第14話 結合する2つの心
「……ん……っ!?」
真耶は目を覚ました。すると、そこはまるで天国のような無くし楽園だった。
「……ここは……」
「おかえり」
その時、背後で声が聞こえた。振り返るとケイオスが居る。どうやらここはケイオスの精神世界らしい。
「お前にしては遅かったな」
「悪かったな。俺はソロプレイは得意じゃないんだ」
「それを言ったら俺も集団戦闘は得意じゃないぞ」
2人はそう言って笑い合う。
「じゃああとはよろしく。俺はもう疲れたよ」
「おいおい。まだ休ませないからな。面白いことを考えたんだ。お前の力が必要だ」
「え〜、嫌だよ。俺もそれ思いついたけど、魔力消費が多いだろ」
「だが、このままだと全滅するぞ。あぁ、あと言い忘れてたけど、向こうも同じことをしたよ」
「うわぁ……予想通りだ」
「これもお前の作戦か?」
「さてね。ま、向こうがそうなったらこっちもやるしかないじゃん」
真耶はそう言ってケイオスに近づいた。ケイオスはそんな真耶を見て不敵な笑みを浮かべる。
「俺は
「当たり前だ」
真耶の問いにケイオスがそう言って頷く。そして、静かに不敵な笑みを浮かべあった。その光景は、はたから見たら
だが、それでも言えることがいくつかある。それは、寂寞では無いこと。
これらは大事な事だ。些末なことでは無い。かと言って大仰にする必要も無いのだが……まぁ、それは一旦置いといて、今大事なのはこれが、この戦いが終わりではなく黎明であること。そして、
「じゃあ始めるか。新しいストーリーを」
2人はそう言って不敵な笑みを浮かべた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……現実世界は……
「クソッ!神と悪魔が融合しやがった!」
「光!もうあいつの心は読めない!気をつけるんだ!それに、ケイオスが突然倒れてしまった!危ないと思ったらすぐに逃げるんだ!」
彩音の言葉を聞いて光は頷く。だが、既に危険な状況にもかかわらず逃げようとしない。なんせ、光が逃げれば全滅するからだ。
攻撃は玄翔が全て消しているが、それでもいずれ限界が来るだろう。限界が来るのを遅らせるためにも、今ここで光が頑張っておく必要がある。
「クソッ……!ケイオスが居なくなるとキツイな……!」
「フハハハハハ!諦めろ人間!”ネオジャッジメント”」
その瞬間、光の周りが謎の力で埋め尽くされた。光は直ぐに逃げようとするが逃げ場はどこにもない。4速の速さで突っ込んでもいいが、どうなるか分からない。
「しまった……!」
完全に終わった。そう思った瞬間、突如囲っている力に裂け目が出来た。そして、その裂罅からケイオスが入ってくる。
「っ!?やっと起きたのか!?遅いじゃないか!」
「悪い悪い。それよりさ、頼みがあるんだけど、まずこの邪魔なやつを消すか」
そう言って指をパチンっとならす。そして、ケイオスは少し表情を明るくして言った。
「それでなんだけど、まぁ俺は作戦考えてなくて分からないから真耶に話してもらうわ」
そう言って少し表情を変えた。どこか雰囲気も違っている。
「へい、変わったぜ。じゃあまず作戦を……」
「いや待って!今の何!?」
突然後ろから彩音がそう言ってきた。いつの間にか2人が背後に立っていた。玄翔はモルドレッドを抱えている。
「ん?今のって……あぁ、今のね。真耶と変わっただけだよ。簡単に言ったら体の主導権を交代しただけだ」
「いやいや、わかんないわかんない。体の主導権って何?」
「精神的なやつだ。まぁ、それは置いといて、作戦を伝えるぞ。まず光がそこら辺のビルを駆け巡ってくれ。遅くても速くてもどっちでもいい。その間に俺と玄翔が共鳴状態になる。その後はケイオスが多分何とかするだろうから任せろ。彩音はが攻撃を喰らわないように思考を読んでくれ。無理そうだったら俺の力も貸すからさ」
そう言って真耶は彩音の額をトンっと指で軽く叩いた。その瞬間、彩音の思考を読む力が強化される。そのおかげで神達の思考も読めるようになった。
真耶はそれを確認すると悪い
「……それで、どうなった?」
「あ、変わった。てか作戦聞いてなかったの?もしかして聞こえない?なんか興味が湧くなぁ。バラしていいかい?」
「いや、普通は聞こえるが、精神世界が色々荒れててな、片付けで忘我の境に入っていた」
「そうか。まぁ良いんだけど、真耶から聞いたら?」
「……そうする」
そう言ってブツブツと独り言を呟き出した。その光景はどこか滑稽で、かつ怪しいものだった。
そんなこんなしていると、ケイオスが剣を構えた。どうやら作戦を理解したらしい。それを見た光も早速走り出す。
その刹那、ケイオスが剣を縦に振り下ろした。そして、直ぐに剣を収めて玄翔と共鳴状態に入ろうとする。
「やるぞ」
そう言って2人は手を合わせた。すると、2人は黄色く発光し始める。そして、ケイオスの右目に玄翔の目と同じ模様が浮かんだ。
「出来たな。じゃあ、あとは俺と真耶でやるよ」
「我の力は必要か?」
「そうだな……恐らくだが、この後必ず全員に危機が訪れる。その時に彩音と光守ってくれ」
ケイオスはそう言って背中の4本の剣を全て抜いて足元に突き刺した。そして、魔法陣を書き始める。
「分かった……。気をつけるのだぞ」
「当たり前だろ。”意志を合わせろ。
ケイオスは魔法を唱えると突然心臓部分を白く光らせた。そして、その光は一瞬でケイオスの体を覆い黄色と白の光で周りを埋めつくした。
「よし!行くぞ!”剣よ。重なり合え。”
ケイオスはそう言って剣を合成し1つの剣とする。その剣は、これまで見てきた中ではとてつもなく神秘的で、禍々しい力を帯びていた。
ケイオスはその剣を掴むと一振する。すると、その剣圧だけで周囲の建物が破壊された。
「さぁ、始めようか。
ケイオスはそう言って剣を構えた。
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