第9話 異界の美少女たちとダメな償還魔法使い
「本当に~ほんとおおに役立たずだなお前わああ デアイルちゃん」
黒い煙が漂い 押し殺している怒りが満ち溢れている
アルビノの剣士の少年テイノ
「毎回 償還に失敗して 役に立ちそうな お前の使い魔、あの凶暴な大猫は
肝心な時に どこかに遊びに行ってしまうし
償還魔法で出てくるのは スライムやら狸(たぬき)とか・・」
「いえ あのテイノさん 出てきたの狐(きつね)ですが」
「大差ないだろうがああ!!
先祖はあの高名なエルアンス様だろうがあ 反省しろ!!」
「し・か・も 今回出てきたのは・・」
「ずいぶんと可愛いにやんこのお嬢さんに
人魚ぽい美少女・・お前の趣味か・ロリか お前ええ!!」
テイノの震える指先の指す方向には
楽しそうに お茶やお菓子を口にして女子会している二人の少女
「また異世界に来ちゃったねリリーシュちゃん えへ」
黒猫耳の黒髪で綺麗な青い瞳の少女が お菓子をハグハグしながら言う
「そうだねアリサちゃん♪ ここのお菓子とお茶美味しいね うふっ」
淡い青の髪にピンクのエラの耳の少女 手には少々のウロコ
「あ、テイノさん、デイアルさんお菓子美味しいです
有難うございます」
「・・・・あのお二人とも元の自分たちの世界に帰れる?」
仲良く横に首を振る
「私の兄ちゃんやアラシャお義父様か
アジェンダ様にアーシュ様達なら 簡単に時空を飛べますけど
私たちは無理ですよ」
「うんうん そうそう」
「ところで此処はどこですか?
状況とか どうして私達が償還されたか聞きたいのですが?」
「そうだよね ええとね
此処はグレイシア城近くの戦場だよ
激戦地から離れてる森の中で そんな剣呑なムードはないけどね」
「僕は償還魔法で 力ある魔獣の隷従を呼び出そうとしたんだけど」
「こいつは 駄目な償還魔法使いだ
ご迷惑にも 君たちを償還させてしまったという事です 申し訳ない」
「はあ、そうなんですか」うんうんと頷く二人の少女
「ここは危険な場所だから 安全な俺たちの陣に送るよ
それから 他の償還魔法使いに相談するから
こいつじゃ君たちをどこに送ってしまうかわからないから危険だから」
はあ~とため息をつくテイノ
「うっ!!すいません」涙目のデイアル
グルルル・・うなる声がする
「あ!まずい あれは・・」
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