2話

―パァン!パァン!


「おい!起きろ!」


銃声とドイツ兵の怒声が狭い寝室に響く。


もちろんそれで目を覚ますが覚まさないやつも居た。


「おい!そいつを連れて行け」


起きなかったやつはドイツ兵がなにか指示をして無理やり起こし別のドイツ兵が連れて行った。


「お前らは着いてこい」


ドイツ兵にそう言われ着いていく。他の人も列を作りながら着いていく。


「止まれ!あそこに壁が見えるだろそこを見とけ!面白いものが見れるぞ?」


ドイツ兵がそう言うので見ているとさっきの起きなかった人が3人が裸で壁に立たせられ、並ばされていた。


そして次の瞬間、


―パン!パン!パン!パン!


目の前に居たドイツ兵が3人のことをライフルで撃ち始めたのだ。


何なんだコイツ等は有り得ない。俺は声も出なかった。


流石に見ていられなくて目を伏せている人も居た。


我々がユダヤ人という種族なだけでこんなにも人権のないような扱いを、それこそ中世ヨーロッパ時代の奴隷の扱いより酷いではないか。


「どうだ?面白いだろ?お前らも我々の司令に反すればこうなる。肝に命じておけ!面白いものも見れたし、えっとお前とお前とお前はこの粗大ごみを焼却炉に持っていけ!」


指示された三人はさっきのことのようにならないよう恐怖に怯えながら行った。


「残りのやつは労働だ!働き方次第では出られるかもしれないぞ?」


ドイツ兵は笑いながら言う。


「分かったなら着いてこい」


そう言われ着いていく。



しばらく歩きドイツ兵が止まれと指示したので止まる。


「さてここが今日からお前らの仕事場だ。」


そこに見えたのは大きな工場のようなところだった。


「主なことはライフルの弾の製造だ。全員入れ」


他の人々もあとに続き入っていく。


入るとその場所は酷いものだった。衛生環境がなってなく、なおかつ怪我をしそうな場所がたくさんあるところだ。


「やり方は機械に書いてある!持ち場は自分の四桁番号の場所だ。さっさといけ!」


指示された途端、他の人は直ぐ様自分の持ち場についた。

俺も例外じゃない。


やり方は機械に白いペンで雑に書かれていた。


最初はやり方を見ながらやっていたが徐々に慣れていき見なくても分かるようにはなった。


そしてしばらくたったときのことだった。


「おい!3398番何をしている!」


ドイツ兵の怒声が工場内を響く。

だがここでその声に反応するとさっきのような事になるので気にせず作業に集中する。

その事を他の人も分かっているのか気にせず作業を進めていた。顔は恐怖で染まっていたが。


-10時間後-


「今日の労働は終了だ!賃金はない!飯の時間だ、着いてこい」


外に出るともう暗くなっていた。

そしてものすごく寒い。この囚人服は薄いので寒気を余裕で通す。

靴は木製の靴で足、手はかじかんでいる。


寒いが我慢をしドイツ兵に着いていった。



「ここが食堂だ!飯は毎日決まっている!自分たちで取りに行け!」


昨日から食っていない。昨日ぶりのご飯に心を踊らせながら取りに行った。


ところまでは良かった。


ご飯が少ないし不味い。硬い黒色のパンに、少なく酸っぱい野菜の入った薄いスープ。

これのみだ。


「あとは10時までに寝室棟へ戻れ!明日は5時に起きろ!」


俺は何故あのような嘘にかかってしまったか過去の自分を恨み寝室棟へ戻り、寝た。










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