第26話 杜撰な管理か、虚を突く隠蔽か
「……きゃう。」
「レイ……?」
「くぅ~ん……。」
「無理はしてない。……心配しなくても大丈夫。」
「きゃう。」
あの羅針盤が俺達を導いた先にあったのは、この学校の図書館。校舎も去る事ながら、この図書館もかなりの広さだった。
こんな広大な場所に、本当に霊峰様とやらに関する情報があるのかどうかもそうだが、何よりこの図書館に常駐している司書に聞いてみた所、あるにはあるが上級生しか読めない物なんだとか。
一応、俺でも読める書籍に霊峰様に関する物があったそうだが紛失してしまっており、あるのかないのかも分からないそう。
そのあるのかないのかも分からない本を探さなければならないというのだから自分でもつくづく呆れる。
情報が全くないよりは良いか、なんて自分に言い聞かせながらもレイに身を預け。支えてもらいながらも手当たり次第ページを捲っていくが今の所、成果はない。
「はぁ……。」
「奏。」
「蓮燔?」
「調べてる所悪いけど、もう閉館時間だってさ。……また明日来ないか?」
「……もう時間か。結果は。」
「すか。お前は?」
「見ての通り。……全く情報がない訳ではないけど、恐らくそれが書いてあったであろう場所が消されてたりする事もある。」
「え、俺はそんなのを見なかったけど……流石奏。運の良さも相変わらずだな。」
「愁翔と煌溟は?」
「入れ違っても困るから入口で待ってもらってる。」
「そうか。じゃあ」
「くわう。」
「レイ……?」
「きゃう。」
レイに服を掴まれ、仕方がないのでこれで最後にしようかと思えば丁度俺が読んでいた本の隣を肉球で撫でるレイ。ここに何かあるのか、それとも触っている本に何かがあるのか。
ただレイが触っている本はそこまで情報がありそうにはなく、本を引き抜いてみたら奥に本が見える。周りにある本に比べてかなり年季が経っており、上手く当たりを引いた。
「奏?」
「見つけた。」
「え”。」
「きゃう!」
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