第3話 贅沢の極み

 主席と次席の部屋だからなのか……それとも場所と金が余っているからなのか。


 俺と蓮燔だけの部屋、と聞いてやってきた場所は寮というよりホテルのような場所。しかも、普通のホテルではなく高級ホテルと見間違えそうな勢いで設備が充実し、部屋も広かった。

 入って直ぐに見える玄関の先にある長い廊下。それはトイレ、脱衣所、キッチン、ウォークインクローゼットの他にも談話室へと繋がっていた。

 トイレもそれなりに広く、2人は言ってもまだスペースが余り。

 脱衣所も一部屋分ぐらいの広さがあり、そこから向かえる風呂に至っては露天風呂になっており、何なら水風呂用の浴槽まであるとかで度肝を抜かれた。

 キッチンもシステムキッチンな上にクリスタルという物を利用して火を使うそうで、2人しか居ないというのに業務用の冷蔵庫まであってこれにも唖然とした。

 ウィークインクローゼットに至っても、何度も言うように2人しか使わないのに10人分の衣服を入れられそうな広さは最早狂気の沙汰だろう。

 談話室に関しては……最早大部屋。何人ここに呼んでLet’s partyするんだと突っ込みたくなる程の広さだ。そんな場所に置かれたウォーターサーバーやコーヒーメーカーの存在感もそれなりにでかい。

 正直ここまで来ると自分の部屋を見るのが怖い。


「……贅沢だな。」

「まぁ……うん。俺は慣れたけど、そうだな。奏は久々というか、初めてだからそう感じるかも。」

「へぇ……。」

「じゃあ色々聞きたいだろうし、そこ座っててくれ。紅茶とスイーツでも楽しみながらゆっくり喋ろうぜ。」

「……あぁ、頼む。」


 兎にも角にも情報が欲しい。

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