15

手合わせの後、典獄に案内されたのは城内の一室、生活に必要なものは一通り揃っていた、見慣れない機器もあるが、単純に考えれば衣食住の何れかに分類されるものだろうか。来賓用の部屋とは違う、調度品の質が悪い訳ではないが、会議室や他の装飾品と比較しても型落ち感は否めない、また、位置的にも使用人が利用する部屋ではないだろう、つまり、結界と関連があると思われる。もしかしたら、ハルなりの心配りかも知れないし、先の挑発が未だに効いている可能性もある。しかし、この疲労も本物だ、今日のところはさっさと寝てしまうのが良い。深夜ということもあり、音はほとんど入らない、スキール音が一度だけ響いたが、地下に電車でも通しているのだろうか。この世界は都市部とそれ以外では明確な区分がされている、戦争やその他の脅威が蔓延っているからだろう、国としての守備範囲、都市や建造物、農地や鉱区など、なかなか都合の良い兵器は存在しないということだ。国家安全保障は決して安いものではないが、ここでの価値は如何ほどだろうか、王として、民として、手放しでは享受できず、また、手放しの願望でもある。私の場合、現状では第三者の立場を取ってはいるが、反乱分子にもなり得るだろうから、そんな存在が意見を持つこと自体が烏滸がましいが、生命そのものの価値は独立して然るべきものだ。果たして、この場合はいくつの脅威に備えて眠るのが正しい形となるのだろうか、思考に際限はなく、不安に下限はない、そして、対価に制限はない。エアが残したと思われる手記には、最初に「役目を果たせ」と書かれていた。こうした思考が止まることはない、睡眠時でも絶えず演算を繰り返していることだろう、私にはそれ以外の選択肢がない、強制以上に観念めいたものが血流のように循環している、この源流は何処か、やがて答えが明かされるときが来るのだろう。その時点での私という存在を意識しなければならない。

エアは眠りに就いた後も結界の分析を続けた。


翌朝、使用人がドアをノックする。

どうやら典獄の遣いで、準備を整えたら食堂へ顔を出すようにとのこと。王宮内の案内図を貰う、まるでホテルのような館内図が用意されていたが、恐らく内容はダミーだろう。食堂や会議室については記憶と照らし合わせても正しいが、軍事的な観点から要塞は公開できない。このようなつまらない細工で何を釣る気だろうか、尤も、今は平和な一幕なのかも知れない。使用人はここでの用事が済んだのか、隣室の掃除を始めた。彼女の立場は分からないが、ここでの生活は長いのだろう。足音一つを取っても洗練されているように見える、体重移動に技術を乗せている、戦闘になってもある程度は動けるのかも知れない。気を取られた訳ではないが、秒間に拾える違和感が生死に繋がるのであれば慎重にもなるだろう。さて、昨日よりは見えている、疲れは残していない、か。


エレベーターを降りた先のフロアに大小二つの食堂があるらしい、内部には操作パネルの類はないため、予め設定された挙動、若しくは、別の方法で認証がされいるのだろう。エレベーターの左右にはサーキュラー階段が展開されている、この場所を顔としているのだろうけど、何かが不足しているような気がする。食堂内は閑散としており、典獄だけが卓に付いていた。料理は既に置かれているが、冷めないようにだろうか、見慣れない装置が起動している。陽だまりのような寒暖差を演出しているように見える。季節的には秋か冬のようだが、向こうでは神無月だったか… 意味のない数値とはなったが、ここも暦は変わらないのだろうか。


「はい、これがお前の判決文な」

卓に付くと同時、献立表の乗りで渡されるとは思っていなかった。どうやら、死刑と書いてあるらしいが、文字が判別できないため内容を読むことはできない、だが、文字を目で追うと別の角度から認識が遅れて到着する、これも『殥』の作用だろうか、初めは山彦のように時差があったものが、次第になくなる。しかし、文字が読めないのであればエアの手記はどうだったか、あれは見知った文字だった、やはり、私のために残したものだったのだろう。てか、死罪というのも形式上のものだろうけど、他人事のようにしか思えない、自身が断罪されたという諧謔に釣られて笑ってやるのがこの場合は正解だろうか?


