ゲームは好きだが入りたいとは思ってない

Hr4d

第1話

あぁ、楽しい。シードタワー。このゲームはインディーズのコンシュマーゲームから始まり、人気が出てシリーズ化したターン制育成RPGだ。

外伝シリーズとしてシードタワUnderWorldが基本無料のスマホ作品で出た。これは最新作の4と連動でき、Underworldのキャラクターを4へ連れてくることが出来たり、4と連動することで特別なキャラクターをゲットできるようになったりする。モチロンこっちもやっている。


対戦機能もありランクマッチでは現在までの12シーズン中、第2で世界6位、第3で世界3位、第5で世界9位、第7で世界4位を取っている。モチロン他のシーズンでもTOP30にまでは入っている。

因みにこれはUnderWorldだけの成績で、4では現在までの全6シーズン中全てのシーズンでTOP5に入っている。

この結果はUnderWorldと4の間でキャラクターの行き来ができるのが大きい。


さて、丁度新キャラの育成も終わったし少し休憩するか。


そう思い、椅子からたった瞬間、体から力が抜けて地面に倒れた。


あ、これは……流石に3徹はマズッたか。


頭を強打し、ズキズキとする痛みを感じつつ微睡みの海へ沈んでいった。


◆◆◆


目が覚めた。

気持ちの良い風が肌を撫でる。視界には眩しい太陽。体を起こし、付いた草を払う手には寝る前から付けていたシードタワー公式グッズの指輪が右手全てに着いている。

服も寝る前と同じでシードタワー公式グッズの長袖Tシャツ。星屑の勇者スターライトと崩星の巨竜イクスプロスターのイラストが入っている。

ポケットにはスマホ。何故か充電が満タンだ。

あとは、何故か外、しかも一面の原っぱのど真ん中だ。


うん。夢かな?これは。


そう思って再び寝よう目をつむり暫くすると、なにかに頭を突かれた。


「んん?何だよ。俺は寝て現実世界で目を覚ますんだ。邪魔するな。」


目を開けて手で払い除けたソレを見てみると心の底から驚いた。


「シードタワー初期敵にして進化すれば対戦環境最強のバッファーキャラになる、ホワイトバードさんじゃねぇか!!!」


夢?夢だよな。じゃないとホワイトバードさんが目の前にいるはずがない。


え?え?


ホワイトバードさんは俺の声に驚いて逃げていったけど、確かに目の前にいた。

しかも頭を啄まれる感覚は実家にいたインコに髪を食われてたときと同じ感覚だった。


風も感覚がリアル。触れる草も感覚がリアル。


まさか…な。


だけど受け入れるしかない。おそらくだが俺はシードタワーの世界に来てしまった。


だが、一つ良いか。俺はシードタワーは好きだが入りたいと思った事は1度もねぇ!!!

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