第3話
三十分ほどだろうか。
スマホでモンスター一覧を見ているとマキシマムが停まった。
「お?ついたかな」
助手席から降り、周りを確認すると少し先にスライムに襲われている40代くらいの男性がいた。
「ひゃ~~誰かた、助けてくれぇ〜!!」
ほいきた。
このおっさんはデイダラ商会という、このシリーズの世界で1作品目から幅を利かせている商会に所属している商人で、モンスターの卵や強化素材等を販売しているキャラだ。
俺もよくお世話になってた。
因みにUnderWorldでは始めからスライムを仲間で持っているので助けるところから始まる。
「まってろ!すぐ助ける!!」
「ヒィィィ〜〜!!」
ここはおっさんへの被害も考えて、新しく召喚しよう。
出すのは……コイツだ!!!
スマホの画面をタップする。
するとすぐに目の前に黒い靄が出現し、中から全身黒ずくめの人型が現れた。
「たのむ!あのスライムを倒してくれ。テロメア!」
俺の声に反応した黒ずくめの人型は、黒い霧のようになり、姿を消し次の瞬間にはスライムを素手で串刺しにしてコアを穿いていた。
コアを穿かれたスライムは、テヘロの手を這うように身体を崩し、地面に着くと溶けるように消えていった。
「よくやった!大丈夫ですか?」
テロメアを褒め、おっさんに問う。
「あ、ああ助かったよ!!ありがとう!!お礼と言ってはなんだが、最近手に入れた不思議なモンスターの卵をあげよう。」
「いいんですか?」
「あぁ。これを渡してきた老人はこの卵を神の子と呼んでいた。そしてこの卵は運命に導かれているとも言っていた。きっとこれも運命なのだろう。ぜひ受け取ってくれ。」
「ありがとうございます!!」
「じゃあ、私はこれで。またどこかで見かけたら声を掛けてくれ。贔屓するよ。」
そう言っておっさんは大きいカバンを背負って歩いていった。
運命。そう運命。UnderWorldは運命という言葉がよく出てくる。
一章の『爆炎の古龍』でも重要キャラに炎煙の贄嫁と呼ばれる少女がいて、生まれつき身体に復炎の痣という痣があり、それを持つ人は龍の贄になる運命だって言われて育ち、最終的に主人公に死にたくないと言って頼るストーリーだし。
まぁ、これは一旦置いておこう。結局は復習するしね。
さて、カスタムパートナーの卵を手に入れたわけですが。
これ、街についたら生まれます。
大きい山を越えて行く、火山と温泉のお陰で観光地になっている街ヴォルガノ。
そこに向かう。
「お待たせマキシマム!ヴォルガノに連れてってくれ!」
俺の声を聞いたマキシマムはクラクションを2回鳴らしてドアを開けた。
俺とテヘロはマキシマムに乗り込み、ヴォルガノへ向かった。
◆◆
へー。ナビの所にヴォルガノのまでのルートと距離が乗ってる。えーーっと、約1200メートル。1.2キロか。
よく主人公はその距離を歩けたなぁ。
◆◆
着くまで暇だしテロメアの説明をば。
運転席に乗っている俺の隣、助手席に乗っている黒ずくめの人型。名前はテロメア。
種族はアースムスフ・スコルピオ。悪魔だ。
色欲の悪魔をイメージしたモンスターで、七章の『悪魔の国』に出てくるボスの1体だ。
全身黒色のローブだか何だかで目元しか見えないのは、このボス悪魔には2つの形態があって、1つがこの平常状態。悪魔の特性や能力は使えるけど、七つの大罪モチーフ後からは使えないというじょうたい。
見た目はおそらく分かりやすいようにだと思うが、設定的には力の消耗を抑えるために膜を生み出し身に纏っているらしい。
で、肝心のもう1つの形態が、色欲状態。まぁこれはモチーフによって変わる。テロメアが色欲モチーフだから色欲状態。
見た目はローブが剥げて、身体が露出している。性別が♀固定の為女体。
紫色の髪に、二本の細くうねった黒い角。乳首と秘部のみを隠したエロ服に膝から先、肘から先を覆う長いソックスと手袋。
因みに手袋は指抜き。
背中からは細めの黒い羽が3対生えていて、それぞれにピンク色の模様がある。尾てい骨辺りからはぶっとい蠍の尾が生えていてる。
身体つきは、まぁテンプレでデカパイとパンツが食い込むデカ尻にムチムチ太もも。
耳に蠍の鋏ピアスを着けていて、左眼が小さい目が3つ、右目が普通の人の目が1つある。あと、舌が顎を越すくらい長い。
色欲状態になるとステータスがHPMP、Luckを除いて、全て1.3倍されて色欲の能力が使えるようになる。
まぁ、といっても状態異常しか起こせない完全サポーター型だけど。
ただ、蠍モチーフだから毒状態にして、行動停止をかけるという害悪ができたり、クリティカルが発生すると相手を即死させるデススピアの運任せ浪漫構成とかができる。
ていうか、俺がテロメアを作ったのは七つの大罪パーティで対戦がしてみたかったからという理由だから、実を言うとそこまでキャラtier的には高く無い。つまりあまり強くない。
じゃあなんで召喚したのかって?
たしかにさ、シャドウアサシンとか、我法の精霊でも良かったけどさ……華がないじゃん?
ゴッツい漢の本能くすぐられる機械とオタク丸出しの男だぜ?そこに暗いとどこに居るかわからない奴とか、ただただ眩しい謎の球体とか追加されても……ね?
だからテロメアにした。
あと、一緒にいて気にならないしね。静かで生気もあって眩しくない。ね?良いでしょ?
まぁ、テロメアについては以上かな。
ヴォルガノについたらまずは宿屋を探して寝床の確保かな。そこでカスタムパートナーは孵化させればいいし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます