ゲームセンターのお姉さん
青甘(あおあま)
第1コイン メダルゲーム
「キターーー!そのまま走り抜けろ!エンカイカチョウ!」
彼女はボタンを連打しながら叫ぶ
「やめろ!ぬかすなよママサンナイス」
ママサンナイスは無慈悲にもラストスパートをかけ一位に躍り出た
「あーーー!また負けた」
どうやらまたダメだった
「これ当たることあるの?」
「もちろんよ」
本当だろうか
さて、今の会話から僕たちがどこにいるのかわかっただろうか。もちろん競馬場ではない、
ここはゲームセンターだ。それも平日の午前中
なぜこんなことになっているかというと話は朝まで遡る
【朝】
「行ってきます」
僕は誰もいない家に向かって言う
一人家を出て学校に行くわけでなくショッピングモールへと向かう
今日は勉強するための筆記用具を買いに行く
「ついに買えた!」
念願のノートやシャーペンなどを手に入れ上機嫌の中帰路につく
「あと少しで揃えれる!」
それは僕にとって今後関わりを持たないであろうゲームセンタの前を通った時のことだ
ゲームセンターの中から女性の不機嫌な声が聞こえてくる
なにをしているんだろう
なんとなく中を覗いてみるとそこには大学生らしき女の人が一人でいた
何をやっているんだろう
「何か用?」
視線に気づいた彼女は僕に話しかける
「い、いえ先ほどから何やってるかな〜と」
「何ってメダルゲームよ」
「メダルゲーム?」
なんだろう
「メダルゲームを知らないの!?」
「はい、というかゲームセンター自体行ったことなかったので」
「なんてこと・・・・いまだにそんな人がいるなんて・・・・」
彼女は驚きながら言う
それほどおかしなことなのか?
「よし!ならこのお姉さんが君にゲームセンターの楽しみ遊び方を教えてあげよう」
「いやいいですよ。今から帰って勉強する予定なので。」
「何言ってるのよ。ほらちょうど私やってるしメダルゲームからにしましょう」
話を聞かない人のようだ
「こっちだよ」
「ちよ、ちょっと」
彼女は僕の手を取り強引に連れて行く
「最初に紹介するのはこれ!」
「競馬?」
連れてこられたところには馬が走っており、倍率?というものが書かれている
「競馬知ってるの?」
「まあ少しなら」
「それなら話は早いわ。これはね、競馬みたいなもので一着の馬を予想して当てるか一着と二着の馬を予想して当てるゲームなのよ」
「なるほど」
「ものは試し。まずはどんな感じかお手本を見せるわね」
「なんで抜かれるのよ!!」
そして今に至る
彼女はお手本と言ってから3回プレイしたが見事に外していく
そして見事に機嫌も悪くなっていく
まるで大きな子供みたいだ
僕はおかしくなって笑っていた
「ムッ!そんなに笑うなら今度は君に賭けてみてもらおうかな」
彼女にメダルがたくさん入ったバケツを渡される
どうやら馬鹿にしていると思ったようだ
「わかりました」
ちょうどウナレサンダーという名前が目に入ったのでその馬に賭けた
「なんだなんだ〜。もしかしてその馬の名前に惹かれたのか〜〜。まあそういう年頃だもんね」
ニヤニヤしながら言う
「勘で選んだだけです!」
「そうなの〜?でもそんな選び方だとなかなか当たらないわよ〜?」
ちょうどその時だった三番手だったウナレサンダーはどんどん前の馬を抜いていき見事に一着となる
「やったー!」
「そんな、嘘でしょ・・・」
僕は喜んだが、彼女は少し納得がいってないようだ
「ま、まあビギナーズラックっていう言葉もあるしね」
それから3回ほど賭けたが、見事に全て的中した
彼女は全て外したが・・・
それからもいろんなメダルゲームを教えてもらった
でもあの競馬ゲーム以外は全然勝負しても勝てない。おとなげない
「まあこれがお姉さんの実力だよ」
胸を張りながら彼女はいう
「・・・馬は一回も当てられなかったくせに・・・」
「うぐ、あれは調子が悪かっただけよ。ほ、ほらせっかくなら次はメダルゲームとは別に他のゲームもやってみよ。」
話を逸らした
彼女はまた違う場所へと向かっていく。僕はその後ろをゆっくりとついていくのだった
***
初めまして青甘(あおあま)です、
読んでくださりありがとうございます
この話は3話完結予定です
次回の更新は明日の予定です
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