第8話 歯磨きの達人

会社に昼の昼食をせずに、一時間延々と歯磨きに勤しむ人がいる話を後輩にした。

『それ、嘘でしょ?絶対に盛ってる』

と言われたので、ちょいムキになり、

『じゃあ見に来いや』と言うと

『絶対に嫌です』と言う。

『なんで?』

『逆に聞きますけど、伴さんは他人が一時間歯磨きする姿を眺めていて楽しいですか?』

楽しい楽しくないじゃなくて、そもそもお前が嘘つき呼ばわりするからやないか。第一、一時間歯磨きすると認めてる時点で、俺の言うてる事を信じてるんと違うんかーい!と中指立てて心の中で吠える。

『他人の歯磨き一時間眺めるなんて、人生の時間の最強の無駄遣いですよ』などと言う。

『多分、これに勝るものは無いっすよ。ネットカフェで『代紋TAKE2』全巻読んでる奴の方が人生得してると思います』

それは知らんけど(笑)そもそも一時間歯磨きする人自体がマレなわけだから、それを一時間眺める人なんてジャイアントパンダより希少価値は高いな。

ちなみに僕は別に好きで他人の歯磨きを見ているわけでない。たまたま遭遇するだけである。

もし居たら、そいつは相当な変態だ。

口内フェチなんだろ?と聞いてしまいそうだ。

『実写版の「デビルマン」観てる方が100倍マシですよ』

駄作とはいえ、ここで実写版デビルマンを比較にだすなよ(笑)

閑話休題

そもそも僕自身も歯磨きは徹底的にする派なんで、不思議と隣で延々と磨くその人が気になり、横目で見ていただけだ(暇か)

自分で言うのもおこがましいが、僕は歯磨きは徹底していて、戦国時代では多分、日本列島でベスト10以内にいたのでは?と思うくらいだ。

何故戦国時代なのかというと、あの時代は歯磨きとかにあまり力を入れてなかったのでは?という自分の勝手な偏見でハードルを勝手に下げただけである(笑)

平安時代なら一位かも知れない(笑)

まあどうでもいいけどさ。

現代なら、このように一時間以上磨く猛者がいるからである。しかも身近に(笑)

あえて戦国時代に設定して、自分は織田信長や武田信玄よりも絶対に歯磨きしていると悦に浸り、当時の状況を無視して自己満足しているだけである。

誰に認められなくてもいいのだ(そもそも誰が認めるのだ)

『そもそも一時間歯磨きをする狙いがわかんないすよ』

確かに。

『飽きないすか?』

本人に言えよ。

『多分、磨きすぎたら歯が削れると思いますよ。ダイエットと一緒でやり過ぎたらいかんですよ』

だから本人に言え。

『普通に良くないすよ。知覚過敏になりますよ』

全く持ってその通り。

『そんだけ歯磨いたら、飯食えなくなりません?』

しつこいようだが、僕ではない(笑)

『フローリングとか磨きすぎたら歩くのがもったいないでしょう。それと同じです』

キッパリ言われたけど、なんか構図的に歯を一時間磨くことが悪いって空気やけど、むしろ良いことだと思うがねえ…(良いことなのか?)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

バンビの(怒)えらいこっちゃい! バンビ @bigban715

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