第4話(2)

       ◆  ◆  ◆


 その直後、建物の間からナイフを持った人物が飛び出してきた。

 咄嗟に銃を抜き、ナイフを受け止めた。

 反応が遅れた・・・・・・──

 咄嗟のことに、体勢をくずしながら銃でナイフを受け止めるのが精一杯だった。

 襲ってきたのは、黒い外套に身を包み、フードを目深に被った男だった。

 体勢を整えつつナイフを払うと、男の足元へ向けて一発撃った。

 男は後方へ跳んでそれを避けると、ナイフで牽制しながら距離をとった。

 しばしの沈黙を挟み、男が接近して来た。

 ナイフを握った拳が突き出される。

 再び銃で受け止めた。

 銃とナイフが噛み合い、火花が散る。

 織田は男を蹴り距離を取るともう一方の銃を抜き、一発撃った。

 男は後ろへ跳んでよけるとそのまま走り去っていった。


「太宰殿、お怪我は?」戦闘を終えた織田が太宰の元へ戻った。

「見ての通り無事だよ。しかし、君は戦闘力も高いようだね」見直したよ、と言わんばかりの表情を浮かべた。

「いえ。そんなことは・・・・・・。今のは奴らの仲間でしょうか?」

「おそらくね。何にしても、今の我々には情報が少なすぎる。先程捕らえた襲撃者に情報を吐き出させるのが先だ。今日すぐにとは行かないだろうから、また明日にでも報告がてら聞いてみよう。とりあえず、今日の捜索は終わりにしよう」

 太宰達は現場を後にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る