第10話 兎②
「はぁ~。」
占星術師において、固有式というのは自身の占星術の昇華。
本来、占星術師は一般人より圧倒的な霊力を保有しており、汎用占星術と呼ばれる多くの占星術師が使用できるものを使っていく中で、自身の固有式へ昇華させると言われていた。だが、実際のところ、多くは血によるものが大きく、生来持って生まれて来るものだと現在は言われている。
そして、固有式の最終奥義ともいえるのが術式解放。制限された固有式の本来の力を出すものであり、これをできるものは各国の占星術組織によって管理されている。当然例外も存在するのだが。
「君はここで確実に倒させてもらうよ。」
真っ黒な空間に
「これがおまえのやつか?」
「そうだよ。本来は結界で閉じることなく船全体に展開してたんだけど、君を倒すために結界を閉じて、範囲を絞った。」
「オレを殺す気満々じゃねーか。」
「結界を閉じるなんて初めてのことだったけどね。」
「...。」
「なっ...。」
「これが、僕の体の中に巣喰う呪いの数々だ。」
「...。」
「この世界の呪いの数々。いや、占星術、神の代償。」
「だか...ら...神を...。」
「いや、僕は神界とこの世界の分離。そして、
「なるほ...どな...。だが...。」
「それでも、君は彼女を救いたいと。だが、君ではこの環境で勝つことは叶わない。」
「これが、僕の術式解放“
「...。」
「まあ、聞いてないか。」
「ん?雪...。まさか...。」
「確かにオレは汎用的な
―対魔式“
「厄介だな。君はどこまでできるんだい?」
「さあな。」
「君はどこまでも僕にとって邪魔らしい。」
「あと一つ。」
「ん?」
「―詠唱省略―“
「化け物かな...。土御門の秘伝の対魔式なんて...。」
次の瞬間、結界が黒色の蝶に変わり消える。
「さて、終わりだ。」
再度、
「ヒヒヒ。じゃあな。これがオレの錬金術だよ。」
--------------
「これで、半分仕事は終わりか...。」
「オレの能力で殺してしまっても“
「“不正解”」
「んあ?」
「“
「まさか、“予定調和”だなんて言わないだろうな。」
「“正解”」
少女は手のひらに×印の描かれた手をポッケにいれ、それとと逆の手の甲に丸印の描かれた手を
「貴女は向かわないと行けない。再度、“
「...。」
「また、会うことになる。」
少女は消える。
少女の言葉の真偽は不明であるが、現在、“
「仕方ねーな。恐らく、この船で奴らを見つけるのは無理だな。」
「さて、どうするかな?」
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