第4話 出会い
さてと……
トテトテ歩く
なるほど、尻尾でバランスが取れてるんだ…
しかも、股間に何にも無いとなんか歩きやすい?
まぁ、四足で歩いてるから何とも言えないけど
とか、考えてたら湖畔に着いた。
覗いてみると
めっちゃ透き通ってる。
鑑定が発動
ルルの湖
フロア結界内に稀に存在する湖の1つ
飲むと体力と魔力が回復する。
また、精霊が棲みかにしている可能性も高く、高位精霊と契約することが出来る可能性がある。
ふむ…
飲んでも大丈夫みたい
よし!
顔を水に入れて飲もうと…
「ガフガフガフ…」
飲めない!
溺れるかと思った。
やはり、ワンコにはワンコの飲み方があるよね…
ペロペロ
舌で巻くように水を飲むとポワンと何かに包まれたような感触
体が元気になるような…
不思議な気持ちになってると突然
「こら!ワンコ!
この湖にオシッコしないでよ!」
と、全身が淡い青い色で染まったお姉さんが出てきた。
「ワフ?」(だれ?)
「私は、このルルの湖に棲む精霊で、ウンディーネよ。」
おぉ、精霊さん登場
ん、というか…
精霊さん、すっぽんぽん…見ちゃダメだ!見ちゃダメだ!…少しだけなら…
「あら、裸はダメなのね?」
と言って衣のようなものを羽織った…
けども!
なんか、逆にエロい!
「あんた…生まれて間もなさそうな♀のクセにオッサンみたいよ?」
ガーン!
ま、まぁ…前世の記憶もあるので、オッサンで間違いはないのだけれど、ショック!
「まぁ、良いわ
ここに居るってことは、この迷宮を攻略してきたのね?」
「ワフン?(迷宮?)」
僕は、あそこの木の洞で、さっき気がついたんですよ…と考え、答えようとしたら
「あ~そうなんだ!魔物!ではないわね…ここは結界内だから…」
「ワワンワンワン?」(さっきから考えてるのが聞こえてる?)
「えぇ、なんかあなたが考えてることが漏れて来てる感じで分かるのよ。念話みたいな感じね」
なるほど…
なら、ウンディーネさんに集中して…
『これ、聞こえてますか?』
「あ、さっきより綺麗に聞こえるわよ。」
どうやら、念話スキルを手に入れたみたいだ。
『念話が出来るようになったみたいです。』
「あら、良かったわ♪ここは、神聖な湖だから、オシッコとかしちゃダメよ!」
『は、はい!
ちなみにここってどこなんですか?』
「ここは、始まりの迷宮アロンの地下48階層のオアシスよ。」
『オアシス?』
「そう、この階層はエリア結界で魔物や魔獣が出ないオアシスなの。この下の49階層は試練の部屋で、その下、50階層は最下層よ。」
『試練の部屋?』
「そう、入った者のレベルに応じてギリギリ勝てるか勝てないかの相手が出てくるの、勝てば能力が格段に上がるし、レアなスキルや武器や防具、宝飾品や食料なんかを選んで貰うことが出来るのよ。」
なるほど、それで最下層を攻略するのか…
「違うわよ。最下層には行けないみたいよ?試練の部屋をクリアすると、転移の魔方陣がある部屋に入る魔石を手に入れて、迷宮入口に飛べるらしいわ。私もここに来た冒険者が話してたのを聞いたくらいだから、良くわかんないけどね」
『ここに来る冒険者さんがいるんですか?』
「たまにね。この階層まで来るのに結構高ランクじゃないと来れないらしいのよ。」
『高ランク?』
「なんか、冒険者にランクがあって…って、私も良くわかんないわ。結構、前に来たのが、Sランクって言ってたかな?その人達が初めて試練の部屋をクリアしたわ。」
そうなると…
『ちなみに、僕がいま外に出ようとしたら、どうなりますか?』
「ん~、下をクリアしないと出れないし、上に戻っていく方法だと30階層までオアシス無いから、魔物にあったら終わりだと思うわよ?」
ん~、どうしよう?
『ここで、食料って手に入りますか?』
「死なない程度なら、この湖の水を飲んでたら、死なないけど…お腹は膨れないわね…」
と、なると…
ここを拠点に試練の部屋でレベル上げして、外に出るのが良いのかな?
「そうね…、私的にはここに居てくれたら、お話相手が出来て嬉しいのだけど…、外に出るなら、滝の裏に47階層に戻る階段があるわ…」
『と、とりあえず47階層を見てきます!』
「ん~、なら試練の部屋の方に行ったら?」
『下に?』
「そう、試練の部屋ならあなたのレベルと同等の相手が出るから、レベル上げには1番良いわよ?それに致命傷さえ受けなければ、ここに戻ってくれば治せるしね。
上に行けば、確実にあなたより上の魔物が出るから、逃げ切れるかわからないわよ?」
『う~ん………』
「あの大きな木の根本に扉があるわ」
と、私が寝ていた木のすぐ横にある大きな木を指差した。
「ワフ!」(行きます)
「そうね、女は度胸も大事よ!危なくなったら逃げなさい。試練の部屋は逃げさせてくれるから」
『ありがとうございます。ちょっと様子見をしてきます。』
この世界に来て初めて会ったウンディーネさんに前足を上げて挨拶してから、扉に向かった。
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