設定資料集


箸休めの第二(三?)弾です。

設定資料を文字起こししてみました。

蛇足ですので読み飛ばしてもらっても問題ありません。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


・【アモス】


 本作の主人公達への敵対勢力。

 

 A group of machines built to uniform standards that are hostile to human races(人類に敵対的な統一規格で造られた機械群)


 人類が宇宙に進出してから五十年後に出会った機械達。


 ほぼ同じ規格の部品が使用されており、人類以外の生命体によって製造されたと見なされているが、現在までにその生命体とは人類は出会っていない。


 様々な恒星系で存在が確認されており、人類を認識すると人類を殲滅するか自身が殲滅されるまで攻撃を止めることは無い。


 移動手段は人類が所持している空間跳躍ワープ技術は持っておらず、限りなく光速に近い速度で宇宙空間を移動している。


 アモスの集団は『群れ』と呼ばれる数十機から数万機以上の集団を形成しており、その群れの中で最上位の存在からピラミッド型の強固なトップダウン形式の指揮系統が構築されている。


 ちなみにその最上位存在が撃破された場合、規模によって異なるが群れの活動が数分から半日停止する事が分かっている。


〇主なアモスの種類〇


・小型種

 

 突撃型……宇宙のアモスの群れの中で一番多くの数を占める全長十五mの三角錐の機体。攻撃方法は突撃と自爆。

 

 制圧型……地上やコロニー、艦艇内に侵入しいてくる際に姿を現す五~十mの多脚型の機体。

 

 自爆型……十m程度の球体の機体。それほど移動速度は早くないが当たると機動騎士ガーディアンなら消し飛ばす程の爆発をする。


 

・中型種

 

 駆逐艦型……三百m程の縦に長い長方形をした機体。この型から多彩な遠距離攻撃手段を持つようになる。数十機の小さな群れの最上位存在になる場合が多い。

 

 巡洋艦型……八百m程の円錐を縦に切った半円錐のような機体。駆逐艦型よりも更に多彩な遠距離攻撃の武装を持っている。五百機程度の群れの最上位存在になる場合が多い。


 

・大型種

 

 戦艦型……二km程度の紡錘形の機体。巡洋艦よりも更に強力な武装を多数所持している。五千機程度の群れの最上位存在になる場合が多い。

 

 母艦型……五km程度の四角柱型の機体。機体内に多数の中型種以下のアモスを内蔵している。この母艦型のみ最上位存在になった例が存在していない。


 

・超大型種

 

 要塞型……十五km以上の大きさの機体。要塞砲と呼ばれる大出力レーザー砲を装備しており、人類側の戦艦なら十隻程度を一度に破壊できる威力を擁している。

 約三万程度のアモスの群れの最上位存在になる事が多い。




【帝国軍】

 


機動騎士ガーディアン


 アルグレン帝国軍で採用されている人型機動兵器。

 

 元々は宇宙での船外活動を目的に開発された作業機械。

 

 背部のバックパックに高機動スラスターを装備し、三次元高速機動を実現させた。

 

 腕部に様々な武器を持たせる事が出来て作戦によって装備する武器を変更する事で、様々な局面で柔軟に運用をする事に成功。


 現在では軍の主要兵器の一つに数えられている。


 体高は約十八m。

 

 操縦席は胸部装甲板の内部に設置されており、動力源は核融合炉を騎体の腹部に設置している。


 操縦席には一枚のモニターと十数個の物理スイッチがある以外はガランとしており、外の映像はパイロットヘルメットと操縦席にある網膜投射装置でパイロットの網膜に直接映す。



 

機動騎士ガーディアン開発企業】


 

・IKU社  (Imperial Knight Unit社)


 帝国建国時から軍事兵器を開発してきた老舗の軍事コングロマリット(複合企業)“Seraphセラフ”の機動騎士ガーディアン開発を担う巨大企業。

 

 帝国建国前の地球圏連合時代からの基礎技術を多数保有しており、それを基に奇をてらわない機動騎士ガーディアン開発を得意とする。


 IKU-21までは軍の制式採用騎を務めていたが、XIKU-25がYFE-26とのコンペで敗北して以降、軍の制式採用騎には選ばれていない。


 長年のノウハウで培ってきた整備性の高さは未だに現場から圧倒的な支持を集め、四世代前のIKU-21が今でも前線で活躍しているのはこの為である。


 近年、天才エンジニアであるティモ・ノイマンが中心となってノイマンワークスを立ち上げ、同じグループ企業でジェネレーター開発の大手“ゼネラルダイナミクスフォース社”と提携し、今までの機動騎士ガーディアンの概念を覆す新型騎を開発中との噂がある。


 

 

 ・FE社 (Factory of Empire社)


 帝国軍内部の開発部門、“帝国工廠”の先端技術部門の技術者達が設立した企業。


 新技術を積極的に導入する社風を持っており、高い性能を持つ機動騎士ガーディアンを開発してきた。


 以前は帝国軍に太いパイプを持つIKU社が贔屓ひいきされており、開発された騎体は優秀ながら一部の特殊部隊向けに採用されるに留まるなど辛酸を舐めることが多かった。


 が、当時の皇帝が交代すると状況が一変。


 IKU社と帝国軍高官の癒着ゆちゃくが摘発されてからは、コンペでも正当な性能比較や評価が行われるようになり、FE-27で初めて軍の制式採用騎に選ばれる。


 大出力スラスターに軽量な騎体重量、さらにFE社の得意としている先進技術の塊である高度なアビオニクスを搭載した射撃特化の高機動騎体の開発は、現代の射撃戦優先のドクトリンを帝国軍が生み出すキッカケとなった。


 その分野ではIKU社の数歩先を進む隔絶とした技術差が存在してる。


 FE-27、FE-31、FE-35と三代続けて軍の制式採用騎として選出されている。

 

 

 


  

機動騎士ガーディアン一覧】

 

 ・IKU-21


 約三十年前に開発された機動騎士ガーディアン

 

 IKU社が長年培ってきた基礎技術を反映させた質実剛健な騎体。

 

 現在主流の軽量・細身の機動騎士ガーディアンとは反対の太いマッシブな機体構成になっている。


 開発されて三十年間、数度のアップデートが繰り返されており、初期量産機のブロック一と最新のブロック二十六では騎体性能は約一.六倍の差がある。


 約百万騎以上が生産されており予備部品も多く流通されているため、現在でも主力として使用している部隊が多い。


 厚い装甲に素直な操縦性で訓練生や新人隊員が最初に乗ることが多く、整備性も高いため特に前線のパイロットや整備士から絶大な人気を博す。


 本作ではフェアリー大隊のほぼ全てのパイロットが本騎を使用している。


 


 ・XIKU-25C


 二十年前に行われた次期正式採用騎のコンペに提出されたIKU社の試作騎XIKU-25のカスタム騎。

 

 元になったXIKU-25は装甲に開発されたばかりの新型複合素材を用いており、ベースとなったIKU-21と同等の防御性能を保ったまま、重量は十%低減している。


 本騎の最大の特徴は新開発された一対二基の腰部スラスター。

 

 最高速度の向上はもちろんだが細かい機体制御を高い次元で実現出来る為、開発に参加した一部のエースや特務部隊からは絶賛されていた。


 しかし軍全体で考えた場合、多くの割合を占める平均的なパイロットが性能を十全に発揮できるものでは無く、当時は過剰性能と見なされてIKU社が発足されて初めて制式採用機の座から落ちてしまう。


 アルマが受領した騎体は六騎製作された試作騎の六号騎。


 三年前にある人物の手回しで本来は永遠に封印されるはずだった本騎がアルマの元へと送られた。

 

 帝都のIKU本社工場にレストアされていた本騎を当時十七歳の天才エンジニアであるティモ・ノイマンが再設計し、アルマの操縦特性に合わせたカスタマイズを受けている。



 

 ・FE-31 


 FE社製の帝国軍主力機動騎士ガーディアンとして十年前に採用された騎体。


 前回制式採用されたFE-27のアップグレード版として開発されており、後にFE-27も三十%の部品交換で同等の能力が付与できるアップグレードキットが開発された。

 

 FE社が開発した新型アビオニクスを搭載しており、射撃精度がさらに向上。


 IKU社の騎体と比較して格闘戦を重視していないので、全体的に細身のシルエットをしており、曲線を多用した優雅な形状が特に貴族出身のパイロット達から好評を集めている。


 IKU社の開発した試作機XIKU-28が重大な欠陥を持っていた事も踏まえて軍に正式採用される。


 XIKU-25に搭載された腰部スラスターシステムに強い関心を持った当時の技術者が、同機構を搭載したFE-31VOB-1を特殊部隊や一部エースパイロット向けに少数製造している。


 本作ではリリー・マルレーン少尉の搭乗騎である。


 


 ・FE-31RG


 FE-31を近衛機動騎士ガーディアン隊仕様に改修した騎体。


 伝統的に近接格闘戦を重視する近衛隊の為に関節強度を三十%強化し、基本装備の短刀はもちろんだが、さらに重たい長刀や長柄武器の装備が可能となっている。


 また、戦闘には直接関係は無いが装甲に銀色の装飾が施されている。


 近衛隊は平時の訓練から特別仕様の騎体を使い、銀色の装飾に少しでも傷をつけた者は半人前と見なされる伝統がある。


 本編プロローグに登場の近衛機動騎士ガーディアン連隊が使用。


 

 

 ・FE-35


 本編開始の一年前に制式採用された最新型の機動騎士ガーディアン


 曲面が多用された前作までとはガラッと様相を変えて、直線や鋭角を多用したシルエットになる。


 これはステルス性能を重視した結果と言われており、従来の機動騎士ガーディアンと比べて、レーダー投影面積は二十分の一に抑えられている。

 

 軍のドクトリンが射撃戦を主体としたものに移行して、敵に気づかれる前にいかにこちらの初撃を相手に与えられるか、という事を研究した結果、ある時期から見向きもされなくなったパッシブステルスの技術を付与した騎体構造になった。


 現代では高度に発達したアクティブステルス技術の前に意味が無いと思われていたが、提出された試作騎YFE-34はいい意味で下馬評を覆して制式採用騎として軍に採用された。


 生産は今年から始まっているがFE社の生産能力の低さから一部IKU社の生産ラインを借りてOEM生産されている。

 

 それでも十分な数は提供出来ておらず、配備は近衛部隊の指揮官騎や一部エース部隊などの極一部に限られている。


 名称のみ登場。



 

 【艦艇一覧】


 ・巡洋艦


 全長八〇〇メートル以上の中型艦艇。


 大きく分けて速度と航続距離を重視した軽巡洋艦と攻撃能力を重視した重巡洋艦に分かれる。


 本作に登場しているオーベイは軽巡洋艦に分類されている。


 小規模艦隊の旗艦として運用される事を前提として通信能力の強化がされ、艦長席の他に司令官の席や部屋が用意されている場合がある。


 アルグレン帝国領外縁部のパトロール艦隊には有事の際の切り札として、旗艦の巡洋艦一隻につき一発の反応弾が装備されている。



 巡洋艦オーベイ主要装備

 ・反応弾×一発

 ・重粒子砲×一門

 ・砲塔型連装陽電子砲×二基

 ・五十口径電磁加速砲(レールガン)×二基

 ・高出力両用レーザーターレット×二基

 ・後部三連ミサイル発射管×二基

 ・底部四連ミサイル発射管×一基

 ・回転型対空レーザー機銃×六基


 

