第2話 

2人は萌絵の仕事が終わるのを待って、少し話すことにした。


「渉くん元気にしてる?」

「元気だよ。萌絵ちゃんは?」

「うわ、萌絵ちゃん呼び懐かしっ」

「笑笑」


そして話はいつしか恋愛話に。


「俺たち、もう29歳だよ。最近さ~、周りの友達がカップル成立やら、結婚報告やらで俺、ちょっと焦ってるんだよね」

「え!私も!最近結構真面目に彼氏ほしいな~って思ってる」


「久しぶりに再会したのも何かの縁だし、俺たち付き合っちゃう?笑」

「冗談やめてよ~」

「冗談じゃないよ」


え…、、、だって私たち、、、


「だって私たち、別に渉くんのことが嫌いっていうわけでもないけど、好き同士でもないじゃん!」


萌絵が正論を言っていると、渉が訳の分からないことを話し始めた。


「そう!だからそこを逆手に取るの!」

「どういうこと?」

「友達も幼馴染みの俺と萌絵ちゃんが付き合ったって言ったらびっくりすると思うんだ。でも俺らは、お互い好き同士じゃないからこういうのはどうだろう。お互いが満足いく時給を払って付き合うのよ」

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