第7話 仕事は選ぼう。選べるならな
依頼当日の朝。
俺は一人で寝ていたはずだが、鎧を着た男5人に囲まれていた。
「起きたか。早く着替えろ。」
そう言われて俺は早急に支度をした。
門の近くには兵士が円を作って何かを守っていた。
円に近づくと大きな声で「久しぶりじゃ~!」と大きな声が聞こえた。
今日はいつも以上に疲れそうだ。
-------------------------------
依頼が終わった。
やっと終わった。あの女次に会ったらぶん殴ってやると誓うほどにだ。
何があったかといえばほぼ前回のリプレイだった。
草原を歩いているとゴブリンの群れがいた。
俺は何も言わずに迂回路を選んで進んでいると若い兵士がなぜか姫に近づき
「姫様。あちらがゴブリンです。危険なので近づかぬように。」と説明した。
それを聞いた姫は「わっちも冒険者みたいなことしてみたいのじゃー!」
と言いながらゴブリンの群れに剣を持って突っ込んでいった。
「姫様!?おい冒険者!何とかしてこい!」と言われたので助けに行ったのだが
「わっちが倒したかったのじゃー!」と泣き出した。
この時点で帰ろうかなと思ったのだが受付嬢からは途中放棄でも捕らえると王様から言われたとのことなのでしぶしぶ頑張ることにした。
その後は魔物の群れに突っ込むこと4回、草原の真ん中でティーパーティーを初めて兵士たちは休憩で俺は見張りというもはや誰が何を守ってるのか分からない状態だった。
後で聞いた話によると、ついてきた兵士は貴族らしく実践訓練も兼ねて同行させたらしい。
おいしいですねじゃねえんだよ。餌にすんぞ。と思ったのは至極当然だと思いたい。
何とか無事に門まで送り届けた瞬間に姫は町中に消えていった。
その後は3時間ほど探し回り、途中で会った友人などの情報で何とか姫を捕縛して城まで連れて行った。
兵士長に姫と護衛を引き渡した後は報酬を受け取るとともに報告書を書かされていた。
どうやらあの護衛は新人だったようで、報告書には楽しかったですとだけ書いてあったらしい。
流石にこれでは王に見せられないということで追加料金を頂いた後に書類を夜まで書いていた。
そしてギルドに報告した後は飯を食おうとしたところで眠っていたらしい。
目覚めるとメモ書きが残されていた。
「依頼お疲れ様です。食事の料金は払っておきましたよ。 アリスト」と書かれていた。
ギルドへ行きアリストにお金を返すと「まさかこれで終わりですか?」と言われて買い物に付き合わされた。
結局残ったお金は少なく、ギャンブルへ行こうとしたら後ろから殴られてアリストにお金を取られた。
小声で「だから金が無くなるんだよ、このクソエルフ」と言われて意識が飛んだ。
後日、依頼を休んでアリストから依頼の残りを少しずつ受け取る俺は当分の間、「ヒモエルフ」と言われるようになった。
========================
最後までお読みいただきありがとうございます。
レビューやフォロー、いいねなどいただけると励みになります。
アンチコメントも募集してますので感想も気軽に投げて下さい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます