第2話 両親は異世界の美女と野獣

 目が醒めたら見知らぬ天井が目に入った。身体を動かそうとするも、上手くいかない。

「…お!目を覚ましたぞ!」

 頭上から野太い男の声。俺はそちらに視線を向ける。視界に入ったのは大男。

「貴方、あまり大きな声を出さないで。アウラがビックリするでしょ」

 鈴の様な綺麗な声が真横から聞こえて、今度はそちらを見る。色白の肌に耳が長く尖った女性。


(エルフっぽい)


 女性を見て思った。男の方は。


(…RPGゲームした事無いけど、確か強靭な肉体してた)


 ゲームと言えば、格闘系・育成系のゲームのみ。故に正しい認識は出来ない。ただ言える事は、この2人が両親だという事。そして、俺はこの2人の愛の結晶だ。俺は2人を見つめ続けた。その様子に、2人は怪訝な表情。

「おかしいわね、この子。産声どころか、貴方を見ても泣かないわ」

「…何気に貶してないか?ミリア」

「そんな事ないわ、ただ事実を言っただけよ?」

「……ヒドイ」

 巨体を縮こませ、床にのの字を書き出す父親の姿。2人の会話が面白く、俺は笑った。

「あら、笑ったわ」

 優しい眼差しで、母親・ミリアが俺を見る。


(…ここは異世界なんだな…。あぁ、今流行りの転生ってやつか。あんまり興味は無かったけど)


 周囲を見渡す。俺の家はログハウスの様な作りだ。異世界らしく電気は無く、ランタンと暖炉の灯りで部屋を明るくしている。窓ガラスも無いようで、木の板で窓を閉じていた。家具も最低限で、間取りは今いる部屋だけだと思う。何故分かったか。理由は簡単。台所も寝具も同じ部屋にあるのだから。改めて2人を見る。やはり異種族。


(いつか2人の馴れ初めとか聞かされたりして)


 この時の俺は、まさか自分が親に不純な理由で家を追い出されるとは夢にも思わなかった。





あとがき



 プロローグは2部?構成にしております。


 素人に毛が生えたレベルです。『こりゃダメだな』と思った時点で、削除します。こんな自分ですが、皆々様の温かい慈悲で見守って下されば幸いです。

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