第3章 記憶、性格、運命
電車は大きな温泉旅館で停車した。空は先程とは真逆で暗いが、星が輝き月のような光が眩しい。その場所は、私達が行ったことのない記憶だった。
「何で温泉旅館?」
再びアナウンスが流れて出入口の扉が開く
温泉旅館……温泉旅館!
「温泉旅館!」
私は唐突に大きな声を出してふたりを驚かせた。
「わあ! びっくりした……」
そうだ、あの夢に出てきた温泉旅館! きっとそうだ、ここはあの異獣がいた温泉旅館
「トラさん」
「ぴゃ!」
……集中してる時に肩を叩かれて変な声が出た
「ここ、知ってるの?」
リーニは初めてミツルと会った時のコミのように、強ばった表情で訊いてきた。
「うん、実は……」
私は遊園地へ行く前にシアターで見た内容を読んでいたことを話した。
「……てことは、あの遊園地のシアターで奇妙な内容が流れたのはトラさんの影響が高そうね」
確かにその可能性が高い。それに、あの記憶の中心地にあったのは確かに私の記憶だった。
「……ならここは誰の記憶?」
この旅館の存在を知っていたのは私だけだった。リーニとコミは、あの夢を見ていないと話している。
「中に行かないと分からなさそうだね」
鉄は熱いうちに打て、という言葉がある。ミツルさんが見つからない以上、早めに行動を始めて見つけ出した方が良い。
「行こう!」
……そして私達は、リーニが持っていたサイコロを数欠片ずつポケットに入れて、綺麗な星灯に照らされた温泉旅館に足を踏み入れた。
「若いお嬢さん方、ようこそお越しくださいました」
扉を開けた途端、女将のような人とその他5人ほどの男性女性に迎えられた。
「えっ、この人達私たちのこと見えてる?」
女将のような人が何か話している中で、コミが話を振ってきた。
「……いや、そういう訳じゃないみたいよ」
女将の方を見ると、確かに違和感がある。今この瞬間、私たちは女将が話しているのを無視して会話しているのに話を止めない。それを見たコミは、私にある提案をしてきた。内容は少し私に合っていないと思ったが女将の違和感を確かめるために、初対面の怖そうな先生すらも笑ってしまうような変顔を披露した。
……その途端、女将は突然真顔になった。その数秒後、嫌々やらされた私ですら達成感を味わってしまうほどのリアクションをしてくれた。
「はぁー、お嬢さんは面白いですね!」
女将には私たちの姿が見えているようだ。
……待って、何か急に恥ずかしくなってきた。
「さあさあ、どうぞ上がってください」
女将に案内されるがままそこそこの広さをした部屋に入った。
「当旅館名物の月星温泉は6階にございます。それではごゆっくり」
空気を動かすかのように女将はふんわりと襖を閉め、私達だけの空間が完成した。
「……」
「あああ〜〜!!」
「普通に見えてるじゃん! 恥ずかしい……」
「まあまあ、すごい笑ってくれてたじゃん」
コミが慰めの言葉を口に出すが、私には届かない。
「コミのせいじゃん!」
「……うん。ゴメン」
「落ち着いて……」
布団に顔を擦り付けていた私の背中をポンと叩かれた。
「ここからの計画を練りましょう。誰の記憶かも分からないし、慎重に動いた方が良いわ」
「ねね! 温泉行かない?」
「……話聞いてた?」
「もう! 聞いてたよ!」
「こんな場所でもコミは変わらないな」と心の中で思いながら布団から顔を上げた。
「……」
すると、入口の襖の奥から小さな子供が覗いているのが見えた。私は気になって襖に近づき「君は?」と訊いた。
「——!?」
バタン!
