第17話 三②
「一つだけ、“代行者”は“十二の
「あ?どいうことだ。」
「それは...。」
ミカエルが口を開くと同時に脳天を撃ち抜かれた。
「んあ?」
扇雪は弾が発射されたであろう方向を見る。
「ったく。もう一人かよ...。」
黒のロングコートに右目に眼帯をした男。
白銀の長い銃身の拳銃。
数少ない占星術師達の間で、男は“語り手”と呼ばれている人間である。だが、
「だっ...。」
咄嗟に
「なるほどな。それが、お前の“固有式”か...。」
“語り手”の呟きが
「がっ...。」
「女子供は攻撃したくないんだが...」
「...ったく、それなら殴るなよ。」
“語り手”の拳銃と
「面白い刀だな...」
光に当てられ刀身は薄い紫色に輝いている。
「くそが。」
「だが、俺には勝てない。それが運命だ。」
仕組みが分からない。
「―
「―っ!?」
錬金術すらも防がれた。
扇雪は数少ない錬金術の才能を持った人間であった。
しかし、彼女の特徴的なのは錬金術を使用できることではなく、錬金術を使用できない点にある。
「構築ではなく分解。式構築自体が早すぎるがゆえにそこら辺の汎用式では効果が薄れてしまう。あちらの世界であれば重宝された才能だな。」
“語り手”は
「―
宙を舞った
「まあ、これで...。」
“語り手”は拳銃を
「さて、どうだった。“語り手”?」
「あ?」
“語り手”の後ろに立つミカエル。
「俺はお前に一度も“固有式”を伝えてないからな。とはいえ、後ろを見ない方がいいぞ。」
“語り手”は後ろから来る殺気に反応するがよけきれない。
「―祓い奉れ―」
「!?」
“語り手”は戦闘という面だけを見ればどうにかできた。だが、占星術師の戦闘という面では反応が遅れてしまった。
「ヒヒヒ。久しぶりに楽しませてくれよ。なあ、
―“
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