第6話 時空を超えて
真耶達はかなり速いスピードで時空連合に向けて走っている。そのスピードは目視するのも一苦労するほどの速さだ。
真耶達はそんな速さで街を駆け抜けアヴァロンを出ると時空間を移動し始めた。そして、違う時空間に向かう。
「なぁ、アヴァロンが第三時空間だよな」
「いや、それは1年前の話だ。今は第四時空間となっている。1年前にゼウスが第三時空間を増やしてな。地球と神界の間に真耶達がいた異世界を新しい時空間に作りかえて顕現させたんだ」
「なるほどな。あの世界が新しい時空間か……やはりゼウスに直接干渉しなければ今何が起きているのか分からないな」
真耶はそう言って少しスピードを速めた。アーサーもそれについて行くようにスピードを速める。
そして、出発してからだいたい1時間ほど走り続けたところで時空連合本部に辿り着いた。
「案外早かったな」
「かなりのスピードを出したからね。早く中に入ろう」
そういった会話をして真耶とアーサーは中へ入っていった。
中に入ると突然大きな声が聞こえてきた。そして、人々が処刑場に集って騒いでいる。
その時2人には嫌な予感がした。そして、だいたいこういう時の嫌な予感は的中するものだ。
真耶は
見ると、それはモルドレッドだ。モルドレッドは既に両腕両足を切断され、十字架に縛りつけられている。
「っ!?まずい……!」
「っ!?どうした!?真耶!……っ!?まさか……!」
真耶が突然走り出したのを見てアーサーも何かを察する。真耶は慌てて
そして、2人は処刑場の中に入り込んだ。すると、既に大きな斧が振りかかぶられている。真耶はそれを見て咄嗟に魔法を放つ。
「”
その魔法は地面を変形させながら真っ直ぐモルドレッドへと向かっていく。そして、ギリギリのところでモルドレッドを助けることに成功した。
「っ!?何者だ!?」
「間に合ったな。……あいつはいないのか……?」
「おい!邪魔をするな!こいつらは犯罪者だぞ!この2人に加担するなら貴様らも犯罪者として……」
真耶達は言い終える前に斧を持っていた男を気絶させた。そして、モルドレッドを縛っている紐を外し、十字架から下ろす。
そして、少しだけ魔力を使って回復魔法をかけた。しかし、直ぐに魔力を流すのを辞める。なぜなら、魔力を流すことで自分の体が崩れかけていたからだ。
「……悪いな。モルドレッドの傷を治すには城に戻るしかないな。少し眠っていてくれ」
そう言って
「真耶、直ぐに逃げるぞ。邪魔者がいないうちに帰ろう」
「あぁ、そうだな。帰る……っ!?」
真耶達が時空間の扉を開けようとした時、突如目の前に男が現れた。その男は2人いる。1人は木の杖を、もう1人は空飛ぶ槍を持っている。
そう、その男2人の正体はロキとオーディンだ。2人は真耶とアーサーが来たことを知り、狙っかのようタイミングで来たようだ。
「フフ、やはり来ましたね」
「ロキ、お前の言う通りだったな」
2人はそう言ってミストルティンとグングニルを構える。
「真耶、どうする?このままでは無事では済まなさそうだぞ」
「……アーサー、モルドレッドを連れて城に戻ってくれ。こいつらはここで片付けておく」
「……わかった」
アーサーは真耶の言葉を聞いて少し悩みながらも時空間の扉を開けた。そして、真耶からモルドレッドの体を受け取ると時空間の扉の中へはいる。そして、その扉を閉じた。
「やはりあなたは残りますか。私の予想通りです」
「じゃあ、これも通用するわけか。”
オーディンはいきなり攻撃をしてきた。その攻撃は一瞬で真耶を多い囲み、逃げ場を無くす。
「”
真耶は何とか自分の体の周りにアダマンタイトの壁を作り出した。その壁はさすがはアダマンタイトと言うべきだろうか。オーディンの攻撃を弾く。
しかし、最後の一撃でアダマンタイトの壁は破壊されてしまった。
「っ!?やっぱり素材を変えたか……」
「フフ、あなたは凄いですね。あなたからはすごく特殊な感じがします」
突如ロキがそんなことを言い始めた。真耶はその突拍子もない話に少し興味を抱く。
「なんだ?怖気付いたのか?」
「いえいえ、少し興味を持ちましてね。それに、あなたは少し負傷してるのでしょうか?まるで、空気の抜ける風船のようだ」
ロキはそう言ってニヤニヤと恐怖に満ちた笑顔を作る。
「……何が言いたい?」
「……さぁ?」
「下手な芝居はしなくても良いんだよ。もう分かってんだろ?俺を舐めるなよ」
真耶はそう言って左目を黄色く輝かせる。そして、殺気を更に強くした。すると、ロキはその笑みを1度やめて再び笑みを作ると、常人なら立つことも出来ないほどの殺気を放ちながら言ってきた。
「やはり君は凄いな。まさか、バレるとは」
「普通分かるだろ。今回の件はゼウスも関わっている。なら、アースガルズが関わらないわけないだろ」
「フフ、確かにそうですね。じゃあ、私達の目的も分かっているんでしょう」
「当たり前さ。俺の抹殺。そして、アヴァロンを含め全世界の支配だろ?」
「流石ですね。そこまで分かるとは思ってませんでしたよ。いや、あなたが”ケイオス”なら分かって当然ですかね」
「……そうだな」
真耶はロキの言葉を聞いて少しだけ微笑んでそう言った。そして、直ぐに剣を構える。
(……正直この2人と今戦って勝てるか分からない。それに、ロキは今の俺の状態を見抜いている。まだ俺がケイオスじゃなくて真耶だということはバレてない。だが、それでも勝機は少ない。だとしても……)
「殺さない訳にはいかないよな」
「そうですね。あなたには死んでいただきましょう」
2人がそう言った瞬間3人は目にも止まらぬ速さでうごきだした。
同時に動き出した3人はそれぞれ武器を構える。
「”
「”ミストルティン第1形態・レーヴァテイン”」
「”
3人はそれぞれ炎の攻撃を繰り出した。その3つの勢力は激しくぶつかり合い、周りの空気を熱くする。そして、その衝撃はとてつもなく強く、3人をそれぞれの方向へ弾き飛ばした。
「クッ……!」
「っ!?」
「チッ……!」
それぞれ受身をとって衝撃を無くす。しかし、それでも衝撃はかなり大きい。真耶は飛ばされてすぐに自分の体を見た。
やはり、右腕の部分が崩れ落ちてきている。魔力を使用しすぎたらしい。
これ以上無くなっては体が持たない。真耶はそう考え、魔道具のスイッチをONにした。すると、真耶の体が大量の魔力で溢れる。そして、真耶の欠損した部分は修復と再生を始めた。
「……」
「フフ、まぁ互角ですか。上出来ですね」
「そうだな。上出来だ」
ロキとオーディンはそんなことを言いながら近づいてくる。そして、その2人の上には既に攻撃態勢のグングニルがあった。
「”
真耶はオーディンのグングニルを見て少しだけ微笑んだ。そして、剣を強く握りしめる。
「ほぅ、この状況で笑いますか。あなたもなかなかに怖い人ですね」
「そうさ。俺は怖い人なんだ。”
真耶は目の前に小さな壁を作り出した。それは、技を1回だけ防げそうな小さな壁だ。
真耶はその壁に向かってさらに魔法をかける。そして、いつでも魔法が来ていいように構えた。
その刹那、オーディンのグングニルが真耶に向かって放たれた。
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