第11話 危機の到来
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……一方その頃、モルドレッド達は……
「”
玄翔の声が聞こえる。その瞬間、悪魔の放った黒い星が崩壊した。
「”ディスアセンブル砲”」
モルドレッドはその隙に赤い光線を放つ。すると、その光線は悪魔に当たった。
「どうだ!?」
悪魔の周りが煙に覆われる。そして、その煙の中から出てきたのは、傷など1つもない悪魔の姿だった。
「っ!?」
「なんで!?」
「……こんな攻撃が効くと思っているのか?馬鹿な奴らだ。俺にこんな攻撃は通用しない。本当の攻撃を見せてやるよ。”ネザースター”」
その刹那、空から黒い星が降ってくる。その星は、真っ直ぐモルドレッド達へと落ちてきていた。
「うそ……!?」
「クッ……!”
玄翔はゼロレギオンを展開し防ごうとする。そして、そのゼロレギオンと黒い星が衝突した。
どうやら正解だったらしい。黒い星は領域に入った瞬間に崩壊させられる。どんどん四角い立方体のようなものにされていき、消えていく。
そして、遂に黒い星を全て崩壊させた。しかし、相当負担がかかったのか肩で息をすることになってしまった。
「……はぁ……はぁ……どうだ……?」
「ほぅ、素晴らしい目だ。生きたまま奪って自分の目にしたいくらいだ」
「っ!?そんなことさせるわけないだろ!」
「我の目を操れるとも思えん!」
「大批判だね。でも、使えるよ。その程度の目ならね」
悪魔はそう言って目を見開く。その目には黒紫色の光を放つ円が描かれていた。
「っ!?その目は!?」
「君の真似をしただけさ」
そう言って目を光らせる。モルドレッドはそれを見た瞬間エンペラーレイを放つ。
「”エンペラーレイ”」
モルドレッドの手から放たれた赤い光線は真っ直ぐ悪魔へと向かって行く。そして、悪魔の目の前まで来た。
しかし、その光線は何故か崩壊する。光のはずなのにいくつかの立方体になり崩れていく。
「っ!?」
「あれは、我の力!?」
「残念だったね簡単に使えちゃったよ。じゃあ、終わりにしようか。”ネザースター”」
悪魔はそう言って黒い星を再び作り出した。そして、モルドレッド達目掛けて落としてくる。
モルドレッドは玄翔の顔を見た。さすがにもう、ゼロレギオンを使うことは出来ない。だったら、打ち返すしかない。
「”エンペラーレイ”」
モルドレッドは最大威力のエンペラーレイを放った。それは、真っ直ぐ黒い星に向かって飛んでいく。
しかし、それはあまり今は無かった。黒い星の威力は想像以上のもので、モルドレッドの放った魔法をものともせず向かってくる。
「……クッ……!ダメ……!逃げて!」
モルドレッドはそう言って小さくディスアセンブル砲を放った。それは、玄翔と彩音に当たり2人をその場から押し飛ばす。
そして、その数秒後にモルドレッドに黒い星が直撃した。その星の破壊力は凄まじく、周りの建物を余波だけで破壊する。
「きゃああああああああああ!」
中からモルドレッドの悲鳴が聞こえてきた。玄翔と彩音は助けに行こうとするが、入ってしまえば待っているのは死だと直感的に理解し中々入れない。
「そんな……!」
「どうにかしないと……!」
2人はそう呟いてなんとか策を練るが、それでもダメだ。
「真……耶……!助……け……て……!」
モルドレッドは小さく呻いた。その言葉は小さく風に乗って真耶に届いた気がした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……そしてケイオスは……
「……っ!?モルドレッド!」
「どうした!?」
「マズイ。モルドレッドがあの技を食らってしまった……!」
「あの技?なんだよそれ?」
ケイオスと光は神の攻撃を捌きながらそんな会話をする。そして、光はケイオスの言葉を聞いていくつか疑問に思った。
「待て、何故モルドレッドが攻撃を食らったと分かる?それに、助けに行くんだろ?神はどうする?」
「一気に質問するな。1つずつ答えてやる。まず、あの技と言うのは『ネザースター』という魔法だ。これは、触れた物を消滅させるんだがな、生き物の場合は違ってその人の嫌な過去を少し変化させて見せ恐慌状態に陥らせるという物だ。特にモルドレッドだけは食らったらダメだったんだけどな……」
「過去に何かあったのか?」
「……済まない。それは話せない……」
ケイオスはそう言って少し俯く。光はそれを見てこれ以上深堀してはダメだと理解した。
「それで、他は?」
「モルドレッドがなぜ攻撃を食らったかわかるかと言うと、ずっと魔力で監視していたからだ。当たったらダメだってわかっていたからな。いつでも助けに行けるようにしていたのだが……。あと、助けに行く時は神も一緒に来てもらう。その方が手っ取り早い。もしくは、制限時間30秒以内に殺すかだ」
ケイオスはそう言ってリーゾニアスを構えた。しかし、光は再び疑問に思う。
「30秒?何故だ?」
「モルドレッドが恐慌状態に入るまでこっちから干渉出来ないからな。恐慌状態に陥らせてから精神世界に入るためには30秒ほど遅れていく必要がある。恐らくだが、残り30秒程度で恐慌状態に入るはずだ。30秒で倒せなければ向こうに行く」
ケイオスは神に攻撃しながらそんなことを言う。光も、攻撃しながらその話を聞いた。
「”
ケイオスが魔法を放つ。しかし、当たらない。光がスピードを上げて蹴りに行く。しかし、それも当たらない。
そうこうしているうちに20秒が経過した。
「残り10秒か……無理そうだな」
ケイオスはそう言いながらも剣を振り上げる。そして、魔力を込めた。
「”
久しぶりこの技を使った。空気中の炭素やら何やらの原子を全てアダマンタイトに変化させ、神を突き刺す。
すると、一時的に神の動きが止まった。その刹那、ケイオスと光はモルドレッド達のいる場所に向けて走り出す。神はそれを見て必死にもがき、壊そうとした。しかし、中々壊れない。刺さった瞬間に血管や神経に根を貼ったため抜くことも壊すことも出来ない。
「チッ……!」
神は大きく舌打ちをした。そして、走って逃げていく真耶と光を悔しそうに見つめる。2人はとてつもない速さで動いているせいで、瞬く間に見えなくなった。
「……フッ、焦ってももう遅い。あの女は確実に死んだからな。悪魔を舐めてると死ぬって言うことを教えてやらないとな」
神はそう言って自分の体内魔力を荒ぶらせる。そして、自分の体の中に根を貼ったアダマンタイトの槍を破壊し消していく。
「……てか、逃げるなよ!」
神のそんな声が響いた。
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