第9話 バイトはいつもきつい
今日は城壁修理のバイトだ。
しかし、今は金欠ではないので本来なら行く必要のない仕事である。
何故こんなことになったかというと・・・
「もう一軒行くぞ〜!」
「ガレフ、飲み過ぎだぞ。明日も仕事だろお前。」
「リーダー権限で休みだ!」
「お前なぁ・・・」
そんなやりとりをしていると、前からデカい剣を背負った女性が歩いてきた。
名前はカーラ。剛腕列車のサブリーダーでBランクの剣士だ。
「ハーリットさん、いつもすみません。」
「気にすんなって。ガレフ、カーラが迎えにきたぞ!」
「あの鬼ババアがこんなとこにいるわけねえだろ!」
「・・・目の前見ろよ。」
「あぁ!?・・・・・・あっ。」
「・・・いい度胸してますねぇ。死にたいんですか?」
カーラが剣を構えた。明らかに殺気を纏っている。
「・・・逃げるぞ!」
「は?ちょっと待て!怒らせたのはお前だろ!腕離せ!」
そしてガレフに腕を引っ張られた俺は何故か共に逃げる事になった。
「おい!このバカ!なんで俺まで逃げるハメになってるんだよ!」
「お前がカーラの事をあのババアとか言うからだろ!」
「何なすりつけてるんだこのやろう!」
「逃しませんよ。二人ともね。」
そして城壁まで追い詰められた。
「待て!俺が悪かった!俺が悪かったからその剣を降ろせ!」
ガレフが必死に懇願するも聞く耳を持っていないようだ。
「俺は冤罪だろ!俺は帰らせてもらうぞ!」
そうして逃げようとすると首筋に剣を突きつけられる。
「私を鬼ババアと呼ぶ不届きものをそのまま返す訳がないでしょう。」
とても冷ややかな目でこちらを見てくる。
これはどうしようもなさそうだ。
「大変申し訳ございませんでした。」
土下座しながら謝る。
「・・・謝罪は受け入れましょう。」
「そうか、じゃあ俺はこの辺で・・・」
帰ろうとするとガシッと肩を掴まれる。
「なので特別に半殺しで許します。」
「え!?ちょっとまt」
そう言った後に振り回した剣が俺を吹き飛ばし、城壁にヒビが入った。
そしてそのまま気絶していたため、責任を背負わされて城壁修理のバイトをすることになった。
ガレフは俺が目を覚ます前に起きて逃げたらしい。
ガレフには飯を奢ってもらう代わりにカーラには黙っててくれと頼まれたが、ムカついたのでちゃんとチクっておいた。
「なるほど、それは勘違いでした。すみません。」
「全く、気をつけてくれよ。」
「善処します。それでは私はやる事がありますので、、、」
そしてガレフは訓練場へ連れてかれた。
そして今、俺は衛兵監視のもと、城壁修理のバイト中である。
「なんでこんな目に遭うんだろうなぁ・・・」
「コラ!バイト!サボってんじゃねえぞ!」
「さあ、後もう一本ですよ。」
「あの野郎、チクリやがったな!?」
ギルドの訓練場では断末魔が聞こえたそうな、、、
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