第23話 魔法の習得

「討伐してきました・・。」


冒険者ギルドに行って魔石を出す。

疲れた、早く休みたい・・。


「お疲れさまでした。初めての討伐ですよね。大丈夫でしたか?」


ラウニーさんに声をかけられる。

数人いるギルドの中で親しみやすい感じの受付嬢だ。

茶色のショートカットの髪が揺れる。


「少しずつでも依頼を達成していけば、ランクも上がりますよ?」


俺がここ半年のを気にしているのかもしれない。


「そうですか。俺には討伐は向いてないかも・・。」


報酬を受け取る。

大銅貨10枚。

夕飯代くらいになった。


「スライムの討伐は人気なくて、少し報酬が上がったんですよ。またお願いしますね。」



****



冒険者ギルドを出て、夕飯にしようと思ったが、とても食堂で食べる元気はなくて露天ろてんで鳥の串肉・パンを買って持ち帰る。


「たまにはいいかぁ。」

よろよろしながら寮に戻った。


ご飯を食べた後、眠気が来てそのまま眠る。

変な時間に寝たからなのか、夜中に目が覚めた。


「のど渇いた。水出せれば便利なのに。」


思えばポーション作る時も、水持ってこなくても作れれば便利なんじゃないか。

今の今まで気づかなかった。


練習しよう。



****



次の日から今まで真面目にやってたつもりだったが・・魔法に真剣に取り組むようになった。


魔法の授業

今日は学院の外庭で行われていた。


魔法を出すにはイメージが大事らしい。

水のイメージ。

冷たい、流れるような透明な・・。

すると、手のひらから少し水が湧き出てきた。


「オーシャンが真面目にやってる!」

クリフが驚いている。

火と水の魔法は魔力さえあれば出せるものらしい。

俺は今まで必要ないと思っていたから、真剣になれなかったのだ。


「やればできるじゃないですか!」


メリッサ先生に褒められる。


「ポーション作れるんだから、基本の魔法が出来ないわけがないのよ。全く順番がおかしいんだから。ってあれ?詠唱はどうしました?無詠唱?」


そういえば、すっかり忘れてた。


「オーシャン君、やっぱり天才なのかもしれませんね。」


火の魔法も習得できれば、モンスター討伐行っても怖くないかもしれない。

そんな事を思いながら取り組んでいた。


今日の授業はいつもより楽しかった。

楽しくて、何回も水を出していたら気を失ってしまった。

まさか魔力枯渇で保健室に運ばれてしまうとは思わなかったけど。


「まだまだ未熟なのですね・・。注意してあげないと・・。」


俺が起きると、ベッドの隣のキャスターに薄い緑色のポーションがあった。

それには手紙がはさまれており「魔力回復ポーションです。飲んでください。」とだけ書いてあった。

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