その音でコミとリーニも子供の存在に気が付いて私に視線を向けた。
「ちょっと!」
襖を開ける。少し遠くに先程の子供が見えた。走ってその子を追いかける。すると、その子供は明かりのある部屋に駆け込んだ。
はぁ……はぁ……あの子足早くない? でも何とか追い付いた……
「どうしたの?」
部屋の中から声が聞こえた。その声は聞き覚えがある色が残っているように感じた。
「お姉さん……!?」
子供が入ったのは、遊園地で出会ったお姉さんの部屋だった。見た目は少し幼いけど、声、顔、雰囲気で確信した。
「て事は……」
私はふたりを連れて、再度お姉さんらしき人が居る部屋の前に来た
「ほら、あれミツルさんじゃない?」
「んー、言われてみれば確かに似てる気は……」
「あのお姉さんが、サイコロで見た人なのよね?」
私は首を縦に振った。ふたりは私が出会った時より幼いけど、見間違えているとは思えない。
「私、ちょっと試したいことがある」
リーニは突然立ち上がり、中にいるミツルに声をかけた
「ミツルさん、私の事覚えてるかしら」
「……」
彼は反応するも、恥ずかしかったのか隠れて返事をしなかった。しかし、お姉さんはこちらに見向きもしなかった。
「そっかーここ、ミツルさんの記憶なんだ……」
ミツルさんにガン無視されたまま私達は部屋に戻ると、何をすべきなのか分からずにただボンヤリとしていた。
「ミツルさん、何であんな姿になっちゃったんだろう」
何故だろう。今の生活が辛いからとか?
「……あーもう! このまま悩んでても仕方ない! トラ、リーニ! 温泉行こ!」
コミ、温泉行きたすぎでしょ。……とはいえ、屋上の温泉は星空も相まってとても綺麗だった。ちょっと気になる
「うん、いいよ」
「やった!」
「私はパスで」
リーニは椅子に座ってサイコロを覗きながら拒否した。
「え!? 行こーよ〜」
コミは後ろから手を回し、頬を髪の毛に擦り付けながら懇願している。あれは私がやられても嫌だ
「……もしかして、恥ずかしいの?」
コミは弄るように問う
「違うわよ、今後の作戦を練ってるの。終わったら行くわ。」
「え〜? 後でいいじゃーん」
「今やりたいの」
「……帰ったら夏休みの課題全部やってあげるから!」
毎年出校日以降に課題を始めて結局終わらず最終日に私の答え全部写して提出してる人が何言ってるんだか
「もう終わったわ」
「ええ!? はや!?」
コミは頬をプクーと膨らませたと思うと、説得を諦めたのか溜息をついた。
「……分かったよ、後で絶対来てね! トラ行こ!」
「うん」
コミは諦めてトラとふたりで温泉へ向かった。
月星温泉——
「わー、すっごい綺麗……」
温泉へやって来たふたりは目の前に広がる光景に呆然とした。落ちてきているのではと思うほど溢れる星々、温泉の水面にはその星明かりが反射していて、宇宙のようになっている。
「ふぅ——」
温泉にはふたりだけだ。この広い温泉を独占できるのは贅沢な気持ちもあるが、少し虚しい。
「……気持ちいーこのまま寝たいー」
「ダメだよコミち、こんな訳の分からないところで寝たら」
「うん、分かってるよ」
予定通りなら、今はモールで遊んでいただろうか。この不思議な空間の旅は、いつも運動をしていない身体には堪える。
「……そう言えば、トラがコミと会った時もこんな感じだったよね」
「え?」
「ほら、初めて話したのってプラネタリウム観てた時だったじゃん」
「あー……」
そうだったな、懐かしい。保育園に通ってた頃にプラネタリウムで急に話しかけてきてびっくりした
「でもあの時はコミばっかり話しかけてて全然話してくれなかったよね」
「……何? 嫌味?」
「違うよ!」
「……小学2年生だったっけ。コミ、今でもしっかり覚えてるんだよ! トラが初めてまともに話してくれた日のこと」
