“俺達、流れに任せて付き合っていこう”と言った彼に私は絶望した!

神石水亞宮類

第1話 “俺達、流れに任せて付き合っていこう”と言った彼に私は絶望した!




“俺達、流れに任せて付き合っていこう”と言った彼に私は絶望した!

彼は仕事もせず、毎日家でゴロゴロしているひと。

私が仕事に行っている間は、家の掃除や洗濯をしてくれるのだが、

夜は何処かへ行っていて、私が仕事から家に帰って来ても居ない!

彼は唯一、“料理が出来ないため、私が作る。”

でも? いつ帰って来るか分からない彼の為に食事を用意しておく

事は出来なかった。



『“ねえ、何時になったら? 仕事に就くの?”』

『さーね、いつになるか分かんないよ。』

『ちょっと聞いていい? “私との将来とか考えてたりする?”』

『・・・うーん? “俺達、流れに任せて付き合っていこう” それが

一番楽だと思うんだ。』

『でもさ? 私ももう直ぐ25歳になるし、少しづつ周りの友達も結婚

とかしててさ、』

『“まあまあ、人は人だよ! 俺達は俺たちでしょ!”』

『うーん? そうかな。』

『そうだよ、そんなに生き急いでなんでもしなくてもいいんじゃない?』

『まあ、そうだね!』

『絶対、そうだって!』




・・・私は1ヶ月後、妊娠している事が分かると彼にその事を話した。

すると? 思っても見なかった答えがかえってくる!



『“あのねあのね? 冷静に聞いてね! 私、妊娠したみたい!”』

『えぇ!?』

『嬉しい! ふたりの子供がデキるんだよ!』

『・・・あぁ、あのさ、言いにくいんだけど、』

『なになに?』

『“おろしてくれないかな?”』

『えぇ!? なんで?』

『“俺さ、他にも付き合ってる女の子が居て、その子にも俺の子供が居るし

もう子供はいいかなって、』

『・・・い、いいかなって? 私達の子供でしょ!』

『ほら? 俺、プータローだし!』

『えぇ!? マジで言ってんの? いつからそんな女、居たのよ!』

『花菜と付き合う前からいたよ!』

『でもさ、“俺達、流れに任せて付き合っていこう”とか言ってたじゃない!』

『まさか? 子供がデキるなんて計算に入ってなかったんだよ。』

『ふざけんな! 無職で金もないアンタをこの家に住まわせてやって、お小遣い

まであげてたのに、いざ! 私に子供がデキたって言ったら? 私を捨ている気

でいるの? アンタ、何がしたいのよ!』

『“俺はただただ、ややこしい事やめんどくさい事が嫌でなんもしたくないだけ

なんだよねぇ~』

『・・・ほ、本当に子供おろすの?』

『“しょうがないじゃないか! 俺に生活力なんてないよ!』

『働けばいいじゃない!』

『無理無理! “俺は人の下について働くような男じゃないからさ。”』

『“自分の家族がデキたなら? 働くしかないでしょ!”』

『“だから、おろせって言ってるじゃん! 俺は人の指図には従わない。』

『“じゃあ、私達ここまでだね。』

『そうみたいだな、俺出て行くわ。』

『・・・ううん。』

『じゃあな、ちゃんとおろせよ!』

『・・・・・・』




・・・あまりにも無責任で、他人事のように話した彼を私は許せなかった。

でも? こんな形で別れても私はまだ彼が好きみたい!

それなら、私はこの子を私一人で育てようと思う。

好きな男の子供だ! やっぱりおろしたりできないよ。

女手一つで私はこの子を育てていく!

この子の為にもね。

“私も母親になるんだもの! 強くならなくっちゃ!”

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

“俺達、流れに任せて付き合っていこう”と言った彼に私は絶望した! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