第2話

さて、コレがシードタワーの世界だというのならどのナンバリング何だという話が出てくる。


ホワイトバードさんは全シリーズ共通して最序盤のステージから最終ステージまで出てくるキャラクターだ。

そしてホワイトバードさんと同じくスライムも全シリーズ共通して最序盤のステージから最終ステージまで出てくるキャラクターだ。


つまりこの2体はナンバリングとステージの判断には使えない。ではどうするか。

他の出現モンスターを探す。コレともう一つ、草原ステージが序盤にくるナンバリングを思い出すこと。この2つをやろう。


草原ステージが序盤にくるナンバリングは1,4,UnderWorldの3つだ。この3つは草原で始まる。因みに2,3は洞窟スタートである。


さて、あくまでここが序盤ステージであるという希望でしかないが、とりあえずはナンバリングは絞ることが出来た。

次はモンスターを探そう。


ふむ。そうだな。

1なら北に移動してスライムを仲間にするイベントが発生する。

4なら西に移動してスライムを仲間にするイベントが発生する。

UnderWorldなら南に移動してカスタムパートナーを仲間にするイベントが発生する。


……うん。UnderWorldだと願って南に移動してみよう。


シードタワーの世界には全シリーズ共通してある特徴がいくつかある。そのうちの一つが草原ステージは南風が吹くという特徴だ。


つまり、指を舐めて天へかざす!!!


風が吹き、肌を撫でる。つばで濡れた指が肌よりも正確に風の向きを感じ取る。


あっちだな!!!


風が吹く方へ向き、歩みを始めた。


◆◆◆◆◆


そういえば、スマホは使えるのだろうか。

電池は最大まで溜まっていたが……。


スマホを起動する。


「うへぁ。やっぱりな」


案の定データ接続は0。アプリが起動するしない。いや、正確には起動できるのもあるのだが暇つぶし用のオフラインゲームとメモ帳アプリぐらいだ。


……ん?何だこのアプリ。


見慣れない入れた記憶のない謎のアプリがスマホに入っている。


名前は…シードタワー接続アプリ…??


なんだコレ?


起動できるのか?


試しにタップをしてみると問題なく起動できた。


「開いた……」


暫くすると文字が表示された。


『はじめまして、モンスターマスター。

貴方は……わぉ!!

全ての世界を旅したことがあるんだね!!

驚きだよ!!

そんな貴方に質問だよ!!

貴方はこの世界を共に旅をするのなら、どの世界の子達と旅をしたい?』


その文字の後に、シードタワーの全てのシリーズのアイコンが表示された。


「え?選べば良い…のかね?」


じゃ、じゃあ全モンスターが実装されてて今後のシリーズとも通信できるらしいUnderWorld一択だよ?


UnderWorldのアイコンをタップする。


そうした瞬間、自身の身体が光った。


「うぉぉぉ!!眩しい!!!目がぁ目がぁ!!」


目の眩みが収まった後、思わず落としてしまったスマホを拾い、画面が割れていないことに安堵しつつ、新たに出現した画面を見た。

そこにはこう書かれていた。


『ははは。突然、光って驚いたかい?

ごめんね。これは必要だと上の人が行って聞かなくてね。光量はもう少し抑えるように言っておくよ。

さて、ここからが本題だよ。

貴方は……うん。全ての世界を旅したことがある君なら慣れているはずだから説明はいらないね。』


『ここから先は君の自由だ。

君のしたいことをして欲しい。

この世界は貴方が選んだ世界と融合した。

そして、貴方のスマホには君が選んだ世界にいる、貴方と旅したモンスター達をデータにして入れてある。その子達と共にこの世界を好きに生きてくれ!!

Enjoy!!シードタワー!!

貴方に無限の進化と繁栄を!!』


その文字が消えた後、俺のよく知っている。見覚えがありすぎる画面が出現した。


「ははは……まじかよ。言葉がコレしかでねぇ。」


UnderWorldのUI画面だ。そこに新たに召喚という。文字が追加されている。


「多分コレを押せば出せるんだよな?」


目の前に見て嗅げて触れられる。あいつらが。


試しに一体召喚を行ってみる。


どうする。どうする!?

いざ出すってなると迷う!!!

すっげー迷う!!


カスタムパートナー出すか?ソレとも育成済み対戦用モンスターにするか?

いや、そうだあいつにしよう!!!


俺の推しモンスター。

移動も戦闘も採集も楽にしてくれたアイツ!!


召喚をタップする。モンスター用居住空間にいるモンスター一覧がでてくる。

そこからアイツを探し出す。


見つけた。アイコンをタップして召喚ボタンをタップする。


その瞬間。


目の前に見慣れた召喚魔法陣が出現し、光と共にアイツが出現した。


「キッターーーーー!!!!!!」


「どれだけお前が現実にいたらと考えたことか!!!自在型万能兵器ハイエスト:アンチディザスター!!!」


自在型万能兵器ハイエスト:アンチディザスター。


人造系モンスター最強種。

見た目は人型で男体女体どちらでもイケるが、対戦は性別固定モンスター以外はオスで統一していたのでコイツもオスだ。つまり男体である。


身長はたしか、3m40cm。

体重は何も採集していないのなら50t、最大で70tは持てる。魔法も使ってだ。


コイツの一番の特徴は、人型、乗り物型、獣型の3つの形態に変形できることだ。

何故そんな事ができるのかというと、コイツは超大型モンスターによる災害復興用に作られた物を兵器運用したものだからだ。


そしてプレイヤーはモンスター連れ歩きでコイツに乗ることができる。移動が便利なのだ。まぁ、小回りはキツいが目の前の物を全てをぶっ壊せば関係ないよね?って感じで行けるので結局便利なのだ。


さて、これからどうするか。

召喚したのは良いものの命令方法がわからん。試しに声を掛けてみるか。


「おーい!マキシマムーー!!聞こえるかーー???」


マキシマムとはコイツのニックネームだ。


「聞こたら乗り物型になってくれーー!!!」


そういうとマキシマムは体の一部を発光させた後、乗り物型に変形した。


「おぉ!!!ありがとうマキシマム!!じゃあ乗らせてもうぞ!!!」


荷台付きトラックに変形したマキシマムの運転席に載る。


「ふむ。操作方法がわからん。ATすら持ってないのにMTなんて運転出来るわけがねぇ。」


うーむ。ワンチャン試すかぁ?


「なぁマキシマム。一番近い人がいる場所に向かってもらえるか?確かお前には耐性弱化用にオールレンジサーチを覚えさせてるはずだからさ。」


オールレンジサーチとはサーチ系で二番目に良い技で、フィールドでは全方向をプレイヤーを中心に円形にモンスター、素材をマップに移すことができる技だ。対戦では100%の基礎確率で2段階対象の耐性を弱化させる。

因みに最上位はワールドサーチで全てのフィールドをその場にいなくともサーチ出来る。

こちらは90%の基礎確率で三段階対象の耐性を弱化させる。


borororororowwwww


マキシマムは低く音を響かせてから移動を始めた。


「おぉ!!ありがとうマキシマム!!助かるよ!!やっぱりお前は最高だよ!!!」


こうして目的地まで移動しつつ、マキシマムの中であまり変わらない、窓から移り行く景色を観つつ次に召喚するモンスターを考え始めた。

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