この出来事は私もよく覚えている。
「レクリで使う飾りを折り紙で折ってた時に全然折れなくて困ってたら、トラが自分から『私、お星様作れるよ!』って言ってくれたんだよね! あの時私、すっごい嬉しかったんだよ」
コミは手をガッツポーズしてこちらを向いた
「周りはみんな出来てるのに、コミ上手く作れなくて泣きそうになってたらトラが助けてくれて……あの時のトラ、ほんとにすっごい輝いてた!」
その時のコミは、目を下に向けて水面に映る星空を見下ろしていた。
彼女はものすごく褒めてくれるけど、私はあまりそうだと思っていない。あれはユーレナちゃんのおかげ。ユーレナちゃんに出会って影響を受けた反動だったもん
「……うん、ありがとう」
彼女達は星空の下でゆったりとした時間を過ごしていた。
「……でも」
……しかし、無慈悲な物語は1歩ずつ進んでいく
「この思い出とも、もうお別れかな」
「コミ?」
私の目に一瞬映ったのは、笑顔で顔に水滴を流しているコミと
虹色の筋が入った蛇だった
「トラさん? コミさん?」
かなり長い間帰って来ず、痺れを切らしたリーニは服を着たまま温泉を覗いた。するとそこには幼い姿をしたトラと思わしき人物が倒れている。
「トラさん!?」
「ある所に1匹の異獣が居ました」
近づいた途端、後ろから声がした。リーニは声のした方向へ振り向くと、女将とコミが居た。
「コミさん……?」
「その異獣は愛を教えてくれた女性の記憶を食べて後悔し、記憶を食べずに生きる道を選びます」
「……しかしある日、討獣団体の手が再び異獣に伸びました」
「異獣は苦難の末に彼らの記憶を食べましたが、そのおぞましい姿を見てしまった女性の記憶も食べてしまいました」
「異獣は記憶を無くした女性の元を離れ、再び記憶を喰らう生活を始めましたとさ」
女将はそう話しながら、蛇の姿へ変化して宙に浮いた。リーニはその様子を見て状況を悟り、彼女はトラに声をかけ続ける。しかし返事が無い。
そこである事を思いつく。ポケットからサイコロの残りと、賑海水族館で買った淡青色のユーレナちゃんキーホルダーを出してトラに握らせた。
夕方——
外は橙色をしていて、私はテレビでアニメを見ていた。テレビのナレーターがお話を語る
「ユーレナちゃんは、元気いっぱい。お魚学校で沢山お話をして、弱いものいじめは許さない。好き嫌いはしないで沢山食べる。たまに怒られても気にしません。ある時、お友達のカニさんがこう聞きました『何でそんなに色んなことができるの?』と。ユーレナちゃんはこう答えました。『私はやりたいことをやってるだけだよ。先ずは挑戦。その後に次のことを考えるの』」
記憶はそこで途絶え、段々と女性の声が聞こえてきた
「トラ!」
……目を開けると、そこには白に少し水色を混ぜたような色の髪の毛を下ろした少女が泣きながらこちらを向いていた。
「……誰?」
「私よ、リーニ」
リーニ。その名前を頭の中で思い出そうとするが、後味の悪い雑感しか残っていない。
「これ、覚えてる?」
リーニは私の手のひらにあるユーレナちゃんを見せた
「ユーレナちゃん……」
「そう!」
その言葉を聞いた途端、彼女は顔に希望を見せた。しかし——
「残酷ですね」
蛇はその言葉を発して、リーニの側頭部に鼻孔をぶつけてそのまま勢いよく反対側にすり抜けた
「きゃ!」
リーニは彼女の目の前で倒れる。蛇は筋を光らせながら一回り大きくなり不気味に笑った
「トラ……忘れる前にあなたの記憶にあった言葉を贈っておくわ」
彼女は倒れたまま、言葉を口に出した。
「キッカケひとつで、運命は変えられるの」
その言葉を聞いた時、もうひとりの声も聞こえた。
その声の主は、とっても明るくて、綺麗で、眩しかった。
「!」
私は立ち上がり、右手でサイコロを握りしめ、左手でユーレナちゃんを胸に叩きつけた。彼女の身体は段々と元に戻り、今までの記憶を蘇らせたその目は、大切な記憶を奪った蛇に対する威圧感が込められていた。
「まさか記憶を……?」
蛇は呟いて目を光らせると、何処からか大きなサイコロを出現させて体内に取り込んだ。
「あんたにとっての記憶は、ただの食べ物かもしれないけど、私達にとって記憶は、その人の性格を作る大切なものなの」
蛇はトラの言葉に見向きもせず、サイコロのエネルギーでどんどん身体を巨大化させ、1匹の龍のような形になった。その時に地面はガタガタと揺れ始め、所々が粒状になって消え始めていた。先程まで蛇の近くに居たコミは、危険を感じて眠ったままのリーニの所へ駆けつけた。
パシっ
「え? ……わ!」
倒れていたはずのリーニは目を覚ましたのか、コミの手を引いて崩れ始めた地面の上からジャンプして月星温泉から飛び降りた。
その時、私はサイコロを粉々になるほど強く握り締め、蛇に向かって高くジャンプした。
(……コミちゃん! 私、お星様作れるよ!)
脳裏に映った記憶はサイコロによって巨大で立体的な星へ増幅された。星は様々な色をしてるが、中でも一番大きく輝いている金と水色で作られた星が龍に向かって放たれた。
「——そして性格は、人の運命も変えるんだ!」
「私には関係無い!」
旅館は殆どが消え、空は虹色の筋が入った白い龍と宇宙に落ちる巨大な星々がぶつかり合う一枚絵のようになっていた。
……衝突してから龍は増幅された星の記憶を全て喰らい尽くそうとしたものの、食っても食っても星は再生され、やがて龍は星に呑まれた。
呑まれた瞬間は、まるで星が一生を終えて超新星爆発を起こしたように幻想的で、散り散りになった星は平原に化した地面へ雪のようにふんわりと降り注いだ。
リーニはコミを地面へ送ったあと、重力が軽くなったかのように高くジャンプしてトラとミツルをキャッチした。
地面に着くと、コミは走ってトラの元に近づき彼女の名前を連呼した。
「トラ、トラ! 起きて……」
「うん……」
私は彼女の願いに答えるかのように軽くなった瞼を微かに開き、コミの方を見た。
「トラ〜〜!!」
その途端、コミは私の背中に手を回して、抱き合って泣き始めた。
「ごめんね、コミのせいで……コミのせいでこんな事になって……」
「大丈夫だよ」と言おうとしたが……待って、コミのせい?
記憶を無くす前のことを思い出す。コミは確かに蛇の共犯者に見える。その事を思い出した私はねむねむ状態から覚醒状態になってコミの肩を持って近づいていた頬をひっぺがした。
「そうだよ! もしかしてコミち私の記憶取ろうとしてたの!?」
実際に取られたけど! 一瞬!
「……実はね、コミ今度引っ越すんだ」
「え?」
突然の告白に、素で「え」が出てしまった。
「どういう事? 私聞いてないよ?」
コミは突然涙を流し始めた。
「それでね、言うか悩んでたらあの蛇が来て『辛い想いをするのなら、いっそ忘れてしまえばいい』って誘ってきて……」
…………はあ
やっぱり、この子はどこか変だ
10年以上共に生きてきた友人との思い出を捨てる人が何処にいるのだろう
「もう。そんなの、嫌に決まってるじゃん」
「え?」
「私はコミとの思い出を忘れて何も感じないで未来を歩むより、コミとの思い出を抱えて未来を歩みたい」
「それに、今は文明の利器があるんだから、全然悲しくないよ」
その言葉を聞きコミは更に涙を流して、私はコミに気づかれないように息を荒くしないように泣き、温かい彼女の背中をトントンと優しく叩いた。
「全く、私はまだ生きているというのに呑気ですね」
2人の近くに小さいミツバチがやって来た
「別に、もうあんな力持ってないでしょ」
「私を憎まないんですか? 完全に消してしまおうと思わないんですか?」
……何だこの虫、さっき私の記憶食べたくせに、かまちょ?
