猫のように、俺に擦り寄って来る。


……可愛い過ぎる、

まだ、酔っ払ってるんだろうか、

呂律が少し回ってないとこも可愛い。


そして、

酔っ払うと、だいぶ甘えん坊になるんだな、

まぁ、それも良い……。




「 ちょ、ちょっと……。 」




『 ……ダメ……? 』




澪夜は上目遣いで、俺を見てくる、


……それは反則じゃないか?

そんな事されたら、

断るに断れないじゃないか……。


んで、敬語外した方が、

俺的にはより可愛い気がする……。


そして、俺は頬を紅潮させてしまう。




『 ……ふふ、頬っぺが真っ赤だよ? 』




「 ぅ、ぇ……? 」




澪夜は微笑んで、

俺の頬を指で優しくつんつんして来る。


もう天使だ、

まぁ、酔っ払ってるけど……。

でも、可愛いから良し!




『 ……んー。 』




「 ……へ? 」




俺は素っ頓狂な声を出してしまう。

理由は澪夜がキスをしようとしてきたからだ。


いやいや!?

ま、まだ、キ、キスは早いんじゃないか!?

だ、だって、まだ出会って2日ぐらいしか

経ってないし!?


と、俺は脳内でパニックを

起こしてしまうのだった。







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