第6話 船③
「なるほど?なるほど?」
「錬金術を使用できるとは思いませんでしたね?団長が目をかけるのも理解でなくもありませんね?」
女性は首をかしげながら
そこには既に何もなく、戦闘が起きた場所とは思えないほど静かな環境になっている。何度か
「正直なところ私は聖都で何をしようが勝手にしてくださいなのです?ですが、彼女は面白そうですね?」
彼女の名はマナセ。
「さてさて、私が相手しないといけないみたいです?ミカゲ=ハーミスト?」
コツコツという足音がマナセのうしろから聞こえる。マナセは振り返ることなく左手に持った刀に手をかける。
-----------------
「これがそのときの史料でありますよ。」
「しかし、
「あぁ。確かに
「いえいえ、本名を伝えぬのが
「なるほどな。となると、あいつは少し違うな。」
「というと...。」
「まぁ、オレから言うことではない。」
「普通そうでありますよね。」
(まあ、理由は単純なんだがな。あいつには
会話を終えると
「それは、ペストの初見の記事ですか?」
「記事かと言われると微妙だがある歴史家が残した記録の一部だ。」
「一部?」
「あぁ、この記録は536年頃の記録で表の記録だ。そして、この時期占星術に関する記載は消えている。」
「?!」
「まだ、占星術組織が成立していない日本はまだしも、中国、東ローマ帝国、教会とその分派。それらの記録から綺麗に抜け落ちている。」
「しかし、それが...。」
だからどうしたという反応する
「まぁ、その反応が妥当だろうな。しかし、記録には太陽がほとんど出ず、夏なのにも関わらず、冬のように寒く雪まで降ったとの記録がある。」
「...。」
「まるで、アレの再現のようじゃないか?」
「というと」
「北欧神話における終末論。―“
「しかし、あれは...。」
「想像上の話」と述べようとしたところで
「“聖域実験”。今まで、数多くの占星術組織が神界を現世に降臨させようとした実験。」
「そんなものが...。」
「その多くは失敗に終わっている。いや、多くはという言葉は正しくない。オレが知っている限り全てが失敗している。」
「...。」
聖域実験。古来より多くの占星術組織が夢見た神界の現世への顕現。それを実行するために多くの実験がなされ、その数々の実験を総称してそう呼ぶ。“
何故なのかは誰にも分からない。
試行されたが結果が記録されなかった可能性もある。
「だが、一つだけ、一つだけ実験されていない項目がある。それが、
―終末世界の再現実験―。」
「しかし、それでは世界が最悪滅びるのでは?」
「基本的にはそういう発想に至るが、実験者達がまともだと思わない方がいい。」
「...。」
「異種族強制配合、エルフの殲滅、疑似理想神域展開及びその拡張等々...。まぁ、現在は各国占星術組織が禁止してるものの原因のようなものばかりが実験内容になってる。」
絶句する
「どこへ行かれるのでありますか?
ドアノブに手をかけた
「んあ?実験者達を知る者だよ。」
「?」
「行くぞ。やつはこの船に乗ってる。あいつが調べておいてくれたみたいだ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます