第22話 初めての討伐

魔法学院に真面目に通っているおかげで魔法が上達した・・と言いたいところだが・・。


知識は増えたと思う。

魔法はそうでもないかも。

回復魔法を覚えて、初級なら使える程度。


火の魔法とか水の魔法なら他のクラスメートの方がよっぽど上手い。

得意分野が違うのかもな。


ポーション作成なら誰にも負けない気がする。

何だか地味~。


俺は寮で今日もポーション作成に勤しんでいた。


「オーシャン大変だよ!」


バタンとドアを開けてロココが入って来た。


「ギルド登録したのっていつだっけ?」


「半年くらい前かな?」


「今すぐ行かないとまずいかも」

何が?

俺はロココに引っ張られてギルドへ向かった。


「期限切れまで3日ですね。」

顔なじみのラウニーさん(ギルド受付女性)に言われた。


え?ギルドカードって期限あるの?


「早く気が付いてよかった。まだ間に合いますね。あ、でも薬草採取は無いかもしれません。」


俺が冒険者初心者なのをよく分かっているようだった。


「依頼受けないと、取り消されちゃうって聞いたんだよ。そしたら、もしかして・・と思って。」


「取消されると再発行に金貨10枚かかります。」

たっか。

でも、俺学校あるんだけど?


「学校休んじゃえばいいよ。一日くらい大丈夫だよ。」


ラウニーさんが言うにはモンスター討伐の依頼しかないらしい。

俺、やったことないんだけど。


「スライム退治とかいかかでしょうか?5匹倒して、魔石を持ち帰れば依頼達成になります。」


俺はスライム討伐の依頼を受けることにした。

武器も何も持っていないので急遽購入することにする。


「明日、頑張ってね~。」

俺はロココと別れた。


近くの武器屋に入って初心者おすすめという品を買う。

何を選んだら分からないからだ。

「軽い剣と、盾と防具でいいか。」

生活費一か月分・・使ってしまった。


寮に帰って休む。

明日は初めての討伐。

スライムだけど。


「痛いのは嫌だな。」

幸いにも回復ポーションあるし怪我しても平気なのだが。

怖いものはこわい。


頑張って火魔法とか、水魔法習得しとけばよかった。

今になって後悔する。



****



次の日の朝になった。

他の人は学校に行く中、俺は全く違う道を行く。

貰った地図を見ながら、スライムを探す。


「確かこの森の方だと思ったけど・・。」

湿ったところにいるらしいので、岩陰とか木陰とかを探してみる。


べちゃ


変な音がした。

木に何かいるようだった。

ねっとりとして半透明な物体。

「あれが、スライムか。」

動きがゆっくりなので、助かった。


昨日買った剣で刺してみる。

ザクッと手ごたえがある。

うわ~なんか嫌かも。

2,3回剣で突いたらやっつけられたようだ。


早く終わらせよう。

生理的に苦手だ。

依頼は5匹だったから近くにいた数匹をやっつけた。


「ふう~。」

慣れない剣っていうのもあって疲れるな。

何とか魔石5個を取れた。

早くギルドに行こう。

初めての討伐で精神的にも疲れた気がする。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る