そして明日へと歩き出す
蝉がミンミンと鳴いている猛暑の中、
涼しい教室で女子3人が会話をしている。
ユエ「モモナ〜!今日遊び行こ!」
モモナ「いいけど、カラオケ一昨日
行ったよ?」
ユエ「今日はー、ボーリングの気分なんだ!
あ、ミユもどう?」
ミユ「私はええかなー。
今日で学校終わったから
夏休みの最初はおばあちゃんの家
行くことになってるんだ。2週間後なら
ええよ笑」
ユエ「ええー?そんな長いとうち、
干からびてしまうんやけども!」
ミユ「ごめんごめん笑あんたは一旦
ミイラなれば有り余る元気もいい感じに
しぼむんやない?笑」
モモナ「そうかもねぇ笑」
ユエ「2人して酷いよー!もう!!でもでも!
ちょうど2週間後にある花火大会には
行くよね??」
ミユ「自分も行きたい思ってたから浴衣着て
行くつもりやで」
モモナ「ミユ浴衣着るの?いいなぁー。
私も浴衣繕ってるやつあるから
それ着てこかなぁ。」
ユエ「うちもうちも!浴衣で3人女子デートとか
雰囲気さいこーやん?!」
ユエ達の会話を聞いていた
ユウキ、シュウセイ、ケイトが近寄る
ユウキ「ちょーっとまったぁ!
その話聞かせてもろたで!」
シュウセイ「僕らもちょうどそれ
行くつもりやねん。
一緒にどうや?」
ユエ「あっ!ユウキとシュウセイ、
やかましいわ!
うちらは浴衣で3人女子デート
するんやから邪魔しんといてや!」
ケイト「あ、いや、僕が大人数だと
楽しいよねって
提案したからなんや。」
モモナ「ケイトがそういうなんて珍しいねぇ。
急の心変わりってやつ?」
ケイト「まあ、そんな、とこ、かな。」
ユウキ「と、愛しのケイトくんが
こー言ってるわけやし、
どないするんや?」
ミユ「私は6人でもええと思うよ。
どっかの誰かさんの迷子になる
確率減るだろうし。」
ユエ「それ完全にうちのことやろ!!!
もー、わかったよ。集合時間とかは
また後日な。
モモナ、はよ学校出て遊びいこ!」
モモナ「あ、うん。それじゃ4人とも
また今度ね」
ユエ、モモナが教室を出る
シュウセイ「ほな僕もお暇させてもらうわ。」
ミユ「私も。それじゃあね。」
シュウセイ、ミユもそれに続いて出ていく
ユウキ「おう、ありがとな!じゃあな!」
ケイト「また今度ね。」
ユウキ「ケイトよかったな!頑張ろな!」
ケイト「う、うん!ユウキくん
ほんまおおきに!」
ユウキ「なにゆうとんねん!まだ始まった
ばっかや、用心せいよ。
シュウセイにお前がミユのこと
好きなんバレたら面倒やからな。」
シュウセイ、廊下からひょこっと顔を出す
シュウセイ「なに楽しいこと僕退けて
話とん?」
ユウキ「うわっ!シュウセイ驚かすなや!」
ケイト「シュ、シュウセイくん....」
シュウセイ、けらけらと笑いながら教室に入る
シュウセイ「なんや2人、物の怪に化かされた
ような顔して。
僕の顔は国宝級やさかい、
見て惚けるやろかて。」
ユウキ「ほんま自分で言うとこ尊敬するわ.....
って、今の会話聞いとったか......?」
シュウセイ「当たり前やろ。
そんなおもろい展開、僕が
見逃すなんてありまへんやろ。
大丈夫やさかい、そんな悲しい顔
しなさんな。」
ケイト「た、たしかに。ほんまごめん、」
シュウセイ「謝らんでいいわ。何があってん、
詳しく教えてくれへん?な?」
ユウキ「........物の怪の方がまだましやな」
シュウセイ「なんやユウキ、文句あるんかて」
ユウキ「文句しかないわ!まあええ、
話したるわ」
____________________________________
ユエ「そーいや、ミユって毎年盆の際に
ばあちゃん家に戻っとるよな?