「……生きるために仕方の無いことなんでしょ。別に記憶を食べるのはいいけど、要らない記憶にしてよ」
「……熱中症で倒れかけた時の記憶とかですか?」
「え? 何言ってるの?」
この虫は何を。本当にかまちょなの?
「昔、あなたに近づいたことがあって、その時あなたに『熱中症で倒れた時の記憶を食べて!』ってお願いされたのですが」
「ええ? 私そんな事頼んでたの?」
ミツバチは「はい」と言った。
そんな事があったなんて…全然覚えてない
「私はあなたの慈悲に感謝してこの場から離れます」
そうミツバチは言い残して何処かに消えていった。
「「……」」
ふたりはその光景を見て、互いに見つめ合い、大きな声で笑った。
本当に小さなことで悩まされていて、ここまで大きな事になっていたのが馬鹿らしくなった。
「全く、あなた達は元気ね」
「リーニ……」
ふたりは立ち上がり、彼女の方を向いた
「記憶は大丈夫!?」
「……ええ、まあ」
「そっか、良かった……」
リーニは静かに下を向き、眉を下げたと思うと口を開いて話し始めた
「……最後に、話しておきたいことがあるの」
「最後?」
「トラさん、コミさん、私と出会った時のことは覚えてる?」
「もちろん! ……えっと」
「……あれ?」
リーニと出会ったのは中学生の時……これ以上の思い出が見当たらない。まさか、あの虫に食べられて……
私達が困惑している所を、リーニは笑った
「出てこなくて当然よ。それは偽の記憶だから。……昔ね、砂浜でビー玉を見つけたの」
親の目をかいくぐって、ひとりで砂を掘ってたら綺麗なビー玉を見つけて、それを覗いたら「雲の上に文明を創ってる世界」に飛ばされたの。私はそれを夢だと思って何も疑わずに雲の住人と一緒に街を冒険してた。
でも突然、雲の世界は泥の海に呑まれて私は砂浜に戻され親に怒られた。その時に私の髪は雲の様な色になった。
それから何度もビー玉を覗いて、二度とバッドエンドにならないように法則を見つけ出した。
1.ビー玉の世界は多種多様で、同じような世界も幾つかある
2.ビー玉の世界に入ったら、結末を見届けるまで外に出られない
3.ビー玉の世界で私は昔から居たかのような扱いをされる
「大まかにはこの辺り。あなた達の世界の物語も、私が読めるのはこの辺りまでみたい」
「何で分かるの?」
「もう、つま先の感覚が無いの。送還が始まってるのよ」
「コミ達の世界は、ビー玉の中の作り話なの?」
「……いいえ、少なくとも私は『私と同じ宇宙にある数多の星のひとつ』だと思ってるわ」
「数多の星のひとつ……」
それを聞いて、コミはリーニに近づいて無理矢理握手をする。
「じゃあ、私達とリーニは『アマタボシの宇宙』友達だね!」
「アマタボシの宇宙?」
「うん、数多の星でアマタボシ! こんな凄い旅をしたんだから、私達はもう友達だよ!」
リーニはくすっと笑った
「……っ。直球すぎない?」
「コミはちょっとおかしいんだよ。許してあげて」
私もリーニの近くへ行って握手をした
「……ええ、アマタボシの宇宙友達。ずっと覚えてるわ」
リーニの送還の影響で上半身も消え始め、握手をしていた手も消えてしまった
「それじゃあ、さようなら」
「『さようなら』じゃないよ」
「コミ達は友達だよ? またいつか会えるんだから」
「「またね!」」
「…………」
「……ええ、またね!」
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