第6話

ある夏の土砂降りの中、お爺さんとその孫が小さなトンネルで雨宿りをしていました。

空は地獄の形相で、雷鳴が轟きまるで台風の様です。

「まだ続けるのかって?次の話を聞けばきっと恐怖に慄くじゃろう…」


息が上がる。肺が痛い。足は裂けそうだ。

俺は走っていた。

これまでにない勢いで地を蹴り、全身全霊で駆けていた。

"アレ"が来てしまう前に。

急がなければ。

視線の先に小さなアパートが見えてくる。

アパートに駆け寄り手前から順にドアを叩く。

助けてくれ。誰か開けてくれ。

6番目のドアを叩いた時、ようやくドアが開き住人が訝しげに俺を見る。

助かった―。

「えっと…、トイレ貸してください。」


「6話もこんな話してたら読者もオチ読めてるだろ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る