なんで今年はこんな早いんやろな。」
モモナ「確かにねぇ。何か用事ごとでも
あるのかなぁ。
そういや来週ミユの誕生日なのに、
祝えないの寂しいな。」
ユエ「あ!そうじゃん!ミユの誕生日じゃん、
今年だけ当日に祝えないの嫌やな....」
モモナ「まあまあ、今年は仕方ないよ。
こっち帰ってきたらちゃんと祝お!」
ユエ「せやな!しゃーなし今年はモモナに
免じて許したるか!」
モモナ「ユエったら笑」
ユエ「しっかし婚約者とまだ
仲よぉやっとるんかね?ミユは」
モモナ「えっ、ミユって婚約者おるん?」
ユエ「いや、正式な婚約者じゃなくて
口約束の、らしいで。」
モモナ「初めて知ったわぁ.......
なんかロマンチックやなぁ。」
ユエ「まあなぁ。婚約者なんて
約束されたもんは
大体破棄されるもんやけど、
好きな人との
口約束なら幸せ以外の何者でも
ないもんなぁ、」
モモナ「せやなぁ。」
ユエ「あーあ!うちも彼氏ほしーわぁ!
どっからかええ人がうちんとこ
こーへんかなぁ!」
モモナ「ユエらしいわぁ笑自分からじゃなくて
相手から来させるの」
ユエ「あったり前やろ!男から来てもらわんと
ときめくもんもときめかんて!」
モモナ「笑笑笑」
ユエ「あ、ちょうど電車来るわ。
モモナはよ!」
モモナ「わ、ちょ、ユエまって!」
______________________________
ミユ「おばあちゃん家近く着いたわぁ、
先に墓参り済ませるか。」
ミユ、電車から降りて坂道の上に
歩いた先にある墓へと向かう
着いたミユは水を汲む所で桶に水をいれる
ミユ「んっしょ。水桶に水入れすぎたな、
水多すぎて持たれへん。」
コウタ「ミユねえー、久しぶりー」
ミユが振り向くと、コウタが手を振りながら
こちらに歩いてきていた。
ミユ「お、コウタやん。ちょおよかった、
これ持ってくれへん?」
コウタ「ミユねえ相変わらず入れる量
ミスりすぎでしょ。」
コウタ、水桶を持って歩き出す
ミユ「ありがとうー、助かるわ。
さ、行こか。」
コウタ「俺、これ置いたらばあちゃん家
先行くわ。
晩ご飯手伝わなあかんねん」
ミユ「りょーかい。コウタが手伝うなんて
珍しなぁ。
あんたレイトさんに先挨拶したんか。」
コウタ「にいちゃんの墓参りは
今日の朝行ってきたわ。まあ2人で
ゆっくりしなよ。じゃーね」
コウタ、坂道を下っていく
ミユ「うん、ありがとさん!きぃつけてな」
ミユ、1人で墓を丁寧にに拭いていく。
ミユ「.....レイトさんお久しぶりやな。
あなたが亡くなって早3年経ったわ、
私こんなに大きなってしまったわ笑
来週で私、あなたの歳超えるんやで?
人生過ぎるの早ない?笑」
ミユ「......あなたのお嫁さんなるの
叶わんかったけどさ、
あなた以外のお嫁さんなりたないなぁ
私が諦め悪いのお空で笑っとったら
許さへんからね!」
ミユ、蝋燭をつけて少し手を合わせた後、
ひまわりとハーデンベルギアの花束を置く。
ミユ「まあ私がどうなってくかは、
これからわかることやしな。そろそろ
私帰るわ。ほなまたな、レイトさん。」
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ミユ『ミユなぁ、レイトくんのお嫁さん
なりたいねん!どーやったら
なれるん?』
レイト『せやなぁ、ミユちゃんがもーちょい
大きなって俺のこと今より
大好きやったらなれるかもなぁ。』
ミユ『そーなん?じゃあうち大きなるから、
レイトくん約束してや!
ミユのことお嫁さんに
もらってくれるって!」
レイト『ええよ、俺楽しみしとるわ、
小指貸しぃ。約束や、
指切りげんまん、嘘ついたら
針千本のーますっ、指切った!
これで約束できたで!』
ミユ『ほんま?!ミユはよ大きなるね!』
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ひまわりの花言葉
あなただけを見つめる
ハーデンベルギアの花言葉
過去の愛・出会えてよかった
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