第31話 VS『星霊』/type-Ⅸ:ガブリエル
「「フルバースト!!」」
クロナちゃんと共にビームの一斉射撃を行う。
八条のビームは『星霊』へと向かって行き、命中――する直前に、『星霊』がビームの存在に気付き、ビームを回避する。
そしてわたし達の方へと、もの凄い速さで接近してきた。
「マシロ! 迎え撃つわよ!」
「うん!」
キャノン砲とビーム砲を格納し、代わりに大剣を構え直したクロナちゃんに、わたしは頷いて返事をする。
クロナちゃんと左右に分かれると、わたしに狙いを定めた明るい紫色の『星霊』はすぐそこまでやって来ていた。
わたしはキャノン砲だけ格納し、両腰のビーム砲で『星霊』の動きを牽制しつつ距離を取る。
すると『星霊』は口を大きく開き、ビームを放ってきた。
ビーム砲を格納しつつそれを回避し大剣を構えると、『星霊』はわたしの方へと近付いてきていた。
そして大きなクローを装備した前足を突き出してくる。
その突撃を回避し、返す刀で大剣を横薙ぎに振るう。
でも、『星霊』が咄嗟に体を捻ったせいで、剣先が『星霊』の装甲を引っ掻いただけの結果となってしまった。
わたしはすぐに頭を切り替え、再び両腰のビーム砲を展開する。
そして至近距離から、ビームを乱れ撃つ。
暴風雨のようにビームの雨に晒され、『星霊』はその動きを止める。
その間にキャノン砲の冷却期間が終わり、そちらも再び展開する。
それから、ビーム砲による攻撃を止め、キャノン砲による攻撃を叩き込む。
だけど、攻撃を切り替えた一瞬の隙を突かれ、キャノン砲による攻撃は不発に終わった。
代わりに、『星霊』がわたしの側面に回り込み、シッポを鞭のようにしならせて叩き付けてきた。
「きゃあ!」
脇腹にモロに喰らい、クルクルと吹き飛ばされる。
それでも何とか体勢を整えて、脇腹を押さえつつ『星霊』の方を見据える。
さっきの一撃は魔装が無ければ肋骨の何本かは折れていたし、内臓も少しヤられていたに違いない。
そう思わせるくらいの威力だった。
出方を窺っていると、『星霊』は翼を大きく羽ばたかせてわたしに接近してきた。
そして両前足を、交互に振るってくる。
その攻撃を、わたしは大剣一本で捌いていく。
これだけ接近してたら、ビームを放つ隙はない……と思っていると、『星霊』が口を大きく開けている事に気付いた。
わたしは慌てて、冷却の終わったキャノン砲の左側だけを展開してビームを放つ。
それと同時に、『星霊』もビームを放ってきた。
至近距離でビームがぶつかり合い、相殺する。
ぶつかった際に生じた衝撃波によって、わたしは『星霊』と強制的に距離を取らされていた。
「けほけほっ……」
ダメージはそんなにないけど、埃を吸ってしまったのか軽く咳き込む。
見ると、『星霊』の方もほぼノーダメージのようだった。
『星霊』が次の攻撃を仕掛けてくる前に、今度はわたしの方から攻撃を仕掛ける。
展開したビーム砲で『星霊』の動きを牽制しつつ、着実に距離を詰めていく。
そして剣の間合いに入ったその時、大剣を下からおもいっきり振り上げる。
『星霊』は回避するけど、左前足のクローを半ばから叩き斬った。
そのままさらに距離を詰めて、今度はおもいっきり振り下ろす。
右前足のクローで防御しようとしていたけど、それすらも叩き斬り『星霊』の胴体に傷を付ける。
……ここだ!
そう思い、右側のキャノン砲を展開する。
そしてその銃口を、ついさっき自分で付けた傷に当てる。
「これでぇぇぇ!!」
そう叫び、回避不可能な一撃を叩き込む。
『星霊』はその一撃を喰らい、胴体に大きな風穴を開ける。
そして地面へと落下する。
遅れてわたしも地面に降り立つと、『星霊』はその姿を正八角形の明るい紫色の結晶体へと変化させていた。
そしてその結晶体は、わたしの右腕のブレスレットへと吸収されていく。
次の瞬間、わたしの身体に変化が起きた。
両腕の前腕部に、ツメが伸びるギミック付きのガントレットが追加されていた。
「さて……クロナちゃんと合流するとしますか」
軽く伸びをしてから、一足先に『星霊』を倒していたクロナちゃんの下へと合流して行った―――。
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