第18話 三③
妖刀
魔剣
聖剣
これらは、占星術の中でも固有式の具現化ともされている。断言できない理由としては、聖剣はこの世界に12本しか例がないためであり、魔剣と聖剣の違いというのもよくわかっていないことも挙げられる。
厳密にはあるそうなのだが、それを知る人は“代行者”か“調律者”か一部の“魔女”といったところであろう。
さて、これらの特徴というのは本人の死後残ることであり、本人が死んだ後に限りそれを他人が使用できる点にある。流石に固有式の本来の力を引き出す“術式解放”までは、本人のみしか使用できない。
とはいえ、具現化するレベルのなので“術式解放”が使えなかったとしても非常に強力な力になる。
「具現化...。」
(流石に干渉できないか...)
固有式発動の妨害手段はいくらでも存在する。だが、それの具現化である“妖刀”の発動システムまで干渉することはできない。
“魔女”達が言うには“固有式”本体への干渉は不可能に等しいことで、ある“魔女”が話したことには
「いくら“魔法”でもそれは例外ではないわ。占星術をあたかも無効化している状況は占星術を無効化しているのではなくて、占星術の展開式を無効化してるのよ。」
「まあ、そうね。雲から降ってくる雨は防げても、雨が降ることは防げるかしら。」
「...当然の話だけど占星術で防ぐのはなしよ。貴女一人の人類の力のみでできるかしら?」
できるはずのない。
ゆえに、完全に隙をついたはずだった。
「―
「んな。」
“語り手”には一撃が入った。だが、
(固有式が無効にされた。無効化じゃねー。これは)
「素晴らしいって褒めるべきなのか?」
“語り手”は首をかしげながら肩の傷を治す。
「なるほど。運命か...」
ミカエルは刀を抜く。
「んじゃ。少し手伝え。
「まぁ、仕方ないか。」
(あいつが刀を抜くなんて...)
次の瞬間、
「―
“語り手”は拳銃を剣に変えて斬撃を防ぐ。
固有式で防ぐことを止め、単純な式をつくり出すことで防ぐ手段に切り替えた。
「コピーとはいってもそれ以上の出力。まるで書かれたような...」
「なあ、嘘みたいな話だろ。俺もそれだけは嘘かと思った。」
横から突如として現れるミカエル。
先程から“語り手”はミカエルを認識できない。そして、先程から嘘かと思うようなことをミカエルはしている。
「歴史は誰かによって書かれた物語だ。“語り手”であるお前ならよく分かるだろう?」
ミカエルの刀が“語り手”を捉える。
「なあ、お前の知る歴史は真実か?」
「!?」
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