第19話 久方ぶりの学友達に
「はい、どうぞ。今日はカレーな。」
「どうも。……なぁ、蓮燔。」
「どうした?」
「実は、俺の部屋から日記が見つかった。」
「え、日記?」
「あぁ。……とはいっても直筆とかじゃなくて、電子媒体だったけど。」
「え、お前が……?」
「そんなに記憶を失う前の俺は日記を取らない奴だったのか?」
日記は残ってるから “取らなさそうな奴” なんだけどな。
「あ、あぁ……。だってお前、主知恵は記憶の中で十分って豪語してたし。それで、どうだった?」
「最初の数行は感情的な物だったり、その日何があったか。その日何をしたか。どんな課題を発見したかが書かれてて、その後は新しい魔法の研究とかが書かれてた。」
「……何か、安心した。」
「あぁそう。それで何だが……少し、気になった事があって。」
「おっ、どうした?」
「俺ってさ、お前との話だとそんなに交友関係が多くないような雰囲気だったけど、実際の所はどうなんだ?」
「俺は結構多い方だけど、確かにお前は少なかったな。俺が知ってる奴だと……2人。2人だけ共通の友達が居たな。」
「どんな奴だ?」
「1人はすっげぇ明るい奴。そもそもテンションがめちゃくちゃ高くて、お前は鬱陶しがってたけど何だかんだ言いながら一緒に勉強したりとか、ゲームとかしてた。とはいっても大体はお前が教えてたけど。もう1人の方はお前とすっごい気が合うんだよ。感情論よりも理論的に、現実的に考えで動くタイプ。」
「何でそいつらは会いに……。いや、止められてるのか?」
「急に集まって、お前に何らかの精神的な負荷がかかる事を防ぐ為。っていう訳で一番交流もあって、相室の俺が選ばれたって訳だ。だからまぁあいつらはお前が起きた事は知らない。……けどまぁ今のお前の状態を見るに、ちょっと体調的に過保護にするよう言っておけば会わせても良いと思うけど。」
「会って話をしたい。」
「分かった。でも今日はもう遅いし、何より今日はオーバーヒート起こして倒れたぐらいだからな。今日は駄目だ、明日な。」
「分かった。」
「良し、じゃあさっさと食って、風呂入ったらゆっくり休め。」
「あぁ、そうする。」
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