第15話 寮の部屋で

のどかな風景を眺めながら、馬車で移動。

そんなに荷物はないけどね。

最初に来たときは徒歩で後悔したっけ。

ワッツ町を出て、アルティナ王国へ向かう。

アルティナは3度目かな。


学校ってどんな所だろう。

勉強するところらしいけど。

俺はアルティナ王国魔法学院の学生寮に入ることになった。

ロココとロココ父は、一緒に住んでも構わないって言ったんだけど、さすがに遠慮させてもらった。


本来なら、入学金やら諸々お金がかかるらしいのだが、王様の推薦ということもあり無料になった。


普段の食費はさすがにかかるけどね。

俺はギルドに卸すポーションは作成しつつ、学校に通うことになった。

お陰でお金に困らない生活だ。

「疲れた~。」

俺は背伸びをした。

学院の寮に着いた。


「結構年期入っているな。」

外壁につたがはっている。


そういえば俺の部屋はどこなのだろう。

キョロキョロしていると、寮の管理人という人が建物から出てきた。

壮年の男性から、部屋の鍵をもらい場所を教わる。

「何もないと思うが、一応部屋の鍵はかけておくように。」

そう言われた。


階段を上り、2階の奥の部屋だ。

部屋は広くはないが、机とベッドがあった。

学生には十分だな。

「つかれた~少し寝よ・・。」

俺はベッドに倒れこんだ。


ゴソゴソ・・。

俺は物音で目が覚めた。

まだ明るい時間。

誰かいるみたいだ。

目をうっすら開けると、物色をしていたらしい人影は気が付いて、逃げて行った。


「物騒だな。そういえば鍵かけ忘れた。さっき閉めるように言われたのに。」

見ると、持ってきた革袋が開けられていた。

盗まれたのは、ポーションのようだった。

お金は念のため服の中に入れておいたから取られなかった。

「お金が無事だったから、まだ良かったのかな?」



****



そんな話を次の日ロココにしていた。

学院の廊下で、歩きながら話してる。


「俺が入ってくるって知ってたのかな?」


「そうかもね。気を付けなさいよ。」


「職員室はそこだから、じゃまたね。」

ロココと別れて、クラス担任の先生と教室まで一緒に行く。


「色々な人がいますが、仲良くしてくださいね。」

担任のメリッサ先生はすらったした体系、銀髪ロングヘアの美しい女性だ。

眼鏡の奥の瞳は琥珀色をしている。


「途中編入ですから、付いていくのが大変だと思うけど、分からなかったら遠慮せず聞きなさいね。」


親切な人なのかな。


まぁ、分からなかったらロココに聞けばいいか。

俺は軽く考えていた。





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