「全体的に軽いな… この判決文には理由の記載すらないようだが?」

「この国には死刑以外の判決が存在しないからな、但し、外国人はその限りではない。ああ、お前は…微妙なところだが、とりあえず死刑で良いだろう、まぁ、妥当なとこだ、異を唱える奴は一人もいないことだし」

「そう単純なことばかりが最上とは限らないが、この国では何をしても死罪となるのか?」エアは然して興味がなさそうに尋ねた。

「当然だ、命は限りある大切なものとされている…故に、罪を犯したことのない者だけが享受すれば良い」

これが、この国のあり方か、政治は思想を育む要素となる、理解の上でも知っておく必要がありそうだ。


「ところで、何を以て罪とする?」

「それは簡単だ、そのすべてが裁定者の領分なのだから… 確かに、罪の定義はそれぞれだが、ややこしく考える必要はない、圧倒的な武力の誇示さえあれば十分にその要件を満たせるのだから。ただ、裁定者に求められる条件はそれだけではないが… まぁ、国民も死刑と分かっていれば自ずと天秤に掛ける意思も憚られるというもの、どんなシステムであろうと頌辞と誹議、過当に欠陥は付きものだろう、だから、破綻しないようバランサーの設置は特に重要だ、その一つに監獄が存在する。話が逸れたが、お前のこれからについて説明しておこう、通常であれば監獄で刑の執行を待つのみだが、当然、そうならないように立ち回ってくれれば良い。その方法も問わない、脱獄しても良いし、典獄である私を懐柔するのでも構わない。せいぜい生き延びることだけを考えてくれ。次に『イジェートル・サバイユ』の結界、『蛙鳴蟬噪』などと呼称されているが、この国では単に『瘴気』で通じる。私なりの解釈を述べよう…『あれ』は死についてのみ思案する、結界も思案に追従する形で走る、ただ雨や流星のように天から地へと降り続ける、そして、地に塗れたものは消えゆくものだけ。概要を語ればこんなとこだろうか」

「つまり、この結界に真意は存在しないのか」

「それについては朝食を取りながらゆっくり考えれば良いさ」典獄はフォークを片手にどこまでも暢気だった「そうそう、結界にはいくつかの型が存在する。原型は陣と呼ばれるものだが、概要は未完の戦場と変わらない。方陣、縦陣、レギオン、ファランクス等々、一度は聞いたことがあるだろう、結界の概念そのものが陣形とは切れない関係がある、配置、範囲、効果、と…それぞれの設定が必要になる、そして、要件を満たした場合のみ個の占有率が支配へと置き換わる。端的に、揺り動かすと言ったほうがいいか、要件定義に敵味方の区別はないのが通例だ、『瘴気』もその例に漏れることはないが、その規模が異なる…異常ではなく、異質と言ったほうが伝わるだろうか、まぁ、実際に触れているのだから直に違いが分かるだろう」


「その雨とやらは何らかの気象条件を満たしているのか? 街では見なかったが、王宮内は別か。どの程度の影響が出ている?」

「気圧に左右されるということもないが、心象であれば当然強く作用しているだろう、もしかしたら無意識の領域に在るかも知れないな。影響については花粉症と同じだよ、許容量は超えれば死ぬだけだ」

同じなのか、それは… まぁ、この雨に打たれ続ければ死ぬことは理解にできたが、要件が分からない。

「個人差があるということか… 死とは具体的にどうなる」

「最初に説明した通り、土に還る。溶けて消えるのではなく、土と化すのだがそれは物質ではない。具体的にはどの瞬間か分からないが、徐々にではない、恐らく観測者の認識から外れた時だろう、後には死という結果だけが残る。確かに、個人差はある、監獄での観測結果では最長でも500日といったところか、数日で死んだ者も少なくはない」

それはまた愉快なことになっている、しかし、典獄は心得ているらしい。王宮内であればその影響を打ち消すことができるのか、また、監獄内でも問題となるのは効果の有無だけだろう。定義の解析が先となるか… 解は出ない、これは必要な試練かどうか、自問の果てにあるものはいつも変わらない。役目を果たせ、というのは与えられたものだ、そして、私の望みは喰らうことだけだ「つまり、対峙するのは先の話となるか…」

「いや、そんか悠長なことを言われても困る」典獄はフォークを揺らしながら卓上に陣を実行する「何せお前は別格なんだろう?」

卓に地割れのような衝撃が走るのが見えるが、これは不可視の領域か、『イジェートル・サバイユ』と同系統のものだ。一定距離を走ると、今度はその場で火の粉のように舞う、その軌跡はまるで鯉のように、酷く不安定に見えて目標は決して損なわない、まるで願望そのものだ。情報の粒が定義を形成する過程に自分でも驚いている、昨晩の手合わせに於いて、この身に受けた影響と思われるが、今なら理解できる、系統の理解は陣の学習に等しい、これは兵器に分類されない未知の学術か。グレンの強化も同様だろうか、過程が異なるだけだと思うが、私にも可能かどうか検証してみよう。

