第11話 話
「先輩。どこまで予定通りなんですか?」
ラスプーチンはある人物に尋ねる。
「さあな。とっくの前に俺は諦めているんだが...。」
「またまた、そんなこと言って~。この後輩ちゃんの目はごまかせませんよ~。」
「で、何故、ロマノフを陥れた?」
「世界大戦の終結。とでも言っておきましょうか。私としては夢を見せただけですよ。偽僧侶を作りだすことで...。」
ラスプーチンの額に銃口が突き付けられる。
「ありゃりゃ。私を褒めてはくれないんですか?」
「干渉はするな。俺達はこちらの世界に干渉していい訳でない。こちらにはこちらの世界の話がある。」
「先輩はそういう立場でしたね。“
「さあな。あの気分屋のことだ。そのうちでいいだろう。」
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アメリカ
アメリカの占星術組織“A”。その本部に存在する中央委員会“ネル”。
そこでは、ある会議が行われていた。
「何故?何故?私はここに?」
「少し、静かにしたらどうだ?これで何度目だ?“鏡”。」
「145回目ですかね。“境界”。」
「いや、知らないしお前が答えなくていいんだが?“本”。」
「はあ~。何でこんなにまとまりがないのやら。」
「お前が少しは威厳があればな~。“花嫁”。」
「どういうこと?私がリーダーなのに。」
「で?会議の議題は?」
“A”は元々、イギリスの民間の占星術組織“円卓”、王家直属の“宮廷魔術師”、現在でいう政府の情報部に属する“ルーム”と“MI”の占星術師達の一部が清教徒革命や名誉革命の時に本国と対立し、離脱することで植民地に独自の占星術組織が成立したことが始まりである。このおかげで、アメリカ独立戦争において、本国の占星術組織の干渉を表の世界で受けることはなかった。
だが、この組織一つだけ弱点が存在した。日本やイギリスのような複数の組織をまとめ上げるような権力が存在せず、ドイツ騎士団や東方騎士団のような統率はとれていない。
単なる荒くれ者の集団。裏社会では完全に知れ渡ってしまっている。
この幹部によって構成されている“ネル”ですら、半分はここに来ていない。もはや、生きているかすら怪しく、“赤髪”や“縫々”はここ6年近く姿を見せていない。
だが、委員長である“花嫁”はこの2人を除名することができない。
なぜなら...
「コンカイノニンムダ.
オマエタチニハハリクゴウヲテニイレテモラウ.」
意思無き最高意思決定機関“オシロスコープ”
彼らは動き出した。
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フランス ルーアン
「異端者に死を」
「異端者に死を」
「異端者に死を」
彼らは声をそろえて彼女に告げる。
「ひどい話...。私が何のために出てきたのやら...。」
茶髪の女性は彼らが彼女に告げる言葉を右から左に流し、異端審問の場に入る。
「で、雑魚共が何の用事かな?」
一見、人当たりの良さそうな口調であったが、その声色、女性の雰囲気には常人では考えられないほどの殺気が含まれていた。
「...。メアリー...。やっと来ましたか...?」
「久しぶりね。ジャンヌちゃん。」
ジャンヌ・ダルク
フランスの聖女が襲名する名である。
百年戦争下で活躍した英雄の名にあやりフランスの占星術師のトップである聖女が教会の聖女と対立し始めた時にこの名を用いたことから始まっている。
現在は6代目であり、彼女はフランスの占星術組織“公安委員会”の最大の支援者ともいえるアクレシア家に拾われた田舎娘である。故に、フランスにある、教会の一派“二元派”とは仲がよいとは言い難い。
“公安委員会”と“アクレシア家”と“二元派”の利権が入り乱れるフランスではあるが、ある一つの目的に現在は協力関係になろうとしていた。
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日本 某所
「きゃきゃきゃ。」
独特な笑い方をする少女。
顔の左上には痛々しい傷の跡があり、右目の眼帯では隠せていない額から右目を通って頬まで縦に切り傷の跡がある。
そして後ろには修道士の格好をした男と、着物を着た日本人形のような少女。
彼女たちは聖都に向かっていた。
四ノ宮かずらの指示ではない。だが、上帝家の指示を受け向かう。
“
その情報がどこからともなく現れ、各国の占星術組織達の戦力が聖都に向かっていた。
そして、ここまでは、全てが“
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ここまで、読んで頂きありがとうございます。
作者のモきゅ太郎です。
ここまで、挨拶を書くタイミングを考えていたら、こんなところで書くことになってしまいました。一応、ここで、プロローグ的な一章が終了です。多分、何言ってるのか分からないとかいう箇所が僕の趣味の関係で複数というか多数あると思います。もちろん、伏線は回収しますのでどうぞこれからも読んでいただけたらと思います。
ひっそり書きたい人間なので、気が向いたら評価していただけるとうれしいです。
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