第15話 閑話①
「ここにいたのですね?」
深紅のドレスに身を包んだ黒髪ロングの女性“残響”のマナセは左手に刀を持ち現れる。
「はあ~。貴女が来るとはつくづく私は運がないのですね。」
ラスプーチンを今は名乗っている銀髪ツインテールの少女はため息をつく。
「あなたがこちらに来ていたとは初耳です?」
「その気持ち悪い話し方は変わってないんですね。」
「...?普通ですが?」
「...。まあ、いいです...。こちらも準備ができましたから。」
ラスプーチンはまち針を投げる。
それを何事もなかったかのように納刀状態の刀でそのまち針を防ぐ。
「―
「ん。」
刺さったまち針。
何も不思議なことではない。まち針のような細い針であったとしても霊力で強化さえすれば本来刺さるはずのないものに刺すことは可能である。
意味がない。マナセからしてみればそういうものである。
ゆえに、マナセは固有式を発動させる。
「“神速”...さすがですね。」
ラスプーチンはマナセの刀を右手で止める。
まるで、マナセの移動はその移動そのものが省略されているかのようであった。
マナセとしては速度に反応されるとは考えていたが、対応されるとまでは考えていなかった。
「“理想領域”?」
「正解といえば正解なんですが...。対象範囲は私自身といったところですかね。」
「なるほど?なるほど?ならば...。」
切った。という表現が正しいのかは不明ではあるがマナセは既に移動しており、刀はラスプーチンを捉えたはずであった。
だが、刀がまるで仕事をしなかった。
「速い、ですが切れませんよ。」
「...。」
“神速”
世界でただ一人“神”の文字の入った二つ名である。
それを冠するマナセ。多くの場合、“残響”のマナセと呼ばれる。
これは 多くの占星術師達が“神”を口にすることを忌避するためである。
「速いだけでは、私には勝てない。」
ラスプーチンは首元に置かれたマナセの刀を持つ。
「―
刀の刃が一瞬で溶ける。
だが、それが下に落ちることはなく、マナセに襲いかかる。
当然、マナセはそれを避けることができたが
「貴女の固有式は速い。しかし、行き先さえ分かれば別な話です。」
ラスプーチンは一瞬でマナセの後ろにつき蹴りを入れる。
マナセに反撃の隙をを与えてはならない。
ゆえに、ラスプーチンは攻撃を加え続ける。それが、マナセに勝つ唯一の手段。
「確かに私を倒すにはよい手段です?だが、それの対策をしていないとでも。」
ラスプーチンの耳に入った言葉。
「は?」
ラスプーチンの胸には刀が刺さっていた。
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すみません。更新が遅くなりました。
原因としては、設定を書いた紙を無くしてしまってまして。はい。そのうち、ゆっくり書こうかなとか思ってたんですけど、レビューコメント?っていうもの(カクヨム初心者なのですみません)をいただいたので、頑張って書きました。
プロットを書いてない私が半分以上悪いんですが...。はい。次回からは、本編に戻します。
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