疲労
セレイはドーダム南病院の裏手で、手に持つ杖の重さをいよいよ異常だと思った。何故だろうかと不思議だったが、それが自分疲労感だと、裏口を開いて倒れ込んだとき、漸く気付いた。〈ダオド〉を解除したのは、開発区の外れも外れ。人の気配がないところ。そこから、なんとか歩いてここまできたのだ。
だが、このまま倒れた状態だと急患を迎え入れることができない。どれだけ被害が出たのかわからないが、南病院で受つもつこともあるだろう。早く、現状を聞こう。父でもいいし、看護師長がまだ残っているはずだから、彼女に話すのもいいだろう。
しかし、もう指先すら動かなかった。全身に力が入らず、瞼が異様に重かった。遠くに、足音が聞こえる。誰だろう、父か、スザリか。こんなところを見られたら、なんと言われるかわかったものではない。だが、その足音すら心地いい。セレイはついに、眠りについた。
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