「雨はただの目眩まし…これは、『イジェートル・サバイユ』が地に足を付けるためのものか、それだけのもの…恐らく、何らかの付加価値に過ぎないだろう。言ってみれば、ただの存在証明だ。しかし、ついででこのレベルの死が降り注ぐのか、確かに規格外だな」

「理解が早くて助かるよ、しかし、『トライアド』か…記憶がないのにそのような構築が可能なものだろうか、やはりお前はどこか歪で不確かな存在だな。まぁ、人外には人外を当てるのが定石だ」

もはや化物扱いか、私ではなくこの『兵器』が異質なだけだと思うがな。『トライアド』は和音のことか、三という数字は所持している兵器の数だろうか、『殥』と『誄』の他にも何かを公言していたのか、そもそも「誄」についても今のところ何も手掛かりはないが…今回は必要になるかも知れない。ルアの狙いはその辺りにあるような気もする、

「ところで、私が所持している『兵器』についてはどの程度の理解がある?」

「お前の『兵器』についてはほとんど何も知らないな。『坤』と同程度と言っていい、先の手合わせでも特別な能力は使っていなかっただろ、まぁ、体捌きの方に不自然な点はあったが、何かの効果やそれに伴う残滓には見えなかった。自ら種明かしをする奴もいないさ。さて、一旦だが『蛙鳴蟬噪』の解析については中断しよう、今からはお前の及ぼす影響とその予測のみを探る、お前が勝手にくたばる分には構わないが、私まで共倒れになっては困る。『一匹狼』のお前とこの国では背負うものに差があるからな」

「おや、命は大切なものなんだろう。一転して、単純に数えるのか?」エアは皮肉を返す。

トロッコ問題と変わらない、初めからなかったことにしてしまえばいい、答えは「身の程を知れ」ということだ。

「世の中には順序というものがある、それを定めるのが国の仕事だ、私は公僕として職務を全うするに過ぎない」

「つまり、お前自身では他に思うところがある、と」

「それは誰にでもあるのでは? 但し、いずれかの思想に隷属するものだから、法則とは別の、な。さて、食事が済んだのであれば、諸々の手続きを省略し、これから監獄へと案内しよう」


エアは典獄に続いて食堂を後にする。

監獄は王宮の奥に存在するが、その位置は結界が関連しているのだろう。それ以外では選択肢に挙がらない、戦時には退路となるべき位置を塞ぐ意味はない。しかし、数日で条件を満たす可能性があるのであれば、確かに悠長なことばかりを言っていられない。

王宮を抜けると手入れの行き届いていない庭に入る、人が立ち入った形跡がない、ここは立入禁止なのだろう。植物の類は決められた区画にて長年放置され、他は石畳が広がるのみ。

「さて、王宮から続く監獄には門は設けていない、その理由はなんだろうね」

「何を今更、気でも触れたのか…通れないからに決まっているだろ、お前以外はな」

「そうそう、これも要件定義の中枢と言ってもいい、地形も無関係ではないが、効果が低地に流れやすいということもなさそうだ。後で地図を渡そう、お前なりに読み解けばいい」

典獄は説明を続ける、目の前には連絡通路が見える。都市に入る前に見たものと同じ欄干のない橋、その上を不可視の川のようなものが流れているように感じる。なるほど、これは渡れない。

「ところで、この結界に他意はなかったのでは?」

「いや、あまり余計な情報を与えたくなかっただけだ。しかし、先入観よりもお前がここで死なないことを望むよ、過酷な任務だ、失敗してもいいんじゃないか?」

「ここへ来る前に役目を果たせと言われたが、それとは別に私の信念に抵触する…」意思一つ、払えるものは注意くらいだろう「まぁ、どのみちってやつだ、私はその『蝶』とやらを追っているからな、ここは必定の関門となる。心配してくれるのは有り難いが、お前も私を利用すればいい、以前の私ならばこういう時に何と言っただろうか」

「昔のお前か、常に踏ん反り返ったいけ好かない奴だったよ、それも外面ではなく内面がな。でも、誰からも一目置かれていた。お前が動けば結果は必ずお前の方向へと転がる、良いことも悪いことも含めて。好意も敵意も悪意も他意もすべて自身の道具とした、誰が何をしても、どう転んでも糧となるように計算してな、視点を変えれば預言者と変わらない。つまり、そんな奴に尋ねるような真似はしない、というのがこの場合の正解だ」

「お前とは親交があったのではないのか」

「いや、直接はないよ。ただ同じ時代を…それも長い時間を共有しただけだ。それに、あったとしてもお前に話すことはない、どう振る舞ったところで、その上を、高い位置にいるのがお前らしいからな… 今は珍しく慎重になっていると思われるかも知れないが、そこを突かれる程ではないから安心した」

どうやらあまり好かれてはいないらしい、しかし、理由の方は理解した。これも私の一幕と考えている、若しくは、支障がないように気遣っているのだろう。そして、徐々に典獄の存在感が浅く膨らむように見える、この結界に溶けるように薄く薄く、すぐ隣にいるのに近くにも遠くにも感じる。共鳴しているのだろうか、円形の形をした天幕のようなそれは徐々に広がり『蛙鳴蟬噪』を押し退ける、あくまでも視えている訳ではない、そう感じるだけだ。『殥』の作用で、視覚以外からの情報を解析し、理解の得やすい形に変換されたのだろう、『リニア』経由のマッピングと変わらない。しかし、脳に直結したプログラムであるならば、どの程度の意思が反映されるのだろうか、または、介入できる可能性を探る必要がある。また、それよりも重要なことは伝達手段の方だ、考えられるとしたらレールの崩壊、か。確かにこれは感知できる、生成と崩壊までの差異から範囲や濃度を読み取っていると思われるが、典獄の結界でも同様に崩壊は始まる、その境界にも何かが在るということに他ならない。いくつかの情報が欠けているのだろうか、現状では分からない。とりあえず、結果的にはだが、典獄の結界は認識できるようになった、結界とはまた異なるものかも知れないが、効果の相殺を目的としている。


「さて、私から離れ過ぎないように」典獄はそう告げると、散歩のように一定のリズムで歩き出した。

エアは典獄に続き、橋を渡る。全長200メートルくらいだろうか、対策無しに渡るには非情な距離ということだ。要件を満たさないということか、獣も同様だろうか。


「ところで、対象となるのは人だけか?」

時期的なものかも知れないが、見える範囲では鳥や獣、虫もいない。それより小さなものは視認できないが、細菌やウイルス等はどうか、無菌室のようにモニタリングはできない、対流もあれば尚更のことだ。

「さぁ、どうだろう、監獄内では人しか見ないからな。上空を鳥が抜けることはあるが… また、犬や馬が死んだという話も聞いたことはない」

こちらに関しては得られる情報に大した価値はない、結界は認識の世界だから、この場で目視をして判断する感覚に近いのだろう。極小の世界が追えないのは当然のことだが、それは人や獣としての見地に左右されている。次に殺意の経路だが、これは象徴としているだけで希望や否定とも違うような気もする、現時点で確かめる術はないが、残滓というのがこの『瘴気』の在り方ならば、気紛れか見当違いのいずれかが該当する。

「しかし、どうしてそのようなことを気にする、一定の理解があればクリアできるという問題ではないと思うが… 結界は対症療法の世界であり、背景に至るまで考慮するには無駄も多い。つまり、お前は『イジェートル・サバイユ』ではない」典獄は後方を気にかけながらゆっくりと進む。

「共感とは、そもそもそういうものだろう。理解できないものと一度は捨てることから始まる、そこに気遣いは不要、ただ、互いの立場というものを再確認するだけ。私の場合、それだけではないが… 児戯かも知れないが、ここは戦地だ。今回の任務は生き延びれば良いという訳ではない、『瘴気』を否定するだけではなく、打ち勝つ必要がある」

「まぁ、私もただ良かれと思ってしていることだが、今のお前を見ていると、どうでもよくなってくる。先入観を与えるにもどのように影響するか分からないと考えていたが、貪欲なお前には、すべてを呑み込んだ方が都合が良さそうだ」典獄は橋を渡り終えてから振り返る。

「このように『瘴気』を避けることはできるが、打ち消すことはできない。そして、塗り替えるには範囲が広すぎる、自然災害のような火力に悠久を重ねて出来たものではあるが…」典獄は傘を差すように手を掲げた。

そのような軽いパフォーマンスはフェイクにしか見えない、欺瞞は時に自身をも欺く。結果はこれしか用意されていないんだ、私がやればいい。

「いや、単に宣戦布告を先延ばしにしているだけだろう? お前にはできる筈だ」

「少し考えを纏める時間が欲しい、私は自室にいるので用があれば訪ねてくれ」典獄は決心とは程遠い表情でエアを一瞥する「ああ、それでは天幕を解除するが、くれぐれも油断なきよう。『瘴気』に触れた直後は特に発狂する者が多いのでね…」そう言い残して、一人歩き出した。


エアは監獄の正門に残り、これからの計画について思案した。

陽と雨とが交錯し、認識を掻き分けた先に微かな眩しさを感じる。振り続ける雨に地は沈黙し続けた、上立ち香に泥酔するような天変地異にいかに立ち向かうべきか。


エアはただ天空を見据えて弓を引いた。

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