天使の選んだクリスマス5

「待っていて、梨璃」

りららは、今は涙をこらえている。

「私、ひかないから」

耳人形は気を病んでいて疲れている。

「りららちゃん、これで4度目だ。あの三途の川にかかる橋は、渡り切るともうこの世じゃないんだよ。

りららちゃんが梨璃ちゃんに（本当の雪の美しい光）を見せた。それだけでも、僕はいい旅立ちに花を添えたと思うよ。」

「梨璃は、どこにいくの？

梨璃、橋を渡りきった感じがする。」

「しばらくは、あの世にいてやがて、サンサーラ、つまり輪廻転生でなにかに生まれ変わる。」

「何かって?」

「六道輪廻だよ。」

「トルーマンドクトリン？」

「違うよ、とにかく人には生まれてこない。次の生では、燕として生まれてくる。」

「わ、かわいい！私、確かめる。」

「じゃんけんで勝ったらね。ただでさえ霊媒師の僕は、忙しいんだ。3回やって3回、りららちゃんが勝ったらね。」

ーーーー3分後ーーーー

「今、青い革ジャン羽織ってくる！」