サマースプラッシュ

二髪ハル

1話「私と恋人になってください。お願いします」

 ミーン、ミンミンミンミンッ!

 外は30度を超える猛暑。蝉が今日も鳴り響く7月29日。俺、宮城みやぎ あきらはスマホを触って来月出る漫画を確認していた。

「あぁー死ぬー」

 隣の一軒家に住む幼馴染の柳木やなぎ こころは夏休みの宿題をやってる最中心を折れて机にしがみついていた。

「晶〜暑いよ〜」

「ファイト頑張れ」

「……ねぇ晶、応援と愛情が欲しいから、後ろで良いからハグして」

 心がこっちを見ながら目を輝かせて訴えていた。

「しょうがないな……」

 俺は心に駆け寄り。後ろからしがみついた。

「頑張れよ沢山遊べるから」

「うん……愛情が沢山貰ったから頑張れる」

 心のお腹を優しく撫でながら応援した。

 ……俺は心のことが好きだから彼女から触れて良いよって言われたら触れてる。嫌がるようなことはしない。それで避けられたら嫌だ……。

 と言っても彼女からしたら俺は幼馴染で弟みたいな存在だから恋愛感情なんて一切ないのはわかっている。

 けどいうならこの夏で告白はしたい……それでオッケーをもらえたらしたい。ノーだって言われたら諦める……。

 そんな思いを募らせながら心の勉強を見ていた。

 

「終わったー!」

「おぉーお疲れ」

 夕方になったが俺は心の隣で勉強を見守りながら、スマホで勉強のわかる方法など調べていた。

「遊べるよ!」

「ぬふぇ……」

 心のしがみついてきて頭がぶつかった。

「ねぇ今年の夏って何か予定とかってある?」

「うん? うーんゲームかな」

 やることなく友達と遊んだり心と一緒以外だといつもゲームかな。

「心は?」

「晶と沢山デートしたいなって」

「良いよ」

「あっそれとお願いしたいことがあった」

 心がしがみついた手を離し少し距離を取った。

「私と恋人になってください。お願いします」

 心が頭を下げながら手を差し出してきた。

「……え?」

 …………え?

「幼稚園の頃から晶のことが大好きで、大好きです! 夏で告白しようと思っていましたが、決心が揺らぐ前に今気持ちが変わる前に告白させてください。晶の、恋人ととしてこれからもそばに居させて欲しい……」

 もっと手を差し出してきてよく手を見てみると手を真っ赤になっていて震えていた。

「……え」

 いきなりすぎてビックリしてしまった。

「本気で?」

「本気、だよ……。恋人になって晶と、イチャイチャしたい!」

 少し顔が上がり見てみると真っ赤になっていた。

 ……本気みたいだ。

「……っ!」

 心と恋人なんて、嬉しいかった。

 まさか告白されるなんて思いもしなかった。

「俺も大好きだ心。恋人ととしてこっちからお願いします」

 俺は心の手を握りしめオッケーをした。

「っ! 良いの」

 心がこっちを見て少し首を傾けていた。

「俺も心と……恋人になってそばに居たいなと思っていたから俺からも恋人ととして居させてください」

「っ! ………うん。ありがとう、ありがとう晶」

 心が笑いながら泣いていた。

「………この夏、沢山デートしようね」

「……あぁ、デートしような」

 

 心と恋人の約束をこの場にした。


 この夏は絶対に心が沢山笑顔で居られる日を作ろう……そう決心した。

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