第5話 オークに遭遇
遠くにそれっぽい場所が見えてきた。マップで確認する。拡大表示してみた。
おお! 魔物の姿まで分かる! なんだこいつ、豚顔の二足歩行の体のでかい奴らだな。マップには、自動的に鑑定されたのだろう、オークって出ている。
*オーク 力は強く、賢い魔物。レベルは、150~300程度
オーク・リーダー、オーク・ジェネラル、オーク・キングなどの個体は200~400程度のレベル。冒険者や旅人を襲って、人間も食べる。持ち物を収集する癖があり、特に光るものが好きらしい。村ができていれば、ボスの部屋を探るべし! 魔物の素材としては主に革、そして肉。豚肉によく似た味で、脂分は多い。この世界では、オーク肉は庶民の身近な食用肉として人気が高い。
おお~、これぞ、弱肉強食の世界だ! 食うんだ!
マップ表示では、集団の奥に大きいのが3頭いて、手前の村の中に15頭の印がある。
いくら、レベルが僕の方が上とはいってもな・・・こちらは初心者、この世界二日目だし、遠隔攻撃と、おびき寄せての一斉攻撃か・・・
相手を弱らせるような便利な魔法は知らないしな。段取りを考えてみた。
とりあえず、大きな声を出してみた。
『おおお~~~オーク共、出て来やがれ!~~~』
・・・まあ、こんな日本語は通じないだろうけど・・・
何事? って顔で周りをきょろきょろしながら、4頭が出てきた。
みんな手には大きなこん棒を持っている。マップで確認したが後続は来ていない。
鞄から投石用小石を取り出して準備する。
大きな木の後ろに隠れて間合いを詰めて、10m位に近づいたところで、奴らの正面に出て、やや強めに、奴らの顔面を狙って投石!投石!投石!
投石3投目はこん棒で弾かれた! なので、4個目、5個目の投石を連続して投げた。こん棒持ちの肩を狙ったものと、眉間を狙ったもの。
終わった! 残りの2頭のオークたちもすべて奴らの眉間を打ちぬいてやった。
奴らに騒がれる前に終わらせることが出来たから、仲間には知られていないだろう。
ひとまず、4体を鞄に収納した。なんでこんな大きな奴が、鞄の口に吸い込まれていくんだろう? 不思議だが、助かる!
人間で言ったら、2m超の筋肉質な肥満体って奴らだ。
しかも、死体だ・・・でも、何も抵抗はなかったな・・・
試しに、1頭だけ別にして、魔法鞄の収納内解体機能を実行してみた。
数分もしないうちに完了したようで、オーク革素材とオーク食肉ブロック、その他のオーク素材に勝手に区分収納された。
*オーク4体を回収
*収納内解体
模倣率50%で、身体強化を4個模倣できたので、統合されて、模倣率200%の身体強化となった。
村の反対方向に回り込んで、また大声を出す。今度はこの世界の言葉で、
「お~い、オーク共、聞こえたら出てこいや!」
あれれ? 今度はドドドドドって走って駆け寄ってきた。6頭だ。
しかも、僕の姿を見つけた奴がいて、僕に矢を放ってきてる。6本の矢が僕に突き刺さる! 瞬間、手前で反射していって、弓持ちのオークを始末できた。
残りの5頭が、何だ!? 剣で来るのか・・剣を振り回しながら寄ってくる、しかも早い! アッという間に近づかれた。
いくらなんでも・・・ヤベェ~! ので、後ろに逃げ走りながら、王家の短剣を出して振り返って、奴らの正面から風刃!を5発飛ばした。
先頭、2頭目、3頭目の首が飛んだのを見て、なんと、4頭目と5頭目が、地べたを転がって斬撃を避けたよ!
向こうの態勢が悪い中、続けて風刃!で、剣を持つ腕を狙い、更に首を狙う。
終わりだ! ぜーぜ~。
*オーク6体を回収
オーク6体を回収して、少し村から逃げるように離れる。
追手の気配は無いことはマップで確認した。
あ~~、ぜ~ぜ~、さすがに息が上がっている。
これが命のやり取り!
しかし・・・奴の足は早かったな? なにかのスキルか?
僕自身を確認してみたら、
新しい模倣スキルとして、
*瞬歩
*気配察知
*剣術
*弓術
*必中
*身体強化
これに、既に模倣した、投石、こん棒、を加えて既に8個だ。
だが、すべてに赤い印が付いていてアクティブ状態。
あれ? どうなっているんだ?
僕自身のレベルを再確認してみたら、
*レベル 900 に上がっていた
瞬歩かぁ~ あの速さは。あとは、気配察知と身体強化は使える!な・・・
休憩しながら、新しい模倣スキルを確認する。
瞬歩は模倣率100%、あの中の2頭が持っていたんだな。
通常のほぼ10倍の速度で走れる。
剣術は、50%、気配察知は、250%、弓術は50%・・・
瞬歩と気配察知は良い拾い物っぽいな。
と・・・早速、気配察知に反応がある。
僕の匂いか?気配を探して5頭が村から出てきて近くにいる。
まあ、居場所がバレるのもスグだろうし、ここは先手必勝作戦?で!
瞬歩!で飛び出して奴らに接近してからの、風刃!で首ちょんぱ!4発。
残した1頭には、近距離投石で、眉間をぶち抜いてやった!~
これでオーク5頭追加
*オーク5体を回収
「あ~~~ぜ~ぜ~、結構しんどいかも・・・あれ? そうだよ、身体強化って常時発動させとけば良いじゃん? だよね~」
倒した5頭を回収して・・・奴らの使っていた剣も全部回収した。
重くて僕には振り回せそうもないけど、まだ、刃こぼれもしてなさそうだし・・・
鑑定!では、鉄剣や鋼鉄剣で、魔法効果は無いものだった。
息を整えて、身体強化を確認、投石準備良し、短剣良し・・・
さあ、親分たちとの対決だ。
気配を確認する限りでは、あの3頭はボスの小屋?からほとんど動いていない。既に、自分の手下たちの気配が消えていることくらい分かっているはずなんだが・・・オークの性格なのか?
でも、僕がその小屋に向かっていくのに反応したのは早かったな。
いきなり、風の矢が数本飛んできた。風刃の矢の形の斬撃のようだが、反射していって、オークリーダーの眉間に穴を開けている。
アイツが矢の斬撃を放ったのか~ と、見てみれば、矢の無い小型の弓を手にしている。鑑定!では、
*魔弓 風魔力の斬撃矢を放つ、
所有者のレベル・魔力量に応じて矢の本数に限度がある。
通常レベル100程度の使用者で、矢は100本程度打てる。
なかなか良いものだな、後で回収させてもらおう。
と、その前に、やられたリーダーを横目で見ていたジェネラルが、大剣を振り回して接近してきた。大ぶりな振り下ろしだったので、瞬歩で下がって攻撃を避けることができたよ。剣術はたいしたことはないけど、あの剣は良いものだな。どうせ、人間からぶんどった物なんだろうけど・・・
王家の短剣を出して、風刃の斬撃を飛ばす。剣を持つ腕狙い、首狙い、そして、足元狙いの3発。
首狙いだけはかわされたがあとの2発は的中、片腕が落ちて、足首を切られてもう立って居られないだろ? 仕上げに、風刃!で首ちょんぱ!
大きな図体が前のめりに俯せて沈んだ。
残ったキングの目つきが変わった? 何か大きな威圧を感じるが、奴自身にもその重圧がのしかかっていったようだよ、何だ? スキルだったのか? 反射されていったらしい。 魔法鞄に感謝!
キングが、自分の仕掛けた威圧で、立ってられなくなって跪いたところで、魔力多めの風刃!で、首狩りだ!~
終わった! 気配察知とマッピングで、オークを探すが・・・終わりだ!
「ふう~・・・なかなかしんどいものだな・・・でも、まだ出来そうな気がする」
*オーク18頭(キング、ジェネラル、リーダー含む)
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