第17話 魔道具2
飛んで池の傍に来る。
防御壁も頭で考えたら、その形が作れる。
自分の周りを防御壁で囲んだり、丸く防御壁を空中に出したりする。
これ、練習したら皆が攻撃されそうになった時、直ぐ出して防御出来るな。
次は、人通りが多い食堂を選んで魔法感知を張り、暫く待ってみる。
張った範囲内に足を踏み入れた瞬間、頭の中に誰が入って来たか解る。
やばいくらいに凄い。
ブレスレットには三個魔法が付与されたと言うことか。
それじゃ、ブレスレットの真ん中に付いている石には何を付与しよう。
この石は付与魔法が一個だと言っていたな。
何がいいかな。
野獣討伐の時の事を思い返す。
その時、フッと頭に浮かんだ事がある。
収納ボックス!
そう、これからは一人で森に討伐しに行くつもりだから、重たい野獣をどう持って帰るか考えていたところだ。
この石は何でも入り、鮮度も保てる収納ボックスにしよう!
いいわ!
そう考えた瞬間、さっきと同じで石が光った。
光は中央から外に向かって消えていく。
早速、部屋に戻って収納ボックスを試してみる。
入れるものはここの物がいいかな。
一緒にこの世界にきた鞄から、貰った紙幣を出し、一枚だけ石に近づけたらスーと消えた。
次は紙幣を取り出してみようと、石に手を近づける。
紙幣を取ろうと考えると石の前に紙幣が浮かぶから、その浮かんだ紙幣を掴んでみる。
おぉ~!!
次は紙幣を三枚入れて、同じように紙幣の取り出しを考えると、石の前に紙幣が三枚浮かぶ。
その内の一枚を掴み取る。
便利だ。
今、石には紙幣が二枚入っている。
手に持っている一枚を石に入れて、紙幣の事を考えると石の前に三枚浮かぶ。
欲しい物を考えたら石の前に浮かぶのか。
便利だ。
ポケットに入れていた小銭も何枚か石に収納する。
毎回、石からお金を出すのは目立つから、少しはポケットに入れておこう。
やばい連中に囲まれてお金を出せと言われたら困るからな。
まぁ、そうなれば防御壁で自分を囲って逃げよう。
いい魔道具が手に入った。
ポケットからブレスレットと一緒に受け取ったナイフを出し、革の鞘を抜く。
ナイフはかなり軽く、ティースプーン程の重さで、長さも十五センチ位だ。
柄を握って振ってみる。
刃より柄の方が長いし、軽すぎて玩具を振っている感覚だ。
小さいのが欲しいとは言ったが、これでは肉は切れないなと残念に思う。
翌日仕事の後、森に行く。
取り敢えず魔法感知を周辺に張って、自分の周りには防御壁を張り歩いて森の奥に進む。
入り口だから小型の四足野獣がいるはず!
そう思った瞬間、早速魔法感知に反応!
そっと反応した場所に近づいて行く。
木の陰から野獣を発見!
……う……さぎ……?
いや、兎ほど耳は長くない。
中型犬の大きさに中途半端な耳を付けた、見た目の可愛い野獣だ。
その時野獣がこっちに気付いて私を見る。
いや、睨むと表現する方が正しい。
バン!!
一瞬の出来事だった。
野獣が突然私に向かって飛びかかって来たのだ。
大きな口を開けた野獣が、尖った歯を見せ防御壁にぶつかり、そのまま後ろに倒れる。
あっぶなー!
防御壁がなかったら食べられていたな。
思いっきりぶつかって気を失っている。
今の内に討伐しなきゃ!
防御壁の一部を解除して、鉛筆の長さ位に風を圧縮させて、野獣の額に打ち込む。
死んだかな?
そっと近づいて木の枝で触ってみる。
勿論、その間も防御壁は囲ったままで、枝が出る分だけ防御壁を解除する。
動かない。
襲われたら怖いので、手だけ防御壁から出して野獣の眼石を取り出すことにする。
ナイフの切れ味を試してみよう。
眼の縁にナイフを当てると石がポロっと取れた。
えっ?
当てただけで石が取り出せた?
反対の眼も同じようにナイフを当てると、やっぱりポロっと取れる。
石の周りをナイフで切り取っていく必要がない。
何これ?
凄い!!
心石も出して見ようと胸にナイフを当てるが切るのに勇気がいる。
何か、動物を切るような感じで心が痛い。
暫く野獣を睨んでいると、また魔法感知反応だ。
眼石は収納ボックスに入れ、鮮度が保たれると聞いた袋に野獣を入れて、反応した場所に行く。
二匹目ゲットだ。
眼石を取った後、心を鬼にして胸元にナイフを当てる。
胸を切ろうとナイフを傾けた瞬間、刃が伸びて野獣の体内に入っていく。
えっ?
刃はゆっくり腹部の方に動いた後、元の長さに戻る。
元の長さに戻ると同時に心石が体内から出て来た。
マジ?
何このナイフ。
凄過ぎ!!
魔道具と言っていた意味が解った気がする。
さっき討伐した野獣からも心石を取り出す。
ん?
心石の色が少し違う。
初めに討伐した心石は少し色が濃い。
時間が経ったからかな?
解らないので帰りに店主に聞いて見ることにした。
その後、二匹ほど討伐して店に行く。
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