第30話

色々な事案が解決した話し合いの翌日・・・

月曜日になり俺たちは普段通りといって良いのかはわからないが、学校へと通う。

午前中は普段通り座学実習を行うことになっている。


そして午後のダンジョンアタックについてだが・・・

こちらに関しては新一達1年生グループは天国門の陽エリアに行って少しでもステータス強化を行っておく形になった。

本来であれば陰エリアの方がリターンも多いのだが、その分リスクも高い。

そのためレベリングするにしても、俺たちは死に戻りを前提としない行動の為安全マージンを多めにとっての行動となる。


学園側の方でもダンジョンアタックに関するノルマは定めているが、普通にやっている分にはそこまで厳しいものではない。

1年1学期中間テスト代わりに1階層をクリアし、2階層に到達していればノルマはクリアとなる。

一応座学に関してもテストはあるのだが、赤点を取ったところで補習と言うほどの物は無く、課題を出されるのでそちらを提出すればいいことになっている。

もちろん規定点数を超えていれば補習扱いの課題も無い。


実習に関しては補習がかなり厳しく、普段アタックしているノーマルエリアとは違い、突然発生した異空間ダンジョンの攻略を強制させられるというものがある。

突然発生したダンジョンはノーマルエリアとは違いとても不安定らしく、どのような変化が起きるか分からない。

自然と消滅するような変化が無い上に、ノーマルエリアに突然発生したダンジョンで突然変異したモンスターが溢れ出てしまう危険もあるため、

学園としてそのエリアを放置するつもりはない。


当然殴り込みに近い調査・攻略が行われるため、そのことからレイドダンジョンやレイドエリアなどと呼ばれる。

またそれに関して学園から発行されるクエストはレイドクエストと呼ばれる。

レイドダンジョンの特徴としてはノーマルエリアに比べるとモンスターは強い上に、得られる経験値も少ない。

反面ノーマルエリアに比べるとモンスタードロップの確率が上がる。

場合によってはモンスターの死骸が消えることなく、全てがドロップ扱いとして残ることもあるくらいだ。


何にせよ、学園としては放置できないエリアの為、実技補習という名目で赤点を取った生徒を駆り出すという形になる。

尚、一般的には中間・期末・中間・期末・学年末という風になるのに対して、この学園では普通に3学期も中間・学年末という形になっている。

従って1年生終了時には6階層をクリアしていればいいので、俺は現在の最高到達階層である5階層と6階層をクリアし、7階層に到達すればとりあえず今年の最低ノルマはクリアするという形になるわけだ。


とはいえ、現在の段階でも、ようやく新学年が始まってから2週目が始まったばかりだ。

新一達のペースでも十分に速いと言える。


今日はそういう点も含めて俺は個人的な事情を優先させてもらうことにした。

それは莉緒ねぇとの調査である。

先日ダンジョンアタックを行い、結城達を救助したあの日、結城達の他にもう1つ気になっていることがあった。

それは天国門陰エリアの端の方に奇妙な違和感を感じ取っていたからだ。

もっと言えばとても禍々しい気配を感じ取っていたので、調査が必要だと考えていた。


そのため1年生グループとは別行動とし、また2年生グループとのレベリングももう少し後の日程となった。

そして俺は莉緒ねぇに協力を要請し、その禍々しい気配の調査を行う日取りを付けたわけだ。


ダンジョンアタックに行く前に人気が少ない場所へといき、念のため人避けと防音の結界を発動して莉緒ねぇに武器を渡す。

今回渡す武器は言うまでもなく陰陽師としての妖刀だ。

莉緒ねぇも1年間この学園でやってきただけはあって、そこそこの強化はできている。

しかり陰陽師としての性質に合わせた武器ほど相性がいいわけでは無いため本調子とは言えない。


加えて、権力独占らしく、本家は陰陽収納の術式を持っているし、妖刀も多数所有している。

一方で莉緒ねぇは今回の任務開始直前に陰陽収納の習得はさせてもらってはいたが、肝心の妖刀は支給されていない。

分家の方は妖刀の支給は原則として分家当主とその側近だけだ。


そのため莉緒ねぇには俺の方で、莉緒ねぇでも扱える範囲の妖刀を渡す形をとる。

そうしてダンジョンアタックの準備を終えた俺たちは天国門ダンジョンの陰エリアへと入っていく。

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