第10話(2)
◆ ◆ ◆
織田は走り出し、影の攻撃を避けながら撃ち続けた。
神原は影で銃弾を防ぎ、銃撃が止むと防御を解いて影を伸ばした。しかし、そこにあったのは太宰の姿だった。
影を消されまいと異能を解いた。直後、脚に銃弾が命中した。
苦痛で顔を歪ませながら、銃弾の飛んできた方向を見た。そこには織田の姿があった。
──いつの間に?
織田へ無数の影を伸ばした。
しかし、その攻撃をすでに
二発が神原に当たった。
神原が膝をついた。
「随分と辛そうだけど、大丈夫かい?」
「黙れ。敵である貴様たちの同情などいらん」膝をついたまま、痛みを堪えた。「なぜ、防御が間に合わない・・・・・・」
「あなたの異能力の弱点をついたのさ」
「弱点、だと・・・・・・」
「あなたの異能力は攻撃・防御の両方に優れている。しかし、それこそが弱点でもある」
「ふざけるな。私の異能力に弱点などない」影の刃を伸ばした。
「どんなものにも、必ず弱点はあるものだよ」影に触れて無効化した。「あなたの弱点は二つだ」指を立てた。
「まず一つ目は影による防御。あなたの防御は周囲を影で覆うことで、周りからの攻撃を防ぐ。しかし周囲を影で囲うことで、影の向こう側を把握できなくなる。現に、私と織田作が入れ替わったことに気づいていなかった。そして二つ目は、異能の発動に関係している。確かにあなたの異能は攻撃と防御に優れている。だけど、あなたはそれらを
神原は黙ったままだ。
しばらくして、ふらふらと立ち上がった。
「弱点を教えるとは随分と余裕だな。だが私は、貴様らからまだ致命傷は受けていないぞ。油断するのもいい加減に・・・・・・」
突如、神原が吐血した。
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