 重巡洋艦は陽電子砲と両用レーザーターレット、対空レーザー機銃が増設されて、装甲もより厚いものになっている。




 ・駆逐艦


 全長三〇〇メートル以上の小型艦艇。


 攻撃型駆逐艦、護衛型駆逐艦、対空型駆逐艦、母艦型駆逐艦など様々な種類の運用を想定された装備が充実した艦種になる。


 本編登場の駆逐艦ヨークは母艦型駆逐艦に分類され、両舷の対空レーザー機銃とミサイル発射管が撤去されている。


 その代わりに機動騎士ガーディアン収納の為の格納庫施設が増設されている。


 駆逐艦ヨーク主要装備

 ・砲塔型連装陽電子砲×一基

 ・四十口径電磁加速砲(レールガン)×二基

 ・回転型対空レーザー機銃×四基

 ・後部連装ミサイル発射管×一基


 ・格納可能機動騎士ガーディアン×十四騎




機動翔機ファルケン


 全長三十メートルの平たい二等辺三角形をした戦闘兵器。


 まだ人類が地球にいた頃からあった戦闘機が正統発展していったもの。


 後部にある複数の大出力ブースターで機動騎士ガーディアンでは出せない圧倒的速度性能で戦場を駆け抜ける。

 反面、機動騎士ガーディアンほど小回りは効かないので一箇所で継戦能力は低い。


 その為、運用方法としては一撃離脱戦法が取られる場合が多い。


 機動騎士ガーディアンと同様に武装の付け替えで様々な戦闘に対処出来るマルチロール機で対空、対地、対艦戦闘が可能。


 複数の競合メーカーが存在しており、現在の主力機はFK-115。


主要装備


 《切り替え可能兵装》

 ・低出力レーザーガトリング砲

 ・高出力レーザー砲

 どちらもジェネレーター直結式の武装で戦闘中に切り替え可能。


 《選択式》

 ・対空ミサイル×二十八本

 ・誘導爆弾×十四発

 ・対艦ミサイル×八本

 その他武装多数

 


 余談だが、約二百年前の皇帝が古い娯楽映像を見た後に「機動翔機ファルケン機動騎士ガーディアン足したら強いんじゃね?」と言い出した為、IKU社との機動翔機ファルケンメーカー数社が集まり、


『可変機動騎士ガーディアン

 

 という代物を作った事があった。


 しかし速度性能、攻撃性能、防御性能、整備性がどちらか一方に劣る微妙な出来となり、その後は同様の兵器が造られる事は無くなってしまう。


 その時、競合する各メーカーから集まった技術者達は本社の意向を無視して各メーカーの秘匿技術を出し合って、可変機動騎士ガーディアンの実現に全力を尽くす珍事が発生した。


 各メーカーの首脳陣は激怒したが、皮肉な事にこれがきっかけで各メーカーの技術水準が全体的に向上する事になった。




 【連邦軍】


機械兵士マシーナクークラ


 帝国軍の機動騎士ガーディアンに相当する、同規模の人型機動兵器。

 生産性と整備性を優先した結果、機体構成はシンプルになっており重量は軽い。

 加速性能と運動性能は高いが防御性能は機動騎士ガーディアンに比べて貧弱になっている。


 コックピット内は機動騎士ガーディアンの網膜投射装置と違い、従来通りの三面に大型モニターが設置されて外部カメラで捉えた映像が映る形式を採っている。


 対機動騎士ガーディアン戦では一対一になると基本性能で分が悪い為、基本的には集団戦法が推奨されている。

 

 現在の主力はL-221。


 大量の機体が製造されており、侵攻の際は最低でも連隊(三二四機)規模以上の機体が運用され、平時でも情報収集と搭乗員訓練の為に小隊(十二機)や中隊(三十六機)規模で帝国領に侵入する事がよくある。

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