異世界を舞台としたSFファンタジー。
シュバル共和国の女子校に通い初めた主人公、シルヴェーヌ。
なぜか記憶がなく、モヤモヤしたまま少しずつ知識を得ながら、友達を作って日々の生活を送っていきますが彼女にはある秘密が。
シルヴェーヌの失われた記憶は、かつてこの世界で起きた大きな戦いと深く関わっていたのです。
戦争だの兵器だの、きな臭い雰囲気の漂う本作。
学校の友達と仲良くするシルヴェーヌの穏やかな様子を見てると、そんな殺伐としたことに関わってほしくないって思いますけど、やっぱりと言うかなんと言うか。
物語が進むにつれて、否応なしに過酷な運命にのまれいくのです。
しかしそれでも読んでて面白いって思えるのは、キャラクターの魅力でしょう。
このお話ではシルヴェーヌのことを大切に思う人、シルヴェーヌが大切に思う人がたくさん出てきます。
SFバトルものであると同時に、愛情に溢れたヒューマンドラマが作品の魅力で、読んでるうちにシルヴェーヌがどんどん可愛く思えてきます。
SFが好きな人、ファンタジーが好きな人に、オススメのお話です。
お嬢様としてなに不自由なく扱われ、級友たちとも仲よくすごすシルヴェーヌ。
しかし彼女、育ててもらっている相手とは実の親子ではなく、かつての記憶をなくしています。
例え記憶になくしていても、今が満たされていればそれでいい。そうできたらよかったのですが、運命は彼女の過去を無関係のものにはしてくれませんでした。
はるか昔から続く因縁に、シルヴェーヌがどう向き合っていくか。
本作はそんな彼女の物語であるのと同時に、重厚な世界観を楽しめる作品でもあります。
軍や戦争。巨大な力を持つ決戦兵器。そして、人の生死。
ファンタジー作品で登場するお嬢様主人公の物語といった感じでスタートしながらお出しさせる、時にハードなSF設定。
なかなか珍しい組み合わせだとは思いますが、このギャップこそが魅力なのです。
一介の少女が進んでいくには、あまりにも過酷運命。それをどう乗り越えていくのか、その先に何が待っているのか。
過酷なだけでなく、その中に確かにある、大切な人との絆や育まれる幸せも、大きな見どころとなっています。