第2コイン クレーンゲーム

「クレーンゲーム。それは夢がつまった楽しいゲーム」

「はあ」

彼女が熱弁する



「反応悪いなぁ」

そう、次に連れてこられた場所はクレーンゲームである

「そんな曖昧な説明ではどんなゲームかわかりませんよ」

「でも本当に夢が詰まってるわ!だってほら見て。お菓子やおもちゃ、それにぬいぐるみまであるのよ。クレーンをつかってつかみ取るゲームよ」



彼女に言われクレーンゲームを見てみる

確かにたくさん種類がある

「本当にたくさんありますね」

「でしょでしょ」

「さっそくやり方を教えるついでに何かとっちゃいましょ」





僕はふと一つのぬいぐるみが目に入った

「そのぬいぐるみが欲しいの?」

「・・・・いえ、なんでもないです」

「なんで?欲しいなら取るよ?」

「だって…男がこういうのが好きとか気持ち悪いでしょ」

「そんなことないよ。自分が好きだったら周りになんと言われようと気にしなくていいんだよ。私の周りにもかわいい物が好きな男の子いるしね」

「っ!・・・・・・あのぬいぐるみが欲しいです」

「お姉さんに任せなさい!すぐに取ってあげるよ」

彼女が自信満々にいう

「どうやってとるんですか?」

「これは三本爪といって三つのアームを使ってぬいぐるみをつかんで穴に落とすゲームよ」

お~すごく頼もしいな







「あと少しなのに!!」

前言撤回

頼もしくはなかった

「もういいですよ。今度他の買いますから」

「待ちなさい、こうなったら仕方ないわね。とれるまでやるわよ」

「ちょっ、お金なくなりますよ」

「ふっ、大人の財力をなめるんじゃないわ」

ドヤ顔だ



「いや、お姉さん大学生でしょ」

「でもバイトしてるから大丈夫よ」

どこからその自信が来るのだろう



「あ~もう惜しい!あと少しなのに」

またいいところで落ちる

そんなに難しいのかな


「いけない。私ばっかりやってた。君もやってみなよ」

彼女がお金を投入する

「自分で出しますよ」

「いいからいいから。ね?」

グイグイ押してくる


僕はボタンを押しクレーンを動かす

思ったより早いな

ボタンを離すとちょうどクレーンはぬいぐるみの上にきた

「いい感じね」


そしてアームはぬいぐるみをつかむ

「おっ!あとはもっていくだけね」

「はい!」

僕とお姉さんはクレーンがぬいぐるみを運ぶ様子を見守る


ポトっ

ぬいぐるみは僕たちの願いと裏腹に途中でアームから離れてしまった

「あ~惜しい」

彼女は残念そうに言う

「もう一回やってもいいですか」

僕は悔しくてすぐにお金を投入する

「いいよ、お姉さんがお金は出すからね」

「ありがとうございます」






「やっと取れた~」

「おめでとう!」

彼女に褒められうれしくなる

「お姉さんのおかげです。何度もアドバイスをいただいて」

「ううん、君が頑張ったからだよ。ぬいぐるみ取れてよかっとわね」

微笑みながら言う

「はい!それと取るのにかかった費用は今度お返しします」

そう、僕はクレーンゲームにハマりあれからぬいぐるみを取るために六千円もかかってしまった

まさかそんなにかかるとは

「私も楽しかったし気にしなくていいよ」

「でも、、」


「なら代わりにお姉さんと他のゲームもしましょう。それでチャラよ」

そんなことでいいのだろうか

「それでいいんですか」

「最近一緒に来てくれる人がいなくて退屈してたのよ。だから一緒に遊んでくれると嬉しいわ」

いたずらっぽい笑みを浮かべて彼女は言う



「分かりましたよ」

「フフ、ありがとね。次はこっちよ」

彼女が歩き出したので僕もついていく


次はどんなゲームだろう

僕は少し楽しみだった

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