第216話  まさかの本人


大御所も登場したコスプレ大会も後半戦に突入。

前回から続くアニメキャラシリーズのラストはこの方。



①西宮麗奈

(一ノ瀬からのお題:日曜朝アニメの変身系のヒロイン)


ピンクの髪をツインテールにして派手なヘッドドレスを装着。

全体的に目が痛くなるようなピンクを基調としたフリフリのドレスはスカートが激短い。

滅多にお目に掛かれない西宮のミニスカ+生足という事で一部の人間のテンションは上がりに上がる。



「お姉様……!! 超絶可愛いですわ!! 一ノ瀬、褒めて差し上げますわ」


「まさか麗奈を可愛い系で仕立て上げるとは……! 紗弓ちゃん、恐ろしい子だね……」


「ありがとうございます。どうせなら普段見れない恰好が良いかなって思いまして。ボクなんてこんなんさせられてますし……」



イチえもんと化した彼女の表情は着ぐるみのせいで全く見えないが、哀愁だけは漂っていた。

一方、西宮本人と他の周りの反応はあまり芳しくなく、



「ちょっと、きちーわ。なんつーか、その……キツない?」


「いちいち確認を取らないで頂戴。キツいわよ。可愛いと言われるのもキツいわ」


「西宮さん、胸とかパッツパツだけど大丈夫そ?」


「胸もキツいわよ。もう何かもがキツいわ」



ファンの方々以外の目には明らかにミスマッチな組み合わせだったようで、どうやら西宮と言う皿にはプリ○ュアという料理は乗り切らなかったらしい。

ちなみに、今回はドレスの形状的に胸潰しが使えなかったので可能な限りのパツパツドレスで対応している。


そんな悲しき変身ヒロインはネコ型ロボットの隣に座り、夢のコラボがここに実現した。



⑤南雲優

(十河からのお題:大人気美少女↓個人の感想ですVtuber梅雨町リリィ)


外ハネしたミディアムロングの白髪で、片目は前髪で隠している。

印象的な緑のメッシュが入っており、大きなアホ毛も特徴的である。

部屋着のようなカジュアルな服装を着こなす彼女の体系はまるで南雲と同じようで……



「え、うそ……♡ 本人?」


「本人だよ(怒)」



十河のお題はまさかの実写化梅雨町だった。

梅雨町自体が南雲に雰囲気を寄せているので、南雲が梅雨町の衣装が合うのは当たり前である。



「あ、やべっ……」


「ど、どうしたの茉希ちゃん? なんか嫌な予感がするんだけど……」



五味渕は今回南雲を座らせる前に十河を衣装室へ案内する。

そして、程なくして現れた十河のコスプレは……



⑥十河灯

(北条からのお題:Vtuber丸井月まるいるな


清楚キャラのような美しいロングの黒髪はパッツリと切り揃えられている。

巫女服をアレンジしたような着物はファンタジーに出て来そうな和装。

満月を象ったイヤリングを揺らした彼女は綺麗に微笑む。



「どうも。よじライブ所属の丸井月です! 今日はなんと先輩とのオフコラボでーす♡」


「茉~希~ちゃ~ん~!?」


「わ、わりぃ、こんな事になるとは……」


「ありがとうございます、北条先輩♡」



なんと北条の奇跡のチョイスにより、丸井念願の梅雨町とのオフコラボがここに実現してしまった。

焼肉の一件はあくまでも南雲と十河と謎外国人だったので、『丸井と梅雨町』という名義では初の試みである。



「え!? 2人はVtuberだったの!? みほっちは知ってた?」


「知るか。興味ない。……でも、いいじゃん。ほら姉貴、あいつらはもうデキてるみたいだぞ」


「えへへ……先輩。バレちゃいましたね……♡」


「あー、ちょっと仕事以外では近づかないで頂けますか」



結局、ビジネスなディスタンスを保ったまま2人は椅子に座る事に。



⑦北条美保

(南雲からのお題:茉希ちゃん)


『眩しく煌めく金髪、バシバシに決まった睫毛、耳から覗かせているピアス、少し気崩された制服。

彼女が醸成する柔和な雰囲気はなんだかアンバランスで。』


(出典:四角い修羅場を丸くする! 第4話から)



「俺は北条茉希。よろしく」


「ちげぇよ。お前は美保だ、バカ」


「改めて見るとそっくりね。どこぞの一卵性の双子姉妹よりよっぽど似てるわよ。なんだったらその妹も全然似てないしね」


「そ、そうだね、僕たちはよく似てないって言われるよ。北条姉妹は身長とかスタイルは全然違うけど、目元とか雰囲気がそっくりなんだよね」


「ジェネリック茉希ちゃんって感じだよね!」



実際には姉よりも身長が10cmほど低く、スタイルも姉の方が良いのだが何よりも目つきと顔の作りが似ている。

そんな彼女は大好きな姉のコスプレ(?)が出来てご満悦の模様。



⑧東堂明里

(美保からのお題:女装)


まず、見た目の話より前に東堂がお披露目された瞬間、全員が凍り付いた。



「結局僕がオチ担当なのッ!? そもそも女装って何!?」


「あ、あー、すんません。女性っぽい服装っていう意味だったんですけど、端折はしょり過ぎました」


「だ、だとしてもだよ!? どうしてになったの!?」



青いワンピースのようなお洋服に黄色いお帽子、黄色のバックを背負った彼女の名札には丸文字で『あかり』と書いてある。

困惑する東堂の問いかけに五味渕は一礼をして答える。



「失礼。それは私の趣向です」



『あー、君ね……』という感じに全員が納得の表情になり、東堂に黙とうを捧げる。

自身のコスプレに思うところがあった一ノ瀬と西宮もこれよりはマシか、とホッと胸を撫で下ろした。



「可愛い女の子の衣装という点では間違えては居ないと思うのですが……現に、似合ってますよ」


「似合ってたらマズいでしょ!?」


「そ、そんな事ないぞ、あかりちゃん。 ……ぷくく」


「そうよ。胸を張りなさい。あかり。 ……ふふっ」


「笑うか励ますかどっちかにして!?」



やはり僕っ子への風当たりは強いらしく、彼女たちにはオチ担当の烙印が押されている。

こうして、記念撮影をしたら終わり……


かと、思ったがそうは問屋が卸さないらしい。



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