第8話 最下層へ

3人は、ワイバーンと対峙していた。

ワイバーンの攻撃をランスロットさんが防ぎ、その隙にアーサーさんが切り付ける。

マーリンさんの氷魔法『アイススピア』がワイバーンの翼に穴を空ける。

落ちてきたワイバーンにランスロットさんが盾を構え突っ込み盾を叩き付ける。

シールドバッシュというらしい…

落ちてきたワイバーンの首をアーサーさんの剣が切り裂く…

ワイバーンが光の粒子となり3人に吸い込まれる。

中に入っていくと、3人とも座り込んでいた。見た目より厳しかったらしい

ドロップは、剣(エクスかリバー)と盾(プリトウェン)、杖(アロン)

と、神話クラスの聖剣や盾、杖を手に入れてた。

紫色した魔石は、ドアを開ける鍵であることを教えて、転移の部屋を教える。


扉の前で、みんなに向き合い


『じゃぁ、また会おうね♪』


「あぁ…、いろいろありがとう」


「またね♪早く来ないとダメよ~」


「ん、ありがとう」


全員が前足を握り挨拶してくれた。

アーサーが、扉の窪みに魔石を嵌めると、扉が開く…開ききると魔石が扉から落ちた。

慌てて拾うアーサー

そのまま、魔方陣の方に向かう

3人が転送魔方陣に乗ると光が迸り、3人とも消えた。


少し、その場で見送ってから湖畔に戻ると、ウンディーネさんが待ってた。


「行かなくて良かったの?」


『まだ、力が足りない気がして…、それに行くにしてもウンディーネさんに挨拶なしとか有り得ませんよ♪』


「そう?ちょっと寂しくなっちゃったかな?」


『いえ、目標ができたし、僕にはウンディーネさんが居るから!』


ん?ウンディーネさんの目がウルウルしてる?


「な、なに言ってるのよ…と、とりあえず修羅場の続き見てくるから…」


と、湖に消えていった。

まだ、続いてたんだ蟹の修羅場

さてと、僕も行こうかなっと…


試練の階層で、いま対峙しているのは、エンシェントドラゴンだ

話しかけてきた!


「知性ある相手との戦いはしたことがあるのか?」


『………無いよ』


「完全に敵対したとき、その相手を殺す覚悟はあるのか?」


『わからない…』


「何故、わからない?」


『その時の相手の状況や自分の状況によるんじゃないかな?って思うから…』


「それでは、自分が殺されるかも知れないのは理解しているのか?」


『それは、そうかも知れない。けど、相手が完全に支配されてたり、利用されてるだけなら、殺さずに無力化したい。』


「それには強さが必要だ。その強さがお前にあるのか?」


『いまは、無いと思う。だから、ここで戦うんだ!』


「そうか、それならば戦うしかないようだな!」


言った直後に口を大きく開け、ブレスの溜めに入った!

ドラゴンブレスの威力は抜群らしいのだが、それを放つまでの溜めが隙になる。

小柄な体を活かし、相手の足元まで駆けアキレス腱の部分にウォーターカッターを放つが、流石にドラゴンの鱗には、ほぼ傷が付かない…

前足の爪に魔力を溜めて、空爪撃クウソウゲキを連発で放ち同じ箇所を狙う

相手の足に力が入ったのがわかった。

飛んで、ブレスを放つのだろうと予想して、足を掛け登り背中に爪を立ててしがみついた!

ドラゴンはブレスを止め、飛び上がると背中を天井にぶつける

背中と天井に挟まれ、一瞬、意識が飛び掛ける…

無理矢理、意識を繋ぎ止め首筋まで爪を立て這いずっていく

首の鱗が少ない内側に牙を立てる。

肉を食いちぎる勢いで、噛みつく!

魔力を牙に通し、ひたすら、内側の首筋を噛む!噛む!噛む!

噛み千切った勢いで、ドラゴンの体から離れると尻尾が襲いかかってくる


ドゥン!


体を打ち付けられ、そのまま壁にぶつかる。

身体強化、空膜による防御のおかげで、そこまでのダメージはない。


床に着地して、中央に降りてきたドラゴンと対峙する。


「むぅ…的が小さすぎて戦いにならん!」


まぁ、こっちは仔犬サイズでエンシェントドラゴンは大型の重機より一回り大きいからね…


「もっと大きくならんのか!」


理不尽なことを言うドラゴンさん


『なかなか成長しなくて、これが精一杯の大きさです。』


とりあえず答える。


「むぅ…、こうなると我に打つ手が無いのぅ…」


とか、言いながら尻尾で横なぎにこっちを狙う…

ジャンプして避けたところに小さいブレスが飛んでくる。

水壁と空膜を使って、避ける。

相手の首筋の傷も徐々に治ってくる…

完全に治る前に黑雷を打つ

傷を焼けば、修復が遅くなるのは実証済み

エンシェントドラゴンは再度、ブレスの溜めに入る。

こっちも最大の技を決めるのにイメージを固める。

火の龍、水の龍、風の龍、木の龍、土の龍を作り、魔力の限り相手に絡み付きダメージを与える魔法


「五大龍王撃!」


五本の龍が、相手のブレスと真っ向からぶつかる。

ブレスを拡散して、五大龍がエンシェントドラゴンに絡み付く…

藻掻くエンシェントドラゴンを締め上げていく五大龍

暫くすると、エンシェントドラゴンが光の粒子になり、僕の身体に入り込む…

役目を終えた、五大龍も消え、試練の階層に静寂が訪れる。

ドロップに赤い魔石と卵?

ステータスに転移が増えた。


ステータス


・名前 ライザ(旧 サツキカオル)

・種族 神獣 人狼族

・性別 ♀

・レベル 280

体力 325

魔力 410

知力 600

素早さ 1000

力 580


加護

ホーリフェンリルの加護

スキル

・状態異常無効

・自然治癒(超)

・身体強化

・聖魔法

・結界

・浄化

・五属性魔法(火・水・風・土・木)

・空間魔法

・アイテムボックス

・万能感知

・空間操作

・万能言語理解

・念話

・転移


と、確認していたら…ドロップの卵が割れた。

中から、先程のエンシェントドラゴンにソックリのミニチュアドラゴンが出てきた!

僕の頭と同じくらいの大きさかな?


鑑定してみる。


ステータス


名前 なし

種族 エンシェントドラゴン(ライザの従魔)

性別 ♀

レベル250

体力 550

魔力 420

知力 520

素早さ 380

力 1200

スキル

・状態異常無効

・自然治癒(超)

・身体強化

・結界

・浄化

・ブレス

・風魔法

・火魔法

・万能感知

・万能言語理解

・念話


ん?従魔?


「お~、だいぶ小さくなったな♪まぁ、先程のように大きくもなれるから、便利だぞ!」


と、ミニドラゴンが話しかけてくる。


『どう言うことです?』


「ん、我に勝ったから、従魔になったってことだな!宜しく頼む」


『えっと…断ることは…』


「出来ぬよ♪名前を付けて貰えるか?」


『名前ですか…ポチとか…』


ミニドラゴンの口から火が飛んでくる…


「真面目に頼むぞい」


「ティアで良い?太古の文明の女神様ティアマト様から一部貰ってみたんだけど…」


「ティアか!気に入った。ありがとう♪」


『良かった。

でさ、ティア…この赤い魔石ってなに?転送魔方陣の部屋のは紫だよね?』


「あ、それはワレを倒すと出てくる最下層のカギじゃな」


『最下層のカギ?』


「そうじゃな、この迷宮の管理階層に行ける。この迷宮の管理権限を得られるんじゃよ」


『行き方は?』


「転送魔方陣の部屋を開けるときと一緒じゃよ。紫の魔石で開けると迷宮の1階層出口付近で、赤の魔石で開ければ管理室に行ける。」


『管理室に危険は?』


「無いと思うぞ?この迷宮のコアが居るだけじゃからな…」


『なら、今から行っても大丈夫そうかな…』


ティアは僕の後頭部に捕まり、赤い魔石で部屋の扉を開けて中に入る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る