聖都
第12話 運
占星術
遙か昔、神代の時代に確立された技術の一つ。
霊力を持った人間が使用できるもので、人類の発展に寄与した。だが、ある時神の怒りを買い多くの占星術師は死に、地球には占星術に頼ることのない文明が再度建設され、占星術師達は歴史の陰に葬られたことになった。
そして、占星術は世界各地で衰退し、陰陽術、魔術、錬金術へと様変わりし、多くの占星術師は固有式と呼ばれる数少ない占星術の残滓に頼り切ることになり、もはや、その固有式を魔剣や妖刀等に具現化しなければ簡単に使用すらできなくなってしまった。
「故に、占星術師たちは神への復讐のために神界への道を切り開こうとした。」
“語り手”は聖都を歩く。
「星の“調律者”か...。」
「久しいな...。“語り手”。」
“語り手”は懐からリボルバー式の拳銃を取り出す。
「“千剣”...。団長自ら歓迎か...。」
“千剣”ノート=ルーテンシア。
聖都コンスタンティノープルに拠点をおく教会の分派“正統派”のトップ総主教直属の騎士団“東方騎士団”の第一席。
次の瞬間、ノートは剣で弾丸を切断した。
「“
ノートは剣を納める。
それと同時に、“語り手”は刀身の黒い剣を作り出す。
「ちっ...。厄介なものを...。」
ノートは自身の二本の剣を犠牲に“語り手”の黒い剣を防ぐ。
「“仮想領域”」
ノートの周囲に剣が浮かぶ。
次々と剣が“語り手”に向かって飛んでいく。
「...。」
落とされた。いや、正しくは剣がすべて“語り手”の近くに来た瞬間に地面に突き刺さったというのが正しいだろう。
「“重力操作”かと思っていたが、俺たちと同じ“権限”か...。だが、俺には届かない。」
「!?」
ノートは自身の能力が一発で見抜かれたことに驚きを隠せない。
“権限”は自身より圧倒的に実力が上でないと看破されることはない。
「なるほどな。俺もなめられてたってことか...。一つ訂正しておくが俺の“権限”とお前のソレはものがちがう。」
“語り手”は再度、銃口をノートに向ける。
「“
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「神代の時代の人間...“代行者”か...。僕としては問題ないけどね」
「全ては帰結する。物語は確実に...。」
「ですが、勝てるのですか?“語り手”に。」
「さあ?それは、僕にも分からない...。けど、それが結末なんだろうね